• "積極的活用"(/)
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  1. 神戸市議会 1990-09-21
    開催日:1990-09-21 平成2年第3回定例市会(第2日) 本文


    取得元: 神戸市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-24
    本文へ移動 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1   (午前10時2分開議)  (島田議長議長席に着く) ◯議長(島田五三郎君) ただいまより本日の会議を開きます。  直ちに議事に入ります。  日程によりまして,日程第1 予第26号議案より日程第44 第96号議案に至る44件,一括議題に供します。  ────────────────── 2 ◯議長(島田五三郎君) これより委員会審査の経過並びに結果について,関係常任委員長の報告を求めます。  まず,総務財政委員会委員長佐藤清次君。  (17番佐藤清次君登壇) 3 ◯17番(佐藤清次君) ただいま議題となりました諸議案中,本委員会所管分の予第26号議案の関係分,第56号議案から第61号議案に至る6議案,並びに第75号議案から第93号議案に至る19議案,以上合計26議案について,一括ご報告申し上げます。  最初に,予第26号議案の関係分は,市税収入の増,市税過年度返還金の増,並びに国際文化交流事業の実施等に伴い,予算を補正しようとするものであります。  次に,第56号議案は,六甲アイランドの埋め立て等に伴い,市域内に新たに土地が生じたことを確認しようとするものであり,  第57号議案は,北区において住居表示の実施のため,市街地区域を追加し,当該区域における住居表示を街区方式としようとするものであり,  第58号議案は,住居表示の実施等に伴い,町及び字の区域並びにその名称を変更し,並びに町の区域を新たに画しようとするものであり,  第59号議案は,区の区域及び区役所出張所の所管区域を変更しようとするものであります。  次に,第60号議案は,恩給法等の一部を改正する法律等の施行により,恩給年額の改定等が行われたことに伴い,本市の恩給及び年金についても,これに準じて改定しようとするものであります。  次に,第61号議案は,出合財産区の土地を本市に売却しようとするものであります。  また,第75号議案から第93号議案に至る19議案は,いずれも工事請負契約案件であります。  委員会は審査の結果,いずれも原案を承認することに決定いたしました。  以上,報告を終わります。
    4 ◯議長(島田五三郎君) 次に,文教経済委員会委員長黒崎敬三君。  (47番黒崎敬三君登壇) 5 ◯47番(黒崎敬三君) ただ今議題となっております諸議案中,本委員会所管分の予第26号議案の関係分,第63号議案及び第64号議案並びに第94号議案から第96号議案に至る3議案,以上合計6議案について,一括ご報告申し上げます。  まず,予第26号議案の関係分は,補助事業の認証決定,摩耶兵庫高校の校舎新設に係る債務負担限度額を引き上げるに当たり,予算を補正しようとするものでありまして,本委員会は審査の結果,原案を承認することに決定いたしました。  次に,第63号議案及び第64号議案についてご報告いたします。  第63号議案は,卸売市場施設の使用料を平成3年1月1日から改定しようとするものであります。  今回の改定率は平均10%の引き上げとなっておりますが,これについて当局からは「前回の改定以来3年余り経過しており,また最近の経済情勢や他都市との均衡を勘案しながら中央卸売市場の財政健全化のため施設使用料を改定しようとするものである。なお,東部市場については,施設の傷みの度合いを考慮し,一部施設について特別措置を講じている。」との説明がなされたのであります。  これに対し委員からは,今回の使用料改定に伴う小売業者及び消費者への影響,卸売市場施設・設備の計画的な改修・整備,仲卸業者の育成策等について論議が交わされたのであります。  以上の経過を経て,意見決定を行いました結果,「今回の改定に当たっては使用者と十分協議がなされ,改定率についても配慮した跡がうかがわれる。」ことから全会一致をもって本件は承認することに決定した次第であります。  また,第64号議案は,食肉センターの使用料を,中央卸売市場施設使用料の改定と同様の理由で改定しようとするものでありまして,本委員会は審査の結果,原案を承認することに決定いたしました。  この際,第63号議案に関して当局に要望申しあげます。  まず,本市卸売市場施設の整備,充実についてであります。  最近は,人手不足を背景とした企業の省力化投資が活発であり,それを受けて省力化技術の進歩も目覚ましく,効率のよい機器が多く開発されております。  また近年,各都市における卸売市場同士の競争も激しくなっており,より一層の効率的な運営が求められております。  したがって,施設使用者の経営効率向上のためにも,卸売市場の新しい施設・設備の計画的な整備,充実に努められたいのであります。  次は,仲卸業者の育成・指導についてであります。  仲卸業者の経営環境は,スーパー・マーケット等の小売形態の台頭により大きく変化してきており,決済方式の変更による運転資金の増大等多くの問題を抱えています。  仲卸業者の基盤強化のためには,これらの問題の解決に向けて市が支援する必要があり,市におかれては企業診断,企業融資等総合的な施策を実施し,もって仲卸業者の育成・指導に当たられたいのであります。  最後に,現在設置されている市場の活性化委員会をより活発化させて,実効あるように努められたいのであります。  以上,第63号議案につきまして要望申し上げました。  次に,第94号議案から第96号議案に至る3議案について一括ご報告申し上げます。  本件は,垂水漁港並びに塩屋漁港の公有水面埋め立てについて兵庫県知事から市長の意見を求められたため,異議ない旨,回答しようとするものでありまして,本委員会は審査の結果,原案を承認することに決定いたしました。  この際,本件のうち垂水漁港の埋立地に計画されている「マリンピア神戸」に関して,当局に要望申し上げます。  「マリンピア神戸」計画は,これまで地域住民や地元市会議員団とのたび重なる協議を経て慎重に計画が進められてきており,この8月には環境影響評価の結果も出され,「各項目についておおむね影響は軽微である。」との内容が明らかになったところであります。  しかしながら,景観形成地域である当該地における本計画の推進に当たっては,自然環境,住環境の良好な保全と交通渋滞問題等について,今後とも十分な対応をされますよう要望申し上げます。  以上,報告を終わります。 6 ◯議長(島田五三郎君) 次に,民生保健委員会委員長尾崎敏江君。  (33番尾崎敏江君登壇) 7 ◯33番(尾崎敏江君) ただいま議題となっております諸議案中,本委員会所管分の予第26号議案の関係分及び第62号議案について,一括してご報告申し上げます。  まず,第62号議案は,昭和63年5月に布施畑埋立処分地において発生した職員の死亡事故に関して,損害賠償額を決定し,遺族と和解しようとするものであり,  また,予第26号議案の関係分は,この損害賠償金の支払いに伴い,予算を補正しようとするものであります。  委員会は審査の結果,いずれも原案を承認することに決定いたしました。  以上,報告を終わります。 8 ◯議長(島田五三郎君) 次に,建設消防委員会委員長田路裕規君。  (26番田路裕規君登壇) 9 ◯26番(田路裕規君) ただいま議題となっております諸議案中,本委員会所管の予第26号議案の所管分並びに第65号議案から第72号議案に至る8議案,及び第74号議案,以上合計10議案について,一括ご報告申し上げます。  まず,予第26号議案の本委員会所管分でありますが,これは「天津の森」を整備するに当たり,予算を補正しようとするものであります。  次に,第65号議案は,神戸市道路公社が元町東駐車場事業について,建設大臣に許可申請を行うに当たり,あらかじめ本市の同意を求めてまいったので,これに同意しようとするものであります。  第66号議案は,第65号議案に関連して,基本計画の変更に係る定款の変更について,本市が共同して建設大臣に許可申請を行おうとするものであり,  第67号議案も,第66号議案に関連して基本財産の変更に係る定款変更を行うに当たり,あらかじめ本市の同意を求められたので,これに同意しようとするものであります。  また,第68号議案は,神戸市道路公社が,六甲有料道路事業の一部変更について建設大臣の許可を受けるに当たり,あらかじめ本市の同意を求められたので,これに同意しようとするものであり,  第69号議案は,阪神高速道路公団法第30条1項の基本計画を変更することについて,建設大臣から本市に協議があったので,これに同意しようとするものであり,  第70号議案は,大月台1号線ほか 123路線を市道として認定するとともに,六甲村 487号線ほか16路線等を廃止しようとするものであります。  さらに,第71号議案は,市立自転車駐車場を設置するに当たり,条例の一部を改正しようとするものであり,  第72号議案は,神戸国際港都建設事業岡場地区特定土地区画整理事業神鉄岡場架道橋整備工事並びに市道サンこうべハーバーランド線建設工事を,それぞれ神戸市都市整備公社に委託しようとするものであり,  第74号議案は,政令の改正に伴い,非常勤消防団員等公務災害補償基礎額の引き上げを行おうとするものであります。  委員会は審査の結果,いずれも原案を承認することに決定いたしました。  以上,報告を終わります。 10 ◯議長(島田五三郎君) 次に,港湾交通委員会委員長長嶋 登君。  (22番長嶋 登君登壇) 11 ◯22番(長嶋 登君) ただいま議題となっております諸議案中,本委員会所管分の予第27号議案及び予第28号議案並びに第73号議案について,一括してご報告申し上げます。  まず,予第27号議案は,ハーバーランド広場護岸工事受託工事費の増等に伴い,予算を補正しようとするものであり,  予第28号議案は,六甲アイランド埋め立て等に係る債務負担行為の限度額変更等に伴い,予算を補正しようとするものであります。  次に,第73号議案は,運輸省第三港湾建設局がポートアイランド第2期マイナス15メートル岸壁の建設に係る公有水面埋立承認を出願したことに伴い,港湾管理者の長から市長の意見を求められたので,異議ない旨,回答しようとするものであります。  委員会は審査の結果,いずれも原案を承認することに決定いたしました。  以上,報告を終わります。 12 ◯議長(島田五三郎君) 以上で関係常任委員長の報告は終わりました。  関係常任委員長の報告に関し,ご質疑はございませんか。  (「なし」の声あり) 13 ◯議長(島田五三郎君) ご質疑がなければ,本件は関係常任委員長の報告どおり決しまして,ご異議ございませんか。  (「異議なし」の声あり) 14 ◯議長(島田五三郎君) ご異議がないと認めます。  それでは,予第26号議案より予第28号議案に至る3議案及び第56号議案より第96号議案に至る41議案,以上合計44議案は,いずれも原案のとおり可決いたしました。  ────────────────── 15 ◯議長(島田五三郎君) 次に,日程第45 決第1号より日程第55 第55号議案に至る11件,一括議題に供します。 16 ◯議長(島田五三郎君) 本件に関する説明は,去る9月18日の本会議において終了いたしておりますので,直ちに質疑に入ります。  1番片岡雄作君。  (1番片岡雄作君登壇)(拍手) 17 ◯1番(片岡雄作君) 私は,公明党議員団を代表して,平成元年度神戸市公営企業決算並びに関連議案について,市長並びに関係当局に質疑をいたします。  元年度の決算は,8事業会計中6事業会計において黒字を計上し,その当年度純利益は76億 8,200万円余となっており,これは実に前年度に対して44億 3,000万円余の増となっております。これは開発事業の63億 2,900万円という堅調な伸び,料金改定及び乗客数増の伸びに伴う自動車,高速鉄道事業の収支の改善,さらに高速鉄道事業における国庫補助金の回復措置等々,実に順調な推移を見せているのであります。  その中にあって病院事業は,病院関係者の大変な努力により62年度決算で初めて5億 6,700万円の黒字を計上しましたが,元年度決算においてふたたび1億 9,300万円の赤字決算となり,病院事業の抱える問題の難しさを改めて感じるものであります。  累積欠損金は病院,自動車,高速鉄道の3事業会計において 703億 1,000万円となり,これは5年前に比べて 1.5倍に拡大しているのであります。そして,今後ともこのままで推移すれば,ますます累積欠損金が増加することが見込まれます。例えば高速鉄道に限って見ても,当局の試算では3年ごとの料金改定を前提としても,累積欠損金は平成9年にはピークの 800億円となることも予測されています。  一方では,基金残高状況を見ますと,港湾事業の 673億円,開発事業の 647億円を初めとして全事業で 2,413億 3,600万円となっております。これは将来にわたって各事業を維持発展させていくための備えであると思いますが,市民負担を少しでも軽減するため基金を活用し,市民に還元する方法はないのか,市長の見解をお尋ねいたします。  ここ数年の各事業会計の順調な推移は,関係者の真剣な努力はもちろんのこととして,金利の低下,円高差益さらに原油価格の安定など,外的環境に恵まれたことが大きな要因として上げられます。今のところ景気の拡大が続いていますが,先行きの不安材料として中東情勢の行方とそれに伴う原油の高騰,金利の引き上げ,株価の下落などがあり,本市の財政にもどんな影響を及ぼすか,予断を許さないのであります。  さらに,内部要因としては,公営企業の営業費用に占める人件費の割合は約40%となっており,それ以外の義務的経費をトータルすると,50%を大きく超えるのであります。これは当然のこととして,年々増加するものでありますし,不安定要素の1つとなっていくのではないかと思うのであります。加えて市民生活を豊かに快適にするためには,新規の事業も望まれるところであります。このような状況下にある本市公営企業のテーマと課題に対してどのように取り組まれようとされているのか,笹山市長として初めての公営企業決算でありますので,あえて見解をお聞きいたします。  次に,下水道事業についてお伺いいたします。  都市の成熟度を示す指標の1つに下水道普及率があります。本市は平成元年度末人口普及率95.5%,市街化区域人口普及率が98.2%,平成2年度末人口普及率97%,市街化区域人口普及率はおおむね 100%となっており,本市の下水道事業は全国的にも極めて高い整備率にあり,既に本格的な維持管理段階に入っており,膨大な施設を適切に維持管理していくために質的向上及び改善に重点を置いて,施設の充実を図っていく必要があると考えるのであります。  現在,玉津処理場において高度処理を行っていますが,本市のように閉鎖性水域に面するところでは,水質汚濁は進行しやすく,高度処理推進拡充は急務であります。東部・垂水処理場及びポートアイランドには既に用地は確保されており,残るは中部・西部処理場となっています。中部・西部処理場は開設当時とは社会状況も大きくさま変わりし,インナー対策の上からも思い切った政策の見直しこそ大切ではないかと思うのでありますが,処理場の統廃合を含めた高度処理に向けての見解をお伺いいたします。  次に,港湾事業に関連してお伺いいたします。  平成元年度の神戸港の港勢は,総トン数2億 7,059万トン,取扱貨物量1億 6,719万トンと,ともに過去最高記録を更新し,国内主要港の中ではトップの座を維持しています。また,トランシップ貨物の取扱量も順調に推移し,国際貿易港としての面目を保っています。しかしながら,アジア主要国の成長は目覚ましく,コンテナ取り扱い個数では香港が本市の約2倍という圧倒的な量を誇り,続いてシンガポール,高雄などの諸港でも著しい伸びを見せています。  このような中にあって,港間競争に打ちかち,アジアのマザーポートとしての神戸港を目指す上でポートセールスのより一層の強化を進める必要があると考えるのであります。そこで,現在香港とシンガポールを兼任している海外ポートエージェントが空席になっていると仄聞しているのでありますが,この際シンガポールに事務所を設置するくらいの積極的な取り組みが考えられないものでありましょうか。シンガポールは政情も安定しており国際金融市場としての重要な地位を占め,地理的にも申し分のないところであります。シンガポール事務所を拠点にして積極的なポートセールスを展開し,これからの時代を先取りした情報収集,海運動向の掌握こそ不可欠であると考えるものでありますが,市長の所見をお伺いいたします。  あわせて,これからの港湾施設の整備についても市長のお考えをお伺いいたします。  次に,ウォーターフロントに関連してお伺いいたします。  この問題は,インナーシティ活性化のかぎとして重要性が高まっています。市長としてウォーターフロント開発に対してどのようなお考えをお持ちか,お伺いいたします。  あわせて,本市ではメリケンパークの整備,中突堤先端部の再開発,新川運河の整備など市民が水に親しめる諸施策の実施計画が進められていますが,これら港湾地域の集客施設や展示場の建設について規制緩和の方向で運輸省と建設省の協議が進められているようでありますが,本市の関係省庁への働きかけとその結果及び見通しについてお伺いいたします。  次に,開発事業についてお伺いいたします。  開発事業決算につきましては,前年度に引き続き順調な推移をしており,純利益も63億 2,900万円と過去最高の利益を計上し,その利益処分においても従来の20億円を上回る30億円を一般会計へ繰り出しを予定するなど本市財政に大きく寄与しています。また,今後の事業見通しも,土地需要も多く順調な推移が予測されるのであります。  開発事業は経営内容の安定もさることながら,最も大切なことは造成された土地の利用計画がより多くの市民に親しまれ,利用しやすく,魅力あふれるまちをつくるという点であります。このような観点から現在進行中の六甲アイランド第4次コンペと西神第2住宅団地に関連してお伺いいたします。  六甲アイランドは,民活の導入により第1次コンペより2次,3次と住宅・業務・レジャーゾーンが建設進行中であります。そして,最後に残っている第4次コンペも平成3年度の公募に向け,現在準備中と伺っています。そこで,第4次コンペについては,基本的にどのようなまちづくりを考えているのか,お伺いいたします。  また,この区域につきましては,かねてより我が党はたびたび公営住宅の建設について提言を重ねてまいりました。本年3月の予算市会においても,同趣旨の質問に対して,市長は「公営住宅建設については積極的に取り組む。」旨の答弁がございましたが,現在この住宅建設についてどの程度検討が進んでいるのか,具体的な内容も含めてお答えをいただきたいのであります。  次に,西神第2住宅団地についてでありますが,この区域につきましては当初の計画を見直し,一部を特定業務施設用に用途を変更し,本格的にまちづくりが進められようとしておりますし,その内容についても今後検討されるとのことであります。  今,市民においても数多くの施設誘致のニーズがある中で,西神地域における最後のまちづくりであるがゆえに,より多くの市民に愛される,また地下鉄の乗客増対策という観点から,この西神第2住宅団地のまちづくりについていかなる構想を持って進めておられるのか,また建設に向けての具体的なスケジュールについてもお伺いいたします。  次に,病院事業についてお伺いいたします。  昭和61年3月「医者からもらった薬がわかる本」が発売され,ある全国紙が家庭欄で取り上げた翌日から版元に問い合わせと注文が殺到し,この4年間で 100万部を突破したそうであります。3万から5万出ればホームランと言われる健康本の中にあって,驚異的な売り上げであります。その後もマスコミ各紙は「薬不信を除く本が登場」「質問ができぬ患者の味方」「開かれた医療への第1歩」といった見出しをつけ,取り上げたのであります。聞くところによりますと,この4年間で20冊近い類似本が発売されたと言われております。その売り上げ部数は 300万部近いと言われているのであります。  この背景には,体の調子が悪いので病院に行く,混雑した待合室で長時間待たされた後,やっと名前が呼ばれ,簡単な診察を受けた後,薬局で抱え切れないほどの薬をもらうことになる。だれもが一度は経験したことのある情景であります。薬局でもらった大きな薬袋には,赤・黄・青・白・オレンジ色と,さまざまな薬が入っています。しかし,患者はその薬の名前は何か,効能はどうなのか,正しい服用の仕方,ほかの飲食物や薬への影響,車の運転などの活動にはどのような注意が必要なのか,副作用があるのか,もし起きたらどう対応するかなど,医師から知らされていないし,また疑問を感じながらもほとんどの人が聞こうとしない実態があるのではないかと思うのであります。  日本医師会のアンケート調査の結果でも「嫌いな患者ワーストワン」に「しつこく質問をする患者」が選ばれたことがあります。ここ数年,各市民病院では,患者サービスの向上に努めてきたわけでありますが,医師と患者,病院と患者の信頼関係,医師と患者が向き合う医療の実現のためにも,まず投薬される薬の名前,効能と作用などについて少なくとも各市民病院では将来に向けてそのシステムを確立すべきであると思いますが,市長の見解をお伺いいたします。  第2点は,病診連係についてであります。最近家庭医が危機に瀕しているという声をよく聞きます。これにはさまざまな要因があると思います。基本的には患者の大病院志向であります。現在の医療システムでは,開業医でも大病院でもかかる費用は同じであり,同じなら大型の高度な医療設備の整った大病院へ向かうのは無理からぬことであります。患者の大病院志向は改まらないと思うのであります。  次に考えられることは,大病院に太刀打ちするために高額の医療機器を導入することによる過剰設備投資であります。さらには,医療を取り巻く環境が大きく変化しているのではないか,その第1は先進国が経験したことのない高齢化社会を迎え,医療は限りなく福祉に近い医療サービスへと転換していることであります。  第2には,病院は単に疾病を治療する場ではなく,快適な環境の中で治療を行い,安全が保障されるという,別の要素が求められていることであります。  第3には,医師の供給過剰により,患者を選ぶ側であった病院が患者から選ばれる側へと逆転したことであります。さらには,国民医療費の抑制や地域医療計画の策定による病院,病床数の規制などであります。
     このような状況の中で家庭医が消えて,大病院が肥大化しているのではないかと思うのであります。その結果,極めて軽い症状でも基幹病院を訪れることにより,基幹病院として本来の高度医療,救急医療体制に支障を来すことになるのではないかと思うのであります。家庭医には,きめ細かな診療,心の通った医療があり,高齢化社会が急速に進む中にあって,今後ますます果たす役割が大きくなるのではないかと考えるのであります。  本市では,中央市民病院に医師会連絡室を設け,このあたりのことの解決の一助にしようとしているわけでありますが,地域社会の中で市民病院群と家庭医が担うべき機能・役割は何なのかを,医師会とともにいま一度見直し,その上で病診連係を一層進めるべきであると考えますが,見解をお伺いいたします。  あわせて,お聞きしたいのは,西区に計画されている中核的病院についてであります。患者及びその家族の立場から考えると,身近にオールラウンドの家庭医がいて,病気をきちんと見きわめる能力があり,かつ何でも相談でき,高度の技術や医療機器を必要とする場合は専門機関や大病院に紹介してくれるという2段階,3段階のシステムの確立であります。  そこで,提案ですが,西区の中核的病院を地域病院のモデルケースにしてはどうかと思うのであります。地域の開業医からの紹介患者を中心に予約診療を行い,ある程度回復すればその患者を地元の開業医のもとに返して,そこで通院治療する。また,オープンシステムをとり入れ,地元の開業医は登録してもらい,場合によっては開業医みずから病院スタッフと一緒に治療に当たる,このようなシステムをとれば,家庭医の育成にもなるし,また中核的な病院も本来の役割を果たせるのではないかと考えますが,市長の見解をお聞きいたします。  あわせて,この中核的病院の運営方式,経常収支の見通しなど基本的な事項についても明らかにしていただきたいのであります。  次に,バス事業についてお伺いいたします。  平成元年度自動車事業会計決算を63年度と比べてみますと,乗車人員は 1.2%,乗車料収入では 4.9%増,また単年度純利益は6億 800万円の黒字決算となっております。非常に厳しい状況にあるバス事業の中で,このような決算に終わったことは,料金改定の効果はもちろんのこととして関係者の内部努力に負うものが大であったと確信しているものであります。心配されていた料金改定に伴う逸走もなく,黒字決算を計上された当局の努力を評価するものでありますが,累積欠損金は減少したものの今なお54億 8,600万円を残しているのであります。  バス事業の収支改善を考えると,企業努力を大前提として,1つは料金改定,2つには乗客増対策,そして資産の有効利用であろうと思います。当然のことですが,料金改定については極めて慎重に当たらなくてはならないことは論をまたないのであります。  そこで,お聞きしたいのは,乗客増対策にどのようなお考えをお持ちか,明らかにしていただきたいのであります。  次に,企業資産の有効利用についてであります。我が党議員が63年度企業決算総括質疑で布引車庫の有効利用についてただしたところ,前市長は布引車庫の問題について「布引の地域一帯を神戸の新しいターミナルにしていこうという考えです。少なくともターミナル形成に必要な施設を計画しているところに売却する考えです。また,布引車庫は相当財産価値があるので,その売却代金はバス不良債務およそ60億残っておると思うので,それを返済し,残りはバス事業の運営のため積立金等にしておきたい。」との答弁がありましたが,笹山市長は企業資産の有効利用,特に布引車庫についてどのような対応策をお考えなのか,お伺いいたします。  次に,国鉄清算事業団用地4万 5,000平米のうち市バス中央営業所用地として1万 5,000平米を市に譲渡されるよう申し入れをされるなど鋭意努力をされ,かなり進展をしていると聞いていますが,用地確保の見通しについて明らかにされたいのであります。  次に,高速鉄道事業についてお伺いいたします。  決算書によりますと,乗客人員の伸び,国庫補助金の回復措置等により収益的収支は改善されたものの,依然として減価償却費,企業債利子の支出が大きく,単年度収支は37億 7,400万円の赤字となり,累積欠損金は 505億 7,100万円となっています。同事業の経営状況の厳しさは理解するものでありますが,市民生活にとって欠かすことのできない交通機関であり,一層の努力をお願いいたします。  そこで,高速鉄道の将来構想のうち西神線の再延伸についてお聞きいたします。本年8月に開催された神戸隣接市町長懇話会の中で,神戸市営地下鉄の再延伸問題が話題となり,明石市長からは「2005年までに西明石まで延長する国の構想があるが,もっと早く着手してもらいたい。」さらに,三木市長からは「地下鉄を押部谷に持ってきてもらえれば,その奥に新しいまちづくりをしたい。」などの要望が相次ぎ,市長は各要望に積極的に対応していく考え方を表明されたと仄聞しています。  かつて,市域内である押部谷方面へは,前市長は「最有力の路線として延伸したい。」と言われたことがあります。また,学園都市から舞子方面,西神中央から西明石方面につきましては,運輸政策審議会で将来構想が示された路線であります。  先般,オリックス球団の本拠地がグリーンスタジアム神戸に決定したことや,沿線で開催されるイベントに対する足として,また本来的には市民の足の延長という市民生活向上の上からも,これらの延伸計画についてそろそろ明らかにする時期だと考えますが,市長の再延伸に対する考え方をお伺いいたします。  最後に,水道事業会計について3点お伺いいたします。  ことしは家畜の熱死が問題にされるなど予想外の猛暑に加え,台風19号で水不足は解消されたとはいえ,長期にわたって降雨が見られず琵琶湖の水位は9月12日現在でマイナス63センチとなり,4年ぶりの取水制限が予定されるなど,一抹の不安を感じると同時に,水は天からという現代科学をもってしてもどうすることもできないむなしさを感じるものであります。  特にことしの夏は,水がまずく,ひどいカビ臭であちこちから不満の声が聞かれたのであります。そのため浄水器やいわゆるおいしい水が飛ぶように売れるなど,異常な現象が見られたのであります。当局も安全な水を供給するために努力されていることは理解するところであります。しかし,現在ではおいしい水どころか安全な水さえももう限界ではないかと,極めて憂慮しているのであります。  例えば住宅からはし尿や生活雑排水,農地及びゴルフ場からの農薬,化学肥料や畜産排水,下水処理場からは処理し切れていない下水及び工場排水,さらには酸性雨の問題等々,不安材料には事を欠かない状況であり,加えて原水の汚濁に対して投入する薬品の制限もないのが現状であります。  そこで,私は,水は限りある貴重な資源であることを改めて確認しなければならないと思うのであります。当局は,43項目の自主規制を含め98項目を検査基準に上げておられるのであります。しかし,それは98項目も検査しなければ不安だということの裏返しなのであります。  水道法の第1条では豊富で清浄な水を低廉で提供することがうたわれているのであります。しかし,今ここで最も肝要なことは,まず安全でなければならないということであります。古来水は「文化の果てるところ,人心の荒廃するところ,水は汚濁する。」と言われているのであります。そこで,市長にお伺いいたします。  第1点は,豊富な水の安定供給はもちろんのこと,安全な水の供給についてどう考えておられるのか。水道事業者の最大の使命は,安全で良質な水を供給することにあると思いますが,このような状況で今後どのように対処していこうとされるのか,見解をお伺いいたします。  また,新しい対策として,大阪府や大阪市では,より高度な上水処理を行うことになったと仄聞していますが,このような方法も含めて阪神水道企業団から受水する神戸市として,何か方策を考えておられるのか,あわせてお伺いいたします。  第2点は,受水槽の対応についてお伺いいたします。まずい水を生み出す原因としてもう1つ考えられるのは,受水槽なのであります。中高層住宅等における10トン以上の受水槽には清掃が義務づけられておりますが,本市では10トン以下の受水槽が80%を占めており,管理の不備が指摘されているところであります。特に異物の混入は水質を著しく損ない,時には命さえも脅かされるのであります。このようにまずい水を生み出す,放置された受水槽に対してどのような対応をされるのか,お伺いいたします。  第3点は,現行水道料金の据え置き問題についてであります。この件についてはことしの予算市会でも議論となったところであります。平成3年度まで据え置くことになっているが,4年度以降,水需要の不確定要素や受水費の増などが予想されるので,いましばらく時間をいただきたいとのことでありました。  今決算を見ますと,給水量は対前年度比 594万トン増加して,経営収支比率も 108.3と,工水を除く公営企業7会計中でも最高の収支比率で25億 3,000万円の純利益を計上しているのであります。さらに,ことしの夏は水道事業始まって以来の給水量を供給したと伺っています。これらの点を踏まえると,平成3年度以降も料金の据え置きが可能ではないかと思うのでありますが,見解をお伺いいたします。  あわせて,下水道料金の据え置きの見通しについてもお答えをお願いいたします。  また,水道事業の経営安定化積立金の活用については,どのような検討をなされてきたのか,お伺いいたします。  以上の諸点について明確な答弁を期待するものであります。(拍手)  (「議長」の声あり) 18 ◯議長(島田五三郎君) 笹山市長。 19 ◯市長(笹山幸俊君) 片岡議員のご質問にお答えを申し上げます。まず,私から数点お答え申し上げますが,他につきましては助役等からご答弁を申し上げたいと思います。  まず,公営企業の経営についてということで,現在全企業で持っております基金が 2,413億ございますが,これの活用についてということでございます。ご承知のとおりでございますけれども,この基金の内容はいわゆる返還すべき基金──中身のものとそれから将来建設をするためにその基金に入れている財源,それから一般市民の皆さん方の負担の軽減を図る内容のもの,こういうことで使途については条例で限定的に定められております。しかし,ご指摘がございましたようにこの内容について特に条例の中に現在検討される範囲内のものは何かということだと思いますので,新規事業あるいは他の事業にこれが活用できないかということを検討したいと思います。  特に返還すべき基金の中には相当の数がございますけれども,権利金,保証金あるいは企業債の元金償還,こういった金が入っております。それから,建設についてはやはり企業債についての定時償還への充当ということで,特に下水道あるいは港湾,水道,こういったところがございます。それから,臨床研究助成について病院の方にも実はございます。それ以外に市民の負担軽減を直接図っておるという内容のものが,開発局ではいわゆる六甲アイランドのリバーモールあるいはポートアイランドの市民広場の管理費,こういったものが入っております。  それから,水道局では,水の科学博物館の管理費等がございます。下水は借換債の中止のための財源,こういうことでそれぞれ性格が違っておりますので,この中で最後に申し上げました3つほどのいわゆる管理──といいますのは,サービス面でございますので,これの新規のものはないか,あるいはこれを充実するか,こういうことでございますので,検討させていただきたいと思います。  それから,企業全体の将来のテーマあるいは課題,こういうものについてのお尋ねでございますが,公営企業につきましてはやはり民間企業並みの能率性を上げるということが求められておるわけでございますけれども,これはあくまでも公共福祉ということが基本でございますので,その範疇の中で仕事をするということだと思います。そういうことで,決算上はいろいろと黒字決算になっておりますが,一部を除いて現在のところ財政の構造も堅実になっておる,こう思います。  しかし,ご指摘がございましたように最近の経済状況また海外のいろんな問題から,原油なりあるいは金利の問題,人件費の問題,こういったいろんな問題がございますので,懸念をされる材料というのがございます。このまま推移していただければ,そういった心配はございませんけれども,いつ,そういう事態になるかわかりませんので,十分注意をしていきたい,こう思っております。  この公営企業の中には,直接市民の皆さん方にサービスをする,こういう内容のものが多いわけでございますので,これらにつきましては長期的に,あるいは料金その他についても同一でございますけれども,財政上のバランスについては維持をしていくというのが市民の皆さん方のニーズにこたえることではないか,こう思っております。  ですから,サービスを低下するというようなことではなしに,より質の高いサービスを図っていくという方向でいきたいと思っております。また,もちろん企業でございますので,経営努力も必要でございまして,先ほどご指摘がございましたような基金の活用をしながら財源の工夫もやっていくということで,新規事業もどんどん考えてやっていきたい,こう思っております。  それから,港湾事業でございますが,ご指摘がございましたように最近のいわゆるアジア地域といいますか,それを含んで太平洋を中心に貨物の動きが非常に激しいわけでございます。そういうことで,特に神戸港は世界的な貿易港でございますので,ヨーロッパあるいはアメリカ,豪州,こういったところからの貿易の船が入ってくるわけでございますけれども,一番重視をしなければいけないのはアジア地域だと思っております。そういうことで,過去に高雄あるいは香港,シンガポール,こういったところが非常にそういう意味で貨物量がふえてまいっております。神戸にとっては非常な強敵ではないか,こう思いますが,これらのシステムといいますか,港湾管理者としての神戸の管理者とあるいは彼らの管理者の仕事の内容が少し違います。そういうことで非常に活発に貨物のトランシップが行われておる,こういうことでございます。  神戸港もそれの一部だと思いますけれども,これに対しましてはポートセールスを十分にやって,現在台湾にはポートエージェントがおりますし,香港にもおるわけでございますが,シンガポールには実は今選考中でございますので,決まりましたら早急にエージェントを置きたい,こう思っております。  特にこれらの各港間の競争も非常に激しいわけでございますので,神戸港はどんな大型の船が来ても入れる,こういう港にしたいと思っておりますので,六甲アイランドあるいはポートアイランド2期に大水深──14メートルから15メートルぐらいの水深のバースをつくっていく,こういうことで対応したいと思います。これは日本の各港では対応できないと思いますので,神戸港で受けよう,こういうつもりで現在工事を進めておるところでございます。  それから,ウォーターフロントの開発でございますけれども,お話のように港湾の現在持っております空間,これは非常に広いわけでございますので,これを高度利用していくということが非常に大事な時代になっておりますので,総合的にこの利用を考えていくというのは趨勢だと思います。そういうことで,長期計画を現在検討しておりますが,港の既設の埠頭あるいは立地企業,そういったものも含めまして再開発の中でこれを機能転換といいますか,土地利用の変換を図りたい,こう思っております。  ですから,いままでは物流あるいは生産ということが主でございますけれども,プラスいわゆる市民生活といいますか,生活機能を入れたい。といいますのは,都市機能をその中に入れたいということでございます。  62年に,そういう趨勢にありますので,建設省の方ではモデル条例というのを出しておるんですけれども,臨港地区内の構築物規制緩和をするという内容でございますが,実はこれについては臨港地区で都市計画で決めておりますので,これが運輸省,建設省両省所管になりますが,その利用について,また規制については運輸省所管ということになっております。手続上は建設省でございますので,そういう面で非常に話し合いがうまくいかないということが現状でございます。  しかし,そういうことでは仕事が前に進まないわけでございますので,現在は個々の具体的な計画が煮詰まった段階でなお緊急を要すると──現在のハーバーランドの工事もそんな中の1つでございますけれども,そういった段階では両省,協議会を持っていただいて協議していただくということにしております。非常に内容的に難しい問題が多いんですけれども,これは長年──大阪湾ベイエリアの構想も最近出ておりますので,全体的な問題としてこれを取り上げていくか,あるいは個々の計画でお互いに了承していくか,この辺が今のところはっきりしませんので,これについては十分今後も建設,運輸両省に話をしていきたい,こう思っております。  それから,交通事業の地下鉄の延伸の問題でございますが,最近隣接の市町の皆さん方とお話し合いをさせていただいたわけでございますけれども,特に西の方3市4町ほどございますけれども,神鉄の粟生線沿線の方々からは「一度3市4町でやっております計画について聞いてもらいたい。」と,こういう申し出もございますので,これについては一回お話をお聞きして,隣接市町との広域的な行政の一端として特に問題のありますそういった交通アクセスについての議論をさせていただきたい,こう思っておりますが,これはあくまで決定権を持っていない我々でございますので,県のご意向も十分聞いたり,地域の各市町のマスタープランその他もございますので,それに適応するかしないか,あるいはどこを通ったらいいか,それの需要予測あるいは将来の開発計画,こういったものも十分考えて相談をしていきたいと思っております。  特に県はいろんな都市計画の決定なりあるいは地域整備その他の決定権者でもございますので,当然でございますけれども,十分話を詰めていきたいと思っております。  それから,水道事業についての料金の問題でございますが,最近はいろんな給水量の増なりあるいは経費の節減,そういったことで好調でございますけれども,絶えず申し上げておりますように平成4年には琵琶湖開発の事業が一応終了するというような予定でございますので,それの割賦負担金の支払いが待っております。また,それについての金額なり条件,こういったものがまだはっきりしておりません。また,それに関係します阪水の分賦金もまだはっきりしません。そういうことがございますので,少し見通しがはっきりしないわけでございますが,これについてはいろんな条件が変わらない限りできるだけ伸ばしていく,こういう方向でいきたいと思っております。  また,下水道も同じような状況でございますので,これについても十分情勢変化による対応策をよく考えておいて,これに対応できるようにしたい,こう思っております。  ですから,今のところ両事業とも大体3年までは今の状況でいけるんではないかと思いますが,現在そういったいろんな情勢変化がございますので,少し安易に考え過ぎかなという気もしますけれども,できるだけ先ほど申し上げておりますような対応策を考えていく,また水道等については料金改定時に激変緩和ということもございますので,それを基金等を使って,これをうまく処理していきたい,こう思っております。今まで最近の中東状況等についての問題はこの中に含まれておりませんでしたので,これについてどう関係してくるか,十分勉強したい,こう思っております。  他につきましては助役等からご答弁を申し上げます。  (「議長」の声あり) 20 ◯議長(島田五三郎君) 田渕助役。 21 ◯助役(田渕栄次君) 私から4点についてお答えを申し上げます。  まず,下水の高度処理と施設の統合の問題でございますけれども,大阪湾におきましては下水道整備を初め水質保全対策といったものが実施をされておるわけでございます。しかしながら,水質につきましては現在依然として横ばいの状況でございまして,改善の方向にはないわけでございます。  国におきましては,都市計画中央審議会の答申にもございますが,高度処理を行うことによってすべての水域について清らかな水環境をつくっていくということで,建設省の方においても積極的な取り組みがなされておるわけでございます。  大阪湾における下水道の普及の状況でございますけれども,人口普及率で現在60%といったような低い状況にあるわけでございます。そういう意味におきましては,普及の低い都市におきまして下水道の整備が先決であるわけでございます。  しかしながら,本市といたしましては,将来における水質規制の強化に対応するために,現在高度処理用地の確保あるいは高度処理についての開発技術の研究,こういったことに努めておるわけでございます。高度処理の程度なりあるいは時期といったものにつきましては,今後の状況を見きわめながら対応してまいりたいというふうに考えております。  また,中部・西部処理場につきましては,現在まだ耐用年数があるわけでございますけれども,当然その更新の時期もあるわけでございます。そういった時期におきまして高度処理も含めてその統合について検討していきたいというふうに考えております。  次に,バス事業の乗客増対策についてでございますけれども,乗客増対策としては交通事業の健全な推進といいますか,そういった意味からも積極的に取り組んでいかなければならない重要な課題でもあるわけでございます。  まず,その1つとしては路線の再編成の中で,乗客需要の多い路線については路線の新設あるいは増強に努めていくということ,それから2番目にはまず走行環境の整備でございまして,まず時間どおりにバスが来るといった定時性の確保,こういった観点からまず道路整備──これは関係局との協力も要るわけでございますけれども,道路の整備そしてまたバスレーンの確保といった問題について整備をしていきたい。  次に,何と申しましても乗客サービスの向上にあるわけでございまして,まず1つには停留所の施設の整備ということで停留所にベンチだとかテントとか案内板の増設,そしてまたバス車両の改良といたしましては,お客さんがバスに乗りやすいような,いわゆる低床化の促進,そしてまた停留所の所名の表示板いわゆる電光掲示板でございますけれども,そういったものの整備あるいは音声合成装置による車内での安全,こういったようなバスのグレードアップに努力をしたいと思います。  さらに,市バスの総合案内システムの導入につきましても現在調査研究をいたしております。次に,接客マナーの向上の問題でございます。さらに,PRにつきましてもなお強化をしていく必要がございまして,走行環境の改善ということでバスレーンを確保するなり,あるいは不法駐車の排除といったことについても関係の皆さんに協力を要請していきたいと思います。  そしてまた,市民の皆さんにバス路線がわかりやすいような形でのガイドラインの──バスのガイドブックの配布であるとか,あるいは路線についてのチラシの問題であるとか,こういった問題,あるいは各種のイベントを実施することによって内容的には既に実施をいたしておりますけれども,車内でのギャラリーといいますか,写真展であるとか,あるいは絵画展,あるいはスタンプテーリングとか,あるいは正月等にもいろいろと記念シールとか実施いたしておりますけれども,こういったいろんな意味での知恵を出しながら,さまざまな努力を積み重ねることによって,愛される市バスとしての乗客増を図ってまいりたいというふうに考えております。  それから,布引の車庫の問題でございますけれども,布引営業所の用地につきましては 7,000平米余りあるわけでございますが,新神戸駅前のまちづくりについては非常に重要な役割を持っておるわけでございます。  かつて,学識経験者等による計画懇談会といいますか,そういったところからもこの用地につきましては業務・商業ゾーンとしての利用が望ましいといった指針も出されておるわけでございます。我々といたしましては,こういった指針を踏まえながら,交通事業にとってみれば何と申しましても非常に広い,かつまた場所的にも貴重な資産でもあるわけでございます。したがいまして,将来的には,先ほど申し上げた指針を踏まえながら,交通事業会計にとっても寄与するようなそういった方向での検討を慎重に進めてまいりたいというふうに考えております。  それから,国鉄清算事業団に対する用地買収でございますけれども,清算事業団に対しましては神戸港駅の跡地全体では 4.6ヘクタールあるわけでございます。平成2年度内に購入したいということで清算事業団に申し入れをいたしておりまして,現在交渉を進めておるわけでございます。何としても今年度中にこの契約まで持ってまいりたいということで努力をしているところでございます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 22 ◯議長(島田五三郎君) 緒方助役。 23 ◯助役(緒方 学君) 私から開発事業と水道事業につきまして3点,ご回答申し上げます。  まず,六甲アイランドの第4次コンペ,それから公営住宅の建設についてどう進めるかというお尋ねがございましたけれども,六甲アイランドにつきましては高度情報化,国際化に対応しながら,第1次は住宅,商業・業務系統といいますか,第2次はレジャー系,第3次はファッション,アメニティー系といいますか,そういう形でコンペを実施し,あるいは実施を検討いたしてきております。  第4次コンペにつきましてもこのような事業との整合性を図りながら,六甲アイランド全体としての統一性のとれたまちづくりを目指したいと考えておりまして,具体的には社会・経済の動向を見きわめながら現在検討中ということでございます。  それから,公営住宅を含む公的住宅の建設のことでございますけれども,導入するということで今内容を細かくお示しできる段階じゃございませんですけれども,具体的に検討いたしております。  それから,西神第2住宅団地のまちづくり構想,あるいは建設に向けての具体的なスケジュールということでございますが,西神第2住宅団地には西神住宅団地に引き続きましてハイテクパークと隣接した職住近接のまちとして整備していきたいというふうに考えております。  さらに,当初計画を若干変更してきておるわけでございますけれども,雇用機会の拡大とまちの機能充実ということを目指しまして,特定業務施設を誘致する──特定業務施設といいますのは,公害素の少ない工場ということはもちろんでございますし,そのほかに研究所とか事務所とかそういうものが建設できる,そういう業務地でございますが,そういうような施設を誘致するほか,利便性の向上とまちのにぎわいといいますか,そういう観点から幹線道路沿いにまち角施設を計画していきたい。まち角施設といいますのは,まち角のたばこ屋さんとか花屋さんとか喫茶店とか,そういうような小さな利便施設になるかと思いますし,そういう施設も計画していきたいと考えております。  また,歴史的な建造物であります如意寺がございますので,そういう箇所と一体となった自然林を地区公園として整備するほか,自然の地形を生かした森林公園を整備し,緑豊かなまちづくりを目指していきたい,そういうふうに考えております。  また,スケジュールでございますけれども,今年度民間住宅コンペを実施するなど土地処分を開始いたします。そして,平成5年4月から入居が始まる予定でございます。  それから,水道事業でございますけれども,いわゆる安全で良質な水の供給,それから高度処理の問題でございますけれども,ご指摘のように安全で良質な水の供給をする環境といいますか,そういうものが非常に厳しくなってきております。琵琶湖ではここ10年ほど毎年のようにカビ臭の被害が発生しております。  また,最近では水質基準内ではございますけれども,トリハロメタン等の微量有機塩素化合物といいますか,そういう問題も出てまいっております。水質基準をクリアしておるという点で浄水処理でも安全性には問題はないわけでございますけれども,将来にわたりまして安心して飲める良質な水を供給するために,これまでオゾンと活性炭を組み合わせました高度処理について実験調査を行ってきております。相当の効果が出ておる,そういう結果は得ております。  高度処理の実用化に当たりましては,技術的な課題のほかに建設費等が相当高くつくというようなことであります。それから,阪水及び関係3市との協議など解決すべき課題が多くございます。しかしながら,同じ淀川水系の大阪府あるいは大阪市が平成2年に入りまして,相次いで高度処理を全面的に導入すると発表いたしております。今後ともこうした他都市の状況を踏まえ,また将来の水質悪化にも備えまして,高度処理の導入について研究していく必要があると考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 24 ◯議長(島田五三郎君) 小川助役。 25 ◯助役(小川卓海君) 病院事業に関連いたしまして,3つのご質問がございましたけれども,私から2問についてお答え申し上げます。  まず,市民病院と民間医療機関,特に開業医の先生方との連係の問題でございますけれども,市民病院といたしましては,病院と診療所の連係,病院と他の病院との連係,これは積年の課題でございます。昨年の11月に神戸市保健医療計画というものを策定いたしましたけれども,その中でも地域の一番小単位の診療所,開業医の先生方,これを1次医療圏と設定し,さらにある程度の規模の病院を2次医療圏,例えば西市民病院あたりがそれに当たるわけでございますけれども,さらに高度な3次医療圏として中央市民病院のような基幹病院,こういう段階的な医療圏を設定して病院と診療所との連係,役割を明確にしたらどうかという提言もございますけれども,非常に難しい問題を抱えております。  市民病院といたしましては,地域に真に溶け込んだ病院としていかに運営していくかということを日ごろから考えておりまして,先ほどご指摘ございましたように5年前の60年6月に中央市民病院に医師会連絡室というものを初めて設けました。大体年間 3,000人程度の紹介患者を市民病院でケアさせていただいておりますけれども,これも単なる一助でございます。先生ご指摘の基本的な問題を解決するには至っていないと思います。  特に現在の医療システムでは,患者さんは診療機関を選ぶ自由,選ぶ権利を持っておるわけでございまして,門前でこれを処理するということは現在のシステムでは不可能でございますので,いかにして病院と診療所との連係を密にしていくかということは,今後医師会を中心にして中央市民病院の連絡室も5年の経験を積みましたので,これをベースにして再度検討していきたいと思っておりますけれども,医師会の診療所,開業医の先生方もできるだけ市民病院の人材あるいは機器等を十分に活用していただく,例えば特定の難しい患者の症例を持ってきていただきまして,専門医とのコンファレンスを持っていただくというようなことも現在も進めておりますけれども,さらに積極的に1つの突破口として進めていったらどうかというふうに考えております。  西区に今新たな病院建設の計画を進めておりますけれども,昨年の12月に西区の病院の基本構想の報告書をちょうだいいたしました。特に運営につきましても財団法人方式をもって,従来の市民病院ではできなかったような柔軟な運営ができないかということを考えております。民間医療機関の連係というのもこの大きな西区の新たな病院の1つのテーマになっております。この答申の中にも院内に地域医療室──中央市民病院の医師会連絡室に似たようなものであると同時に,もっと発展させた地域医療室を設けたらどうかということ,さらに地域の医療機関,関係者との間に連絡調整委員会というものを編成して運営したらどうかという新たな提言もございますので,西区とその周辺の医療機関との連係は,西区の新たな病院を中心にして新しい展開を期待できるんではないか,かように考えております。  さらに,ご指摘のございました「この際西区の新たな病院にオープンシステムを取り入れてみたらどうか。」というご提言でございますけれども,先ほど申し上げました基本構想の報告書の中にもそういうことを検討していただいておりますけれども,オープンシステムの制度というのはなかなか──アメリカではかなり発展しておりますけれども,我が国ではいまだに余り定着がよろしくございません。例えば大体主治医が開業医の先生になるのか,その病院のお医者さんがなるのかというふうな問題は,医者としての責任体制が開業医なのか病院の勤務医なのかという問題,さらに診療報酬で入院費をどういうふうに分割するのか,取り分はどうなるのかというふうな,まだまだはっきり整理されてない問題がございまして,非常に難しい制度でございます。  しかし,先ほど申し上げておりますように財団方式で運営する以上は,従来の既存の病院にはなかったような新たな制度として取り組むことができないかどうか,病院の開院までに地域の医師会の先生方とも十分協議しながら検討を進めてまいりたいと思っております。  第2点目の,先ほど申し上げております西区の新たな中核的病院の運営方式,それから経営上の問題でございますけれども,先ほど申し上げておりますように,昨年の暮れに出ました整備懇談会の基本構想では中央市民病院に準じたような高度医療あるいは救急医療も実施できるような,おおむね 500床の病院を建設したらどうか,こういうご提言を受けまして,現在基本構想を練って,基本設計等を練っておる段階でございます。  運営につきましては,これも先ほどのご答弁と重複いたしますけれども,新たに財団法人方式で経営したいと考えておりますが,設備,建物,医療機器等については当初の段階で市の方で建設していただきまして,あとの運営については財団法人に無償で提供する。社会保険中央病院等がそれの事例でございますけれども,神戸市では初めての例になりますけれども,そういうスタイルで運営をして,将来健全な運営が期待できるんではないか,こういうふうに考えております。  収支計算につきましては,まだ細かい点は現在試算中でございますけれども,市の方で建設していただきまして,あと運営を任していただくということになりますと,経営は比較的従来の病院に比べましてスムーズに行くんではないかと思っておりますが,玉津病院の引き継ぎで結核病棟の病床も 500床のうち 100床持つことにいたしておりますので,それに対する一般会計からの公的負担をどういうふうに入れていただけるかというふうな問題も未整理でございますけれども,先ほど申し上げましたような運営形態でまいりますと,4年,5年はランニングコストに赤字が出るかもわかりませんけれども,5~6年先には必ず収支バランスのとれた健全な病院として運営が可能ではないか,かように考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 26 ◯議長(島田五三郎君) 宮本衛生局長。 27 ◯衛生局長(宮本包厚君) 投薬された薬の名前とか作用等を患者に知らせるシステムに関するご質問にお答えいたします。
     薬品の効用等につきましては,最近患者さんの関心が非常に高くなってきております。ご指摘の薬品の名前や効能,薬理作用を患者に知らせるシステムにつきましては,現在担当医師ができる限り説明しておりますが,不十分な面もございますので,中央市民病院では2階の投薬カウンターにおいても患者の求めに応じて薬剤師が処方薬の説明をしております。今後さらに,よりきめの細かい患者サービスができるように,薬事相談コーナーの設置について具体的な検討を進めております。  ただ,薬の説明が病名の告知につながらないか──例えばがんの薬の場合,どこまで患者の求めに応じればよいのかという問題につきましては,病院全体のコンセンサスも含めた慎重な調整及び対応が必要であると考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 28 ◯議長(島田五三郎君) 井田水道局長。 29 ◯水道局長(井田憲治君) 私の方から10トン未満の受水槽のご質問についてお答えいたしたいと思います。  ご指摘のとおり10トン未満の受水槽につきましては,清掃が義務づけられておりませんので,この管理につきまして,すなわち清掃等の維持管理につきましては十分になされていないものがあると考えられます。これの解消についていろいろ対策を練っておりますが,やはり管理者あるいはそれを利用されている方の関心を呼び起こさざるを得ないというようなことで,清掃PRの実施を──これは衛生局と連係いたしまして啓発PRを行っておりますが,そのPRの方法といたしましては10トン未満の受水槽の管理者に対しましては清掃に関します啓発パンフレットを送付いたしております。  また,この受水槽を利用されておるおらないにかかわらず,一般市民に対しまして「広報紙こうべ」あるいは「婦人こうべ」,私どもの局報の「水とくらし」などによりまして広報いたしておりますし,地下鉄・市バスの車内づり広告によりましてもPRを行っております。  さらに,これから受水槽を設けられる方につきましては,給水申請時には私どもの営業所におきまして受水槽が安全衛生上問題なく設計されているかどうか,これのチェックを行いまして,この構造に関する指導等も行っておるわけでございます。  しかし,根本的に解決を図りますには,受水槽をなくすということになりますと,直圧給水を普及させるということになろうかと思います。私どもでは現在4階建ての建築物まで直圧で送れることにしております。一部水圧の足らないところがございますところは若干除外はいたしておりますが,おおむね4階建ての建物にまで直圧給水で送れるということをやっておりますので,できるだけ直圧給水の普及に努力したい,かように考えております。  以上でございます。  (「議長1番」の声あり) 30 ◯議長(島田五三郎君) 1番片岡雄作君。 31 ◯1番(片岡雄作君) いろいろ答弁ありがとうございました。何点かについてお聞きしたいと思います。  下水道の高度処理の件ですけれども,先ほど助役が答弁されたように,建設省からいろんな将来についての案も出ておりますし,また都市計画の中央審議会でも,この閉鎖性水域や重要な水源についてはすぐれた自然環境を保護しなくてはならない,さらに高度処理をしていく必要があるということも新たな見解がこの春から夏にかけて出ておりますので,この下水道の処理については特にお願いをしておきたいと思います。  それから,先日8月に──我が市も参加しておりますけれども,神戸市で行われたエメックスの会議,これを神戸で開催したということも非常に意義があるんではないかなというふうに思います。その前日にも知事市長会議もあったように伺っておりますので,そういう開催地として今後も取り組んでいくべきである,特に下水道については前市長が非常に鋭意──起債等を通じて他市に先駆けていろんな事業を行ってきたという経過もありますので,この高度処理についても神戸市がいろんな瀬戸内海の周辺の市町に先駆けて,いわゆるリーディングシティーみたいな感じでこの事業を取り組んでいくべきだと思いますので,これについて再度お聞きしたいと思います。  六甲アイランドについては,特に公的,公営住宅については明らかに今のところできないということですけれども,鋭意取り組みたいということなので,これはよろしくお願いをしたいと思います。  病院の薬の件ですけれども,局長からいろいろありましたけれども,薬事相談コーナーについては早急に設置をお願いしたいと思います。現段階でもいろいろ説明しているんだということですけれども,先ほども言いましたように実際患者の側というか,家族も含めてですけれども,なかなか先生には聞きにくい。先生は非常に権威があるものですから,我々患者としては命を預けている側からいうと非常に聞きにくい状況があるのは確かだと思います。その辺でこれは患者側からの声がどんどん出る前に,やはり中央市民病院なり各市民病院については市民のニーズに先駆けてやるべきであるというふうに思います。  最近の状況を見ますと,日本の薬剤師会でも薬の飲み合わせについていろいろ調査しているようでありますし,また数県においては既にそういう相談コーナー,コンピューターデータベース化して,その医師なり薬剤師,また患者からの問い合わせにも答えていくというようなサービス業務を行っている。これは全国的にも数年のうちに──1年のうちに全都道府県に設置したいというような薬剤師会の要望もあるみたいでございますので,特に市民病院においては先駆けてやっていただきたい,このように思います。  オープンシステムの件ですけれども,なかなか難しい面もあると思いますけれども,やはり中核的病院には高度な医療機器も置いているわけですし,そういうものを開業医の皆さんが一緒になって使えるということは,医療費の総抑制についても大きなメリットがあるんではないか。さらに,地域病院形式で行いますと,患者にとっても医療の一貫性が保たれるというようなこともございます。  さらに,最近のいろんな話を聞きますと,ついこの9月から静岡の市民病院では地域病院形式を行っている,導入するようになった。さらに,この7月には東京都において東部地域病院というのができて,完璧なオープンシステムの病院ができたというふうに聞いております。これは地域病院形式というのは,これからの病院運営の1つの流れになっていくんではないかというふうに思いますので,このオープンシステムを含めて,もう一度答弁をお願いしたいと思います。  交通の地下鉄の再延伸の問題ですが,市長もこの前の市町村サミットの折に数点お話しされたというふうに伺っておりますけれども,その第1点に,アクセスの問題を上げて,笹山市長として近隣の市町に見解を明らかにしたというふうに伺っています。  そういう面で言うとアクセス──道路の問題もあると思いますけれども,地下鉄の問題というのは非常に大きいんではないか,西神中央から西の部分について言うと,地下に潜るというよりか,これは素人考えですけれども,路面を走れば建設も相当安くつくし,神戸市の奥地にいろんなまちが広がっているということもあります。神戸市がこの近隣都市の中で母都市機能を目指すということを今まで何回も明らかにされているというような点から考えてもアクセスの問題──地下鉄を再延伸するということが一番母都市機能を強めていくのに大きな力になっていくんではないかと思いますので,地下鉄の再延伸についてお願いしたいと思います。  水道の高度処理ですけれども,研究していくということで非常に結構だと思います。私が望んでいるのは研究ということよりか,実際ことしの夏は市民の皆さん,本当にカビ臭で臭いなというふうに思ったと思います。私が心配したのは,それ以上にやはり安全な水を飲みたい,自分の命を守るために安全な水を飲みたいという要望がある。それがことしの夏の浄水器とか浄改水器,さらに六甲の水みたいなもの,神戸ウォーターみたいなものが飛ぶように売れるということがあったんではないか。  最近の情勢を聞きますと,いわゆる日本で汚い水のワーストワンであった江戸川水系の金町浄水場において日量65万トンの高度処理の工事が始まっている。さらに,汚い水のワーストツーである淀川において,大阪市とか大阪府が高度処理に取り組んだ。さらに伺いますと,阪神水道企業団においても高度処理のプラント実験はもう既に済んでいる,こういうような状況にあると思います。したがって,研究段階はもう過ぎているんではないか,お金のかかることですけれども,早急に安全な水を飲みたいという要望を満たしてもらいたい,そういう面において高度処理を行っていくということをいち早く表明していただきたい,こういうふうに思います。  以上の点について再度お答え願いたいと思います。 32 ◯議長(島田五三郎君) 当局に申し上げますが,大分時間の割り当てが過ぎておりますので,簡明なご答弁をお願いいたします。  (「議長」の声あり) 33 ◯議長(島田五三郎君) 田渕助役。 34 ◯助役(田渕栄次君) 下水道における高度処理の問題についてお答えを申し上げます。  ご指摘がございましたとおり,神戸市におきましては昭和40年代,いわゆる環境都市づくりということでさまざまな──水質あるいは大気汚染につきまして施策を実施してまいったわけでございます。そういう意味におきましても,また下水道の整備におきましても現在 100%に近い達成率を見ておるわけでございます。今後,お話のありましたように,いわゆる高度処理の問題というのが非常に重要な問題になってまいるわけでございますけれども,何と申しましてもやはりこういった経費の負担につきましては料金にはね返ってくるといったような問題もあるわけでございます。したがいまして,できるだけ軽いといいますか,低廉な経費でこういった高度処理ができるような技術革新といったものは,技術の開発といいますか,そういったものはやはり極めて重要でございます。そういう意味におきましてできる限りそういった技術開発を行うことによって負担の軽減を図りながら,いわゆる環境都市としての,またそういう意味での先進都市としての役割は今後とも果たしてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 35 ◯議長(島田五三郎君) 緒方助役。 36 ◯助役(緒方 学君) おいしい水の──安全で良質な水の供給にかかる高度処理の問題でございますけれども,大変やはり費用のかかる問題でもございますし,そこら辺との兼ね合いがあろうと思いまして,基本的には研究をしてもらいたいと思うわけでございますが,ちなみに阪水の実証プラント日量 2,000トンでございますけれども,平成3年度までそういう形で行っていくということになっております。そういうところとの兼ね合いも十分検討してまいりたいというように考えております。  (「議長」の声あり) 37 ◯議長(島田五三郎君) 小川助役。 38 ◯助役(小川卓海君) 西区の新たな病院のオープンシステムの問題でございますけれども,仰せのように最近は開放型医療機関ということで,保険点数でも指導料というのが最近新設されるなどいたしまして,徐々に普及の傾向にはございますけれども,まだまだ日本の医療システムの中ではなじみにくいという点は,先ほど申し上げたとおりでございます。  市としましては,医師会との話し合いの結果,そういうお考えが医師会にあれば,応ずる気持ちもございますので, 500床のうち何割かをオープン制度にするということも考えられますけれども,西区の病院の問題,いろいろ地元の先生方とお話ししている段階では,お互いにまだ開放型病院──オープンシステムの病院についてはお互いに不明な点が多々ございまして,必ずしも西区並びにその周辺の先生方に積極的な意向も今のところございません。病院が今から準備いたしまして,開設までにはよくその辺もお互いに相談し合いながら,よりよい結論に持っていきたいと思っております。  以上でございます。  (「議長1番」の声あり) 39 ◯議長(島田五三郎君) 1番片岡雄作君。 40 ◯1番(片岡雄作君) まだお尋ねしたい点はあるわけですけれども,時間の関係もありますので,後ほど予定されております決算特別委員会の審査にゆだねることにして,私の質問を終わります。  ────────────────── 41 ◯議長(島田五三郎君) この際,暫時休憩をいたします。  時間の活用で,まことにすみませんが,12時50分から再開いたします。   (午前11時45分休憩)   (午後0時53分再開)  ──────────────────  (吉田副議長議長席に着く) 42 ◯副議長(吉田多喜男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  直ちに議事に入ります。  午前に引き続き,公営企業会計決算並びに関連議案に対する質疑を続行いたします。  11番粟原富夫君。  (11番粟原富夫君登壇)(拍手) 43 ◯11番(粟原富夫君) 私は,社会党議員団を代表して,1989年度神戸市公営企業決算並びに関連議案について,市長並びに当局に対して質問をいたします。  1989年度公営企業決算は,消費税が実施されて初めての決算でございます。各会計を見ても消費税の影響は決して小さくなく,特に病院事業では医療原価にかかる消費税の影響で,会計は深刻な状況と言わねばなりません。大衆課税である消費税,弱者泣かせの消費税。消費税廃止を願う国民世論は,秋の臨時国会を前に大きく盛り上がり始めております。戦後日本の歴史において,中央政府が決めた法律,とりわけ税法が自治体で完全実施されない,こういう例があったでしょうか。まさに稀有のことと言わなくてはなりません。国の基本とも言うべき税制が,いわんや自民党政府の租税政策の中核をなす消費税が,公的機関である自治体においてすら完全実施されていないという現実こそ,この税の本質的な欠陥を示すものにほかなりません。  私たち日本社会党は,秋の臨時国会に向け,消費税廃止に全力を挙げる決意でございます。笹山市長におかれましても,消費税廃止の声を,全国市長会や政令市長の集まりなど他都市や地方団体と共同して大きく声を上げていただきたいと思うのであります。この点,冒頭強く要望しておきたいと思います。  それでは,早速質問に入ります。  まず初めに,中東紛争による原油価格の高騰が神戸市の公営企業経営に与える影響についてであります。  89年度決算は,おおむね順調に推移しておりますが,これは電力費の値下げなど燃料費等々が安定したことが大きな要因と思われます。しかし,現在中東情勢はますます深刻化する状況にあり,既に石油元売各社は原油価格の高騰を理由に石油製品の値上げも発表し,中東紛争の動向次第では,燃料費や電力費の大幅アップも予想される事態でございます。このような状況の中で,中東紛争の長期化による公営企業への影響と対策をどのように考えておられるのか,まず質問いたします。  さらに,低金利時代から高金利時代へと移り変わりつつある中で,金利の上昇が公営企業にどのような影響を与えるのか,これもあわせお尋ねをしたいと思います。  次に,笹山市長のもとにおける公営企業の経営方針について2点質問したいと思います。  市長は就任に当たり,市政運営の基調を開発から生活重視に置くとの立場を明らかにされました。そして,今年度予算ではのびのびパスポートをはじめ学童保育,難病対策,在宅福祉センターの各区での建設など,福祉,教育の予算を大幅に拡大し,市長は市民生活重視の姿勢を貫かれました。このような姿勢を私たち社会党も大きく評価をしているところです。既に公営企業の経営に当たって,市長の開発から生活重視の姿勢は,例えば開発利益をインナー基金や長寿基金にそれぞれ造成するなど,その第一歩は始まっていると思います。しかし,もう一歩進めて,例えば開発地に移った工場,学校,病院等の跡地を市が積極的に購入するのはもちろんですが,局を超えた広い視点に立って,市民の立場に立った活用等も含めた還元策を考えるべきだと思いますが,どうでしょうか。質問いたします。  また,市長は今までは公共料金設定の基準を受益者負担あるいは応能負担の原則に求めてきたが,最近の社会情勢の中では公共性や公平性などの観点で見直す必要があるとの立場で,公共料金設定の基準を見直すことを明らかにされました。既に使用料・手数料のあり方を中心に行財政調査委員会が設置され,議会の代表も入り検討が行われていると聞いておりますが,都市生活の基盤である水道,下水道,バス,地下鉄などの料金設定に大きな影響を与える一般会計からの繰り出し基準についても見直しを行うべきと思いますが,どうでしょうか。お尋ねいたします。  次に,各事業会計について質問してまいります。  まず,下水道事業会計についてであります。  下水道の高度処理そして瀬戸内海の浄化については,質問する予定でございましたが,午前中の質問者と重複をいたしておりますので,瀬戸内浄化のために市の一層のご努力,高度処理のご努力を要望したいと思います。  ただ,1点,瀬戸内海の浄化は神戸市だけで実現できないことは自明でございます。姫路,明石,西宮など下水道の達成率の低い自治体が多い兵庫県で,母都市神戸を掲げる笹山市長は,神戸のノーハウの提供など瀬戸内海浄化に積極的な役割を果たすべきと思いますが,どうでしょうか。質問いたします。  次に,港湾事業について3点質問をいたします。  まず第1点は,ポーアイ2期に予定されている大水深バースの需要の見通しについてであります。近年,アジアNIES諸国や国内諸港との港間競争はますます激しくなり,ノーパナマックスによる船舶の大型化や輸送方法の大転換が叫ばれていることは十分承知をしております。しかし,一方世界的な船社のグループ系列化が進み,船社の数が減少してきていることも事実でございます。また,軽薄短小の時代と言われ,荷物の重量化から軽量化の時代でもあり,船舶の大型化よりもスピード化の時代とも言われ始めております。当局は従来からポーアイ2期に予定されている大水深コンテナバース5基の需要に強気の見通しを持っておられましたが,水深15メートル化に伴い大幅なコスト増が予想される事態でございます。コスト増になれば,船社が大幅な負担をしなければならなくなり,需要見通しは非常に難しいのではないかと思われます。当局はその認識と対策をどのように考えておられるのか,質問いたします。  第2点目は,製品輸入急増に伴う港湾施設の利用形態の変化と市の対応についてでございます。神戸での輸入高に占める製品輸入の率は,87年が55%,88年が57.2%,89年が60.8%と製品輸入が急増しております。したがって,従来一時保管が主な機能であった港頭地区の倉庫にいわゆる消流が加わり,ある神戸港の倉庫では,倉庫とは名ばかりで,多数のパート女性の手で製品の包装や一部加工が堂々と行われている実態でございます。これは本来の港湾施設の用途からの大きな逸脱であり,港湾労働法上も大きな問題があると言わねばなりません。当局はこの現状をどう把握し,どう考えているのか,質問いたします。  また,国においても,製品輸入の急増の中で消流と物流を合わせた総合流通センター構想が研究されていると聞いております。ドア・ツー・ドアを使命とするコンテナ輸送の急増の中で,内陸直行型の貨物が増加し,港が単なる貨物の通過地点になるおそれがあります。現実にコンテナ化の中で港湾労働者の激減がこのことを端的に証明しております。神戸港におきましても,業界それぞれの思惑もあると思います。港湾を単なる通過地点にしないためにも,また雇用確保の面からも総合流通センターについての一定の方向を出すべき時期に来ていると思いますけれども,どうでしょうか。質問いたします。  第3点目は,ウォーターフロント開発についてでございます。今年度の予算市会のときに,我が会派の黒崎議員が,神戸港のウォーターフロントの目玉として文化施設を,例えばオペラハウスをと質問いたしました。それに対して港湾局長は「1突から4突の間に公共施設を検討している。」との答弁でございました。神戸の場合は,文化ホールが既に設備面では相当古くなっております。大阪,京都の施設と比べると,どうしても見劣りするのが実態でございます。したがって,市民が気軽に利用できるような規模の音楽ホールは,この神戸では残念ながら見当たらないところでございます。都心に近く,交通の便が絶好のこの一等地に,他都市に誇れる大音楽ホールを中心に市民が自分たちで企画できるような小音楽ホールなど,一大音楽ゾーンとして検討すべきだと思いますが,どうでしょうか。これは市長に伺いたいと思います。  次は,開発事業について2点質問いたします。前の質問者と若干重複をいたしますが,観点を違えて質問させていただきたいと思います。  その第1点は,六甲アイランドの第4次コンペについてでございます。六甲アイランドは85年6月に第1次コンペが行われ,既に住宅を中心にまちの整備が進み,大阪のベッドタウンとの趣でございます。そして,いよいよ都市機能用地の南半分を対象とした第4次コンペが公募されると聞いております。しかし,85年当時に比べ,市内の地価の高騰は著しく,例えば六甲アイランドのマンションを例にとりましても,当初 3,000万円で売り出されたマンションが既に 8,000万近くで売買されるなど,大変な状況になっております。こういう中でこの第4次コンペが,例えば土地の分譲の価格やあり方をどうするのか,内外の注目が寄せられていると言っても過言ではございません。そして,先ごろ実施された東京都の臨海副都心,そして大阪の臨空タウンのコンペでは,実勢地価がかなり反映したものになった,こう聞いておりますが,神戸市の場合,この六甲アイランドの第4次コンペのあり方,価格など,どのように考えておられるのか,質問いたします。  また,特に整合性を持つということで午前中の答弁がございましたけれども,整合性という意味でも果たしてどうなのか,これもあわせお尋ねをしたいと思います。  第2点目は,ポートアイランドの環境問題についてでございます。ポートアイランドができ上がりまして既に10年が経過をしました。まちも緑に包まれ,地域の中からもふるさとづくりが叫ばれ,交流と親睦の中で一生ポートアイランドで居住をしよう,こういう住民もだんだんと多くなってきております。しかし,一方,神戸空港計画,レジャーワールド構想,そして湾岸道路計画など大型プロジェクトがメジロ押しであり,このことによる環境悪化に対する心配,不安が次第に広がり始めております。特に車公害の問題は深刻であり,神戸市の調査によりましても,現状値でも既に騒音レベルが基準値を超えておるというところもあり,ポーアイ大通りの近接住宅では,窓をふくとぞうきんが真っ黒になるという声も聞かれております。  幸いポーアイには,自治会以外にポーアイの全住戸が加入をするポーアイの生活と環境を守る会──住民組織があり,ポーアイの生活環境を守るためにさまざまな分野での活動を行っています。神戸市に対しても,ポーアイの全体構想に対する説明を求めるとともに,ポーアイの将来のあり方についての神戸市各局そして住民代表との話し合いも既に始まっていると聞いております。  それでは,質問をいたします。ポーアイの今後についての市長の認識と,住民の環境を守るという立場での市長の決意を伺いたいと思います。  次に,病院事業会計について質問をいたします。  病院事業は,87年度に5億 6,700万円の初めての単年度黒字を計上し,88年度には1億 2,500万円の黒字と順調に推移をしておりましたが,89年度の会計では再び赤字に転落をしております。しかも,88年の11月策定された市民病院経営計画の目標 5,600万円の赤字を大きく上回る1億 9,200万円の赤字でございます。これは,消費税と国の総医療費抑制策に原因があることは明らかです。私ども社会党が従来から主張してきたとおり,自治体病院が厳しい経営を強いられる背景には国の医療政策に問題があり,ここにメスを入れていかなければ,現場の職員や患者にしわ寄せがいくばかりでございます。  したがって,他の自治体とも協力し,国への働きかけを強めねばなりません。国の総医療費抑制策はますます強化される傾向にあり,高度医療を中心に据えた病院事業の好転はますます難しいと言わなければなりません。この際,国への働きかけを強めるとともに,一般会計からの繰り入れ基準のあり方も含めて市民病院経営計画の見直しをすべきだと思いますが,どうでしょうか。質問いたします。  また,特に中央市民病院は外来・入院とも減少傾向になっておりますが,最大の原因は患者を受け入れる看護婦を中心にした医療スタッフの超過密労働の限界性と人手不足にあるのではないかと思いますが,現状を把握されておるのかどうか,そのこともあわせ質問をいたします。  最後に,自動車事業会計について質問をしたいと思います。  一昨年の料金改定時に,我が会派は公営企業の持つ公共性について強く主張し,赤字路線であっても市民負担を軽減する立場から,いわゆる行政路線の運行確保のための助成のあり方等を検討し,その実現に努めることを要望いたしました。その後, 120系統・名谷─しあわせの村間をリーディングケースとして実施し,今後個々具体的なケースにおいて,経済性と公共性のバランスを判断し,市民サービスの向上を図っていくとの回答をいただきました。しかし,それは新設の路線のみであり,しかもいまだ 120系統だけでございます。料金改定時に問題となった一般会計補助を行う行政路線の定義について再検討を行う時期に来ていると思いますが,どうでしょうか。質問いたします。  以上,明快な答弁をお願いいたします。(拍手)  (「議長」の声あり) 44 ◯副議長(吉田多喜男君) 笹山市長。 45 ◯市長(笹山幸俊君) 粟原議員のご質問にお答えを申し上げます。私から数点お答え申し上げまして,他は助役等からご答弁を申し上げます。  まず,公営企業の経営に関して用地の問題がございますが,特に市街地,インナー問題についての対策,どうしても土地問題を解決しなければインナーの問題は解決することはできないという現状でございます。そういうことで,ご指摘がございましたようにことしは長寿社会対策基金あるいは市街地活性化事業基金,こういうことを決めさせていただきまして,主に用地取得にかかろう,こういうことでございます。これは開発局が今まで20億なりを一般会計に繰り入れをしておったものを,はっきり福祉あるいはインナー問題のために使うというための基金でございます。  ですから,当然でございますけれども,こういった用地を直接買収する場合,あるいはご指摘がございましたように工場,学校,病院,こういったいろんな公益施設──公共公益施設等が移った場合には,その跡地を利用していくというやり方,こういうものが非常に大事な時代になってまいりましたので,最近では西神の産業団地の分譲に当たりましては,元地といいますか,企業に対しましてもとにありました土地を私の方が買収するという──これは少し条件がきつい場合もありますけれども,そういうことをさせていただいております。それから,また国鉄の清算事業団等についても,条件としてそういうことを申し上げております。また,国,県,そういった公共団体についても,それぞれ土地の利用について,私の方からその跡地の施設を使いたいという申し出をしておりますので,積極的に今後そういった土地の利用について,福祉なりあるいはインナー問題の解決のための用地としたい,これが開発利益を還元する一番早い方法ではないか,こう思っております。  特にこのやり方は,今までは開発局がやっておった仕事をある程度特定して陸地の方に,いわゆる既成市街地でございますけれども──に仕事を持ち込んだというやり方でございます。開発局はむしろ海と山と新しい団地,それだけしか今までやってなかったんですけれども,むしろ既成市街地に対しても仕事をやるという立場でこういう基金をつくらせていただいたわけでございます。  それから,港湾事業について,ご指摘がございましたように最近は製品輸入が非常に増加をしてまいっております。そういうことで港頭地区では今までは製品のといいますか,貨物の保管機能だけだったわけですけれども,最近はご指摘がございましたように包装とかあるいは検品ですね──検査,あるいはラベル張りとか,そういった流通加工に近いような形の利用がされている部分もあります。これにつきましては厳重に注意をいたしておりまして,それの決着がまだついてない分もありますけれども,近々のうちにつくものもございますので,この点は十分注意をしていきたいと思いますが,民間企業が最近物流施設がふえてきておる,そういう意味の施設がふえてきたということでございまして,これは港頭地区というのはその利用方法についての変遷といいますか変わっていく過程にある,こう思っておりまして,流通加工機能も必要な時代になったのかな,こう思っております。  これは神戸市だけではございませんで,運輸省もそういう意味では総合物流センターをむしろ積極的に考えて,加工なりあるいは保管,展示,その辺まで港頭地区でやってはどうか,こういう構想が出てまいっておりますので,研究会等でも十分これを研究しまして,東京あるいは大阪,それぞれ前に進んでおりますけれども,これはいろんなやり方があろうかと思いますので,神戸市独自のやり方もひとつ考えてみたいと思います。  これはなぜかと申し上げますと,関西空港にかかわったり,あるいは航空貨物,将来に対しまして非常に伸びるだろうということでございますので,海からの貨物とあるいは空からの貨物,これに対応できるようなものもこの中に入れないかということを考えております。そういうことでの総合物流センターを考えさせていただきたい,こう思っております。そういうことで東京,大阪のタイプと少し違うかもしれませんけれども,そういった少し欲張った考え方で今関係の業界なりあるいは運輸省その他と協議をさせていただいております。できるだけ早く位置の決定とその規模,そういうものを決めていきたいと思っております。  それから,先ほど港湾貨物の船の大型化ともう1つスピード化があるんではないか,これはご指摘のとおりでございまして,例えば2年ほど前に台湾に行きましたら,航空貨物もいいけれども,台湾と日本の間は非常に近いんで,高速中量の船をつくりたい,そういうことを言ったぐらいでございますから,約24時間ぐらいで飛ばせるんではないか,走れるんではないか,こういうようなこともありますので,これらについては大型化とはちょっと違いますので,埠頭関係は十分対応できる,こう思っております。  それから,中突堤の周辺の再開発の問題ですけれども,これはもう既に中突堤周辺──新港第1からハーバーランドの間,これを何とか市民に親しんでもらえるウォーターフロントの空間として,いろんな文化なりあるいは観光,そういったものを含めた施設に再開発をしていくということで,現在進めております。  特にご指摘がございましたけれども,この研究会の中では観光,まあいえばクルージング船,旅客船あるいは文化的なもの,そういったものも出ておりますし,観光を主にして考えておりますが,今お話のような文化面の中で特に音楽ホールというお話がございました。これはかねてから専用の音楽ホールと美術館,こういうものをつくるべきではないかというご指摘がございますが,この位置,規模,用途,これにつきましてはまだまだ結論が出ておりません。専用の音楽ホールというのか,最近オペラも言われておりますし,いわゆる芝居,こういったものも言われております。それぞれ専用の劇場が欲しい,こういうようなこともございまして,いろいろこれは工夫をしなければいけませんし,その場所ですね。人によっては海,あるいは人によっては山,こういう議論もあります。そういうことで,これについての議論をもう少しお待ちいただきたいと思います。要はハーバーランドから第1突堤にかけましては,できるだけ早く整備をするということで,できるだけ民間主導型でいきたいと思いますが,特にメリケンパークから新港第1までの間,これも早くやりたいと思いますが,公共──国の機関等がございますので,そういう意味でそういったものが立地できるかどうか,これについてはそこで議論をさせていただきたいと思います。  それから,ポーアイの問題で環境問題ですけれども,ご指摘がございましたように空港の建設,レジャーワールドあるいは湾岸道路,そういったものができますので交通がふくそうするんではないか,これに対する環境をどう守るか,こういうことでございますが,実際にはこのプロジェクトはもう相当進んでおりますけれども,実施に当たりましてはアセスもやっておりますので,十分皆さん方に説明をし,納得をしていただいて,それで仕事をやっていきたいと思います。
     ただ,交通の問題が特に議論になると思いますけれども,湾岸なりあるいは港島へトンネル,こういったものも1つ余分につくりながら交通量の再配分をしていく,こういうことで環境を守る対策としたい,こう思っております。もちろん構造的な問題もございますので,そういったものも十分心してやっていきたいと思います。  私から以上申し上げまして,あとは助役等から申し上げます。  (「議長」の声あり) 46 ◯副議長(吉田多喜男君) 田渕助役。 47 ◯助役(田渕栄次君) 私から2点,お答え申し上げます。  まず,下水処理につきましての母都市としての役割の問題でございますけれども,下水道事業を通じましては,他都市と協力関係という形で現在事業を実施いたしておりますのが武庫川流域下水道の西宮市あるいは三田市,それから加古川流域下水道といたしましては,三木市あるいは小野市,加西市,社町あるいは滝野町,こういった自治体があるわけでございますが,こういった自治体とは流域下水道促進協議会といったものを設けまして,お互いに協力しながら事業の促進に努めておるわけでございます。  また,広く中小都市に対して,いわゆる下水道整備を進めていくという過程の中での技術あるいはその他の協力という意味で下水道事業団というのがあるわけでございますが,神戸市といたしましては長年にわたりましてこの事業団に人を派遣いたしております。そういった中で周辺都市の下水道の整備促進に寄与いたしているものというふうに考えておりますし,今後とも周辺市の下水道整備については協力をしてまいりたいというふうに考えております。  それから,バスの行政路線の問題でございますけれども,行政路線の定義を画一的に定めるということは非常に難しいわけでございます。行政的な要請がある場合に,一応営業係数が 100を大きく超える場合もあるわけでございます。そういった路線については,生活路線という位置づけのもとに新設せざるを得ないという場合には,一般会計負担というふうに考えております。お話にもございましたように,昨年4月には名谷─しあわせの村といった区間があるわけでございまして,これにつきましては,一応算定いたしますと営業係数 200といったような試算があったわけでございますけれども,これにつきましても民生,土木といったところからの負担によって実施をいたしております。また,若干違うかもわかりませんけれども,ループバスにつきましても,やはり計画的には赤字といった点が見込まれるわけでありますが,これにつきましてはその結果を待って,その赤字部分については経済局が負担していくということになってございます。  いずれにしましても,行政路線としての扱いをするかどうかといった問題につきましては,それぞれ個々に判断をしながら実施してまいりたい,このように考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 48 ◯副議長(吉田多喜男君) 緒方助役。 49 ◯助役(緒方 学君) 私から数点,お答えを申し上げます。  第1点は,中東情勢にかかわる公営企業に与える影響等でございますけれども,今回の原油価格の上昇でございますが,これを卸売価格の上昇分が転嫁される,そういう仮定のもとに試算をいたしますと,購入価格でガソリンの場合7%,重油の場合28%ということになるようでございまして,企業会計全体では燃料費への影響額は約1億 3,000万円──これは平年度ベースでございますが──となります。今後さらに第2,第3の値上げが行われるかどうか,中東情勢の動向等もあるわけでございますけれども,現在明らかになっている範囲でございますと,企業の経営努力で何とか吸収できるんじゃないか,そういう情勢でございます。  また一方,金利につきましては,当分高金利が続くものと思われますが,ほとんどの公営企業が資金的には余裕を持っておりますので,直ちに経営悪化につながるということもなかろうという予想でございます。ただ,長期的には企業債利子の負担が増加してくるわけでございまして,また人件費の上昇,諸物価の高騰等が懸念されるということになりますので,今後の企業の経営環境は厳しい状況になるんじゃないか,こういうふうに考えております。  それから,一般会計からの繰り出し基準について見直しを検討する考えはないかということでございますが,言うまでもなく公営企業は独立採算を原則といたしておりますが,一方でその公共性を考慮して,その性質上企業の収入をもって充てることが適当でない経費等々につきましては,一般会計の負担が自治省の基準で定められておりまして,この基準に基づく繰出金につきましては地方交付税や起債といった財政措置が講じられております。  本市の場合で見ますと,この自治省の繰り出し基準を基本としながらも,事業の実態を考慮して,これを上回る市独自の繰り出し基準を設定いたしております。例えば下水道事業会計ですが,自治省の繰り出し基準では42億円であるのに対しまして,その3倍以上に当たる 138億円を繰り出しております。企業会計合計では,自治省基準では 146億円であるのに対しまして 329億円を繰り出しております。このように現状におきましても大きな額を負担していること,また自治省基準を上回る繰り出しにつきましては財源措置がないというようなことから,市独自の基準拡大につきましては財政的に困難なところがあろうかと思います。  しかしながら,公営企業の健全化のために,自治省におきましても繰り出し基準の見直しを検討しておるようでございまして,例えば高速鉄道への出資金につきましては,平成2年度から従前の事業費に対する10%出資を20%に引き上げております。また,阪神水道企業団への出資につきましても,同様に10%から3分の1に引き上げられております。今後はこのような状況を踏まえまして,繰り出し基準の見直しを含む公営企業の健全化策につきまして国に要望していくとともに,企業経営の一層の効率化に努めて,少しでも長く料金を据え置くというようなことに努めてまいりたい,そういうふうに考えております。  第3点でございますが,港湾事業のいわゆるポーアイ2期に予定されている大水深コンテナバースの件でございますが,コンテナ船の大型化は北米航路を中心に当初進んできたわけですが,現在欧州航路での大型計画が多くの船社から発表されております。ご指摘のようにスピード化ということもあるわけでございますが,大型化の時代はまだこれから進んでいくんじゃなかろうか,そういうふうに考えております。これに対応し,また港間競争に勝ち抜いていくためにも,アジアのマザーポートとしての機能を確保するということで,大深度コンテナバースの整備がぜひとも必要であると考えておりまして,また船社等からも大水深コンテナバース整備の要望が出されている現状にございます。  建設コストにつきましては,従来からその軽減に努めておるところでございますけれども,今後とも経済的な施工方法等を研究し,また完成までの期間短縮によりまして利息の軽減が図れるよう効率的な建設に努めてまいりたいと思います。  それから,開発事業の第4次コンペの件でございますけれども,六甲アイランドにおきます第4次事業コンペの実施に当たりましては,全体の事業収支を念頭に置くことは当然でございますけれども,整備状況等を総合的に考慮しながら土地の区画を決定していくわけでございます。具体的に申し上げますと,第1次コンペとの時点修正──時点がかなり違いますので時点修正をする。それから,新交通等が既に整備されております。そういう島内のいわゆる熟成度といいますか,そういうものを勘案するわけでございますが,要するに原価と時価の間で整合性を図りながら設定していくということで,これから慎重に検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 50 ◯副議長(吉田多喜男君) 小川助役。 51 ◯助役(小川卓海君) 病院事業につきまして,お答え申し上げます。  元年度の決算の結果が,5カ年のタームで計画いたしました経営計画といささか違っているというご指摘でございますけれども,残念ながら,63年度では1億 2,500万円の黒字を計上いたしましたけれども,元年度では1億 9,200万円──当初の予定で 5,600万円の赤字を予定しておりましたけれども,これが倍以上にふえまして1億 9,200万円の赤字に終わったことは,ご指摘のとおりでございます。  理由としてはいろいろございますけれども,ご指摘のように消費税に対する負担,毎日調達しております食料費あるいは医薬材料費等にかかってまいります消費税──細かい計算はできませんけれども,約1億 9,000万円程度,今回の赤字に見合うものが消費税の負担増におおよそ見合う,こういうふうな結果でございます。  一方,医療費の改定につきましては,毎年少しずつはございますけれども,20兆円になんなんとする国民総医療費を,保健医療財政を何とか確保しようという政府の考え方から,改定率が毎年あるにもかかわらず極めて微々たるものであるということは,ご指摘のとおりでございます。  そういう外的な要因によりまして1億 9,200万円の赤字を決算いたしましたけれども,5カ年のターム──平成4年度までを1つの単位といたしまして今回の経営計画を立てております。したがいまして,直ちに現時点で一般会計におすがりするというふうな──赤字が出たから大変ありがたいご指摘ではございますけれども,赤字が出たので直ちに一般会計におすがりするというような安易な経営姿勢でなしに,今後も引き続き非常に厳しい環境の中にはございますけれども,経営努力をして,5カ年の時点で再度見直すということを考えていく必要があるんじゃないかと思っております。  あくまで市民病院は一般病院と違いまして,高度医療,特殊医療,救急医療等を担当させていただいております。そういう厳しい経営環境でございますけれども,引き続き努力した上で次の施策,経営改善の案というものを考えさせていただきたいと思っております。  医療費の改定の問題につきましては,機会あるごとに関係機関こぞって中央の方に要望いたしておりますけれども,今後とも引き続き力を緩めずにまいりたいと思っております。  中央市民病院の患者が減っているけれども,病院で働く皆さんの超過密労働に限界が来て人手不足でそうなったんではないかというご指摘でございます。仰せのように,中央市民病院では元年度の患者が1日平均62名,大体 2,200名程度の外来患者がございますから,1年を通じて約3%,入院にいたしまして1%,8人の減でございますけれども,減は減でございますが,あくまで病院の能力いっぱいの仕事をしていることは間違いございません。  この原因がスタッフの超過密労働の結果ではないかというご指摘でございますが,私たちとしてはそこまで急迫した状態であるとは思っておりません。非常に厳しい環境の中で病院のスタッフが一同日夜努力してくれておりますけれども,それにこたえるものとして,毎年定数等の見直しもしていただきまして,昨年も特に厳しいと判断されますICUとか免血内科,あるいは循環器,呼吸器等に看護婦を1名ずつ,合計4名増員するというような措置もとっておりまして,非常に厳しい環境ではございますけれども,今後ともできるだけ省力化できる──コンピューター等の導入によって省力化できるような部門につきましては,現在も情報システムの開発でいろいろ努力いたしておりますけれども,そういう方法で解決して,よりよい医療を市民の皆さんに提供できるように引き続き努力していきたいと思っております。  以上でございます。  (「議長11番」の声あり) 52 ◯副議長(吉田多喜男君) 11番粟原富夫君。 53 ◯11番(粟原富夫君) 市長並びに関係当局からご答弁をいただいたわけでございますけれども,数点について再質問させていただきたいと思います。  その第1点目は,いわゆる公営企業会計に対する一般会計からの繰り入れ基準の見直しの問題です。今,助役の方から答弁がございましたけれども,公営企業の基本はやはり独立採算である,これは法律もございます。しかし,民間企業と違うというのは,いわゆる企業ベースに乗らなくても公共的に必要であれば,これについても事業もやっぱりやらなければならないという意味で,公共性という側面も一方では非常に大きい要素というものがあると思うんです。  今ご答弁によりましても,繰り入れの基準が例えば自治省等で規定がされている,それにも増して下水道事業等ではたくさん出しておるんだというようなことがあったんですけれども,例えば自動車事業でいいますと,名古屋の場合を例にとれば,区役所,病院,こういう文化施設を通過する──通りますというものについては,一定行政路線として赤字分の負担をやっているというふうに聞いておりますし,それから病院事業につきましても,いわゆる救急医療体制の問題だとか医師の研究・研修費用だとか,そういうものについても一定検討できる余地,措置というものがあるんじゃないだろうか。  細かいことを──実はなぜこういう細かいことを聞くかといいますと,別に助役が言われたように無原則に金を出せ,一般会計から──そういうことを言うつもりは全くないわけでして,やっぱり効率化というのをここ数年間かけて,例えば病院にしても交通にしても,一定現場での効率化というのはやってきているというように思うんです。そういう意味で1つの限界に達してきているんじゃないだろうか,それが市民病院でああいう形であらわれているんじゃないかということを実は言いたかったわけで,公共性等の立場をやはり一方では再検討しないといけない時期に来ているんじゃないか。そういう意味で繰り出し基準の再整理を,例えば神戸市サイドで行えるものというものについては,やっぱりこの時期で一回再検討してはどうか。  使用料・手数料については,笹山市長の肝いりもありまして,行財政の調査委員会でも既に検討している,検討が始まっておるというふうに聞いておりますけれども,いわゆる一般会計からの公営企業にかかわる料金というものについても,そういう検討のあり方──先ほどの質問者の中にも基金の問題がございましたけれども,そういうものも含めてやっぱり検討する必要があるんじゃないだろうか。これは効率化を否定しているわけでもなんでもないんですけれども,この長い間の最近の傾向の中で,今度はここをやっぱり検討するという必要があるんじゃないかという意味で,少し市長の方のコメントをいただきたいというように思います。  それから,蛇足ですけれども,今助役が答弁をされましたけれども──いやそう言われるとありがたいんですがというふうに今,小川助役言われましたけれども,私は神戸市市長・助役に質問しているんでありまして,市民病院の経営者に質問しているわけではありませんので,それはご了承いただきたいと思います。  で,総合流通センター構想について,非常に前向きな内容がございました。これから製品輸入が非常に急ピッチに拡大していく,それと港湾の働く人たちの雇用の確保という意味でも非常に大切なことだというふうに思いますので,一層の努力をお願いしたいと思います。これについては要望させていただきたいと思います。  あと,六甲アイランドの第4次コンペ,助役の方からは原価それから地価との間で調整をしたいということで,これ以上踏み込んで質問していいのかなという気はするんですが,ただ非常に心配をするんですね。特に当初の予定の中では戸建ての住宅もあったと思うんですね──当初予定の中にはですね。今もあるとは思うんですが,ただ今のいわゆる住宅の値上がり動向,特に六甲アイランド周辺の地価の上昇というのはこれからどんどん進んでいくという中で,例えば戸建ての住宅を──コンペをやってまた戸建ての住宅を,それからまた分譲するというふうにやりますと,全く買えなくなる金額になるか,逆にいえば買えば宝くじになるというような事態も起こり得るんじゃないかな,そういう危険性を大変感じますし,そしてあと1年ということですから,この辺今調整中だというふうに言われたんですけれども,基本的な考え方をやっぱり明らかに出していただく必要があるんじゃないかな。例えば借地方式を導入したりいろんな考え方があると思うんですね。そういう意味でのもう少し突っ込んでこれについては回答をいただきたいというふうに思います。  あと,私どもの方で従来から1突・4突という間については,文化ゾーンとしてお願いをしたいということでご要望させていただいておったんですが,実は神戸市経済局の調査によりますと,神戸市と阪神間とそれから東播の主婦を中心にアンケートを1988年の11月に行っております。このアンケート調査によりますと,元町,三宮に欲しい施設,その1番が実は音楽ホール,それと演劇ホールなんです。次に広場,遊園地というふうに続いてまして,まち全体のいわゆるグレードアップという意味も込めて,これについてはぜひとも前向きに検討していただきたいということを再度要望しておきたいと思います。  以上です。  (「議長」の声あり) 54 ◯副議長(吉田多喜男君) 笹山市長。 55 ◯市長(笹山幸俊君) 公営企業に対する一般会計からの繰り入れの問題でございますけれども,各会計それぞれ事情が違いますけれども,特に病院の関係でことし赤字になったということで,一般会計の繰り入れの問題の根幹にかかわる問題を今提起されたわけでございますけれども,この公共性があるという部分についてどう考えるかということなんですが,例えば港湾の関係で繰り入れしておりますけれども,ああいった公共施設という範疇にいきますと,会計上,一般の補助事業の場合は裏負担ですね,公共団体が負担することに決まっておる分がございます。ですから,これが補助対象額で幾ら,そのあとは公共団体が持つんですよ,こういうルールになっておるわけですけれども,そういうことがはっきり決められてないものが実はあるわけですね。この病院の問題でも,ただ自治省が繰り入れのある程度限度を決めておると思います。ですから,下水道にしても公共公益施設として永久に持っていく施設でございますから,道路と同じような気持ちがせんことはないわけです。ですから,裏負担というのが実はないわけでございますので一般会計から,こういうことになって,手続がちょっと違うというだけのことでございます。  ですから,病院がいざそういうことで公共性をどこまで見るかということの議論だと思いますんで,これはそれぞれ積み上げでやるのか,あるいは建物だけ,そういった物理的な問題だけでやるのか,あるいは人件費を持つのか,あるいは機械──医療機械等を見るのか,こういうことでいろいろ考え方が変わろうかと思いますんで,これはひとつ研究をさせていただきたいと思います。  以上です。  (「議長」の声あり) 56 ◯副議長(吉田多喜男君) 緒方助役。 57 ◯助役(緒方 学君) 六甲アイランドの第4次コンペのかかわりでございますが,非常に難しい問題をはらんでおりまして,ご指摘のようにある人にとっては買えない価格,ある人にとってはもうおっしゃったように買えたら宝くじという,その両極で悩むわけでございまして,午前中のご質問にもありましたように公営住宅をどうするか,そういう問題も含んでおります──等々ございますので,もうしばらくお時間をちょうだいいたしたい,慎重に検討させていただきたいと思います。  (「議長11番」の声あり) 58 ◯副議長(吉田多喜男君) 11番粟原富夫君。 59 ◯11番(粟原富夫君) あとの質問項目についてもいろいろ質問したいところがございますけれども,これから開催をされる特別委員会の中でこの項目については詰めていきたいというように思います。これで質問を終わります。  ────────────────── 60 ◯副議長(吉田多喜男君) 次に,7番植中 進君。  (7番植中 進君登壇)(拍手) 61 ◯7番(植中 進君) 私は,自民党新政会を代表いたしまして,平成元年度神戸市公営企業決算及び関連議案につき,基本的事項及び課題と考えている事項について,市長並びに関係当局に質問いたします。  まず,元年度決算を概観いたしますと,当年度純損益について言えば,病院事業会計が昨年度黒字であったものが赤字となったこと,あるいは高速鉄道事業が昨年より赤字額は減ったものの,やはり37億円余りの赤字を計上しているなど,厳しい状況がある一方,下水道事業会計,開発事業会計では過去最高の黒字を計上するなど,好調な景気動向と,またその陰に見え隠れする先行きの不透明さを感じさせるものであったと言えるのではないでしょうか。そういった状況の中で公営企業は地方公営企業法にもあるように,企業の経済性を発揮することによって,その本来の目的である公共の福祉を増進することを目指しているわけであります。そこには,神戸市としてのトータルの目標に向けて一般会計,特別会計の各事業と協調して努力してきた姿を見ることができ,今後ともその相互のバランスのよい発展を願っているものであります。  私は,今申し上げました基本的認識に立ちながら,今回の企業会計決算審議に当たりぜひともお伺いすべき問題について,以下数点にわたって質問いたしますので,明快なご答弁をお願いする次第でございます。  初めに,下水道事業についてお尋ねをいたします。  平成元年度は第6次下水道整備5カ年計画の第4年次として,人口普及率95.5%,汚水・雨水の管渠総延長 3,430キロメートルと,神戸の下水道は普及率 100%に向かって順調に進んでいるようでございます。さらに,今年度末経営収支を見ますと,昨年に引き続き近年では最高の17億円の黒字を計上し,累積黒字も約32億円となっております。これらは好景気や電力料金の引き下げといった外部の環境に負うところが大きいものの,一方では当局の経営努力のたまものであると高く評価いたします。  しかし,普及率 100%に向けてまだまだ難しい課題もあるものの,今までがハードの時代としますと,これからはソフトの時代,言いかえますと環境保全に下水道がどう貢献していくかという質の時代であります。下水道局は地味な局ではありますが,従来から資源の有効利用といった観点から汚泥や焼却灰,処理水などの再利用を進めており,また処理水を河川や海に放流している関係から,公共水域の水質改善のためにも努力を重ねております。つまり下水道局は,ふだんから環境問題に深くかかわりながら,その成果を上げてきているわけであります。最近になって地球的規模で環境問題がクローズアップされておりますが,下水道局は以前から身の回りの環境保全,資源の有効利用を地道に行い,その辺のノーハウ,姿勢を自然と身につけてきたと思うのであります。これからは焼却灰を捨てる処分地確保も困難になってくると予想されていますし,より高度な汚泥処理が求められると思われます。  そこで,お伺いしたいのですが,現在策定中の平成3年度からの第7次下水道整備5カ年計画では,第6次計画を上回る総事業費 1,170億円を投入するということでありますが,この環境,水質の保全あるいは資源の再利用といった見地から,どのような事業を新たに盛り込もうとされているのか,お伺いをいたします。  また,この第7次5カ年計画で処理の高度化,資源の再利用の促進のために環境局などと連係し,あるいは民間,学識者も含めた研究機関グループといったセクションの新設を考えていくべきではないかと思うのですが,お考えをお伺いいたします。  次に,港湾事業についてお尋ねいたします。  港湾事業会計の元年度決算を見ますと,純利益で約1億 9,500万円と63年度の2億 9,000万円から比べると悪化はしているものの,安定的に推移していると言えようかと思います。また,港勢面でも,総取扱貨物量が過去最高となるなど順調であります。しかしながら,国内他港と比較してみますと,外貿貨物の取扱量では名古屋,大阪に大きく水をあけられていますし,コンテナ貨物の取扱量についても,数量では他港を大きく引き離しているものの,対前年度伸び率では名古屋の18.9%に対し,神戸は10.2%であります。もちろん港間競争に勝つためにいろいろな努力をされていることは承知いたしておりますが,神戸は他港に負けることはないという意識があり,全体のムードとして危機感が少ないのではないかと思うのであります。  これからの日本経済の動向,経済構造の変化を考えますと,先ほど出ておりましたが,貿易は従来の原材料の輸入,製品の輸出といった形から,製品輸入といった形態に変化してくることが予想されます。神戸港におきましても,製品輸入の割合も60.8%に達しており,製品輸入の増加の傾向は一時的な景気の変動とはかかわりなく,国際的な水平分業の進展の中で一層進んでいくものと思われます。  このような環境のもとで神戸港に貨物を集める条件は,従来輸出港として発展してきた神戸港を輸入港に転換していくことだと思います。このような傾向からも,十分に対応されますよう要望いたす次第でございます。  また,近年物流コストを下げることからも大量輸送,高速輸送が求められていますが,新しいニーズに備えての再開発の必要性は,港湾管理者の所有する埠頭のみならず,埠頭公社の所有するコンテナバースにも及んできております。こうした観点から神戸港の再開発は,従来検討してきた計画の一層の拡大が必要であり,21世紀の物流なり神戸港の極東における位置づけ等を考えて見直し,埠頭公社のコンテナバースをも含めた再開発計画をつくる必要があると思いますが,いかがでしょうか。  また,将来の方向として,港湾管理者と埠頭公社という二元管理ではなく,一元管理が可能なように組織を変更していく必要もあると思います。まずその手始めとして,道路・交通など神戸港の中心となる場所に,神戸港のシンボルともなる拠点施設をつくり,サービスの一元化を図ってはと思いますが,お考えをお伺いいたします。  私は,常に議会の庁舎から港を見て感じることは,建物や構築物のすばらしさがあります。しかし,六甲山から三宮,そして港へと目を移すとき,港に緑の少ないことに気づきます。確かに港は働く場であり,障害物があっては業務に差し支えると思います。しかし,神戸はシンガポールのように美しいまちとして他の都市に圧倒的な差をつけることが発展にもつながると思います。神戸を訪れた人が,朝ホテルの窓から構築物の美しさを見るとともに,緑の多い美しい港を見るとき,きっと再び神戸に来たくなることと思います。  そこで,以前行ったことがあると聞きましたが,いま1度神戸港のクリーン,グリーン,カラー作戦の中期計画をつくり実施してはどうかと思いますが,いかがでございましょうか。  次に,外債についてお伺いをいたします。神戸は古くから資金源を外債によって賄う手法を講じ,見事な都市経営と相まって大きな実績を上げてまいりました。昨年度決算によりますと,神戸港関係だけでも31億 5,000万円,開発局を含めて63億円もの差益を生んでいます。しかしながら,現在 1,095億円もの外債残高があり,外債の平均金利が,西ドイツマルク債7.08%,スイスフラン債5.78%,さらに元年度から発行のユーロドル債は実質5ないし6%となっております。外債のメリットは多額の資金調達ができること,低金利であることなどがありますが,同時に市債という公共性の中で安全でなければなりません。これからの世界情勢の中で,果たして今までのような見事な判断が続けられるかどうか,不安でもあります。  そこで,さらに外債の発行を拡大する場合,どの方向の市場をねらい,どのような方法をとられるのか,お尋ねいたします。  また,国内向けにも神戸市債を発行されていますが,今後外債と国内債のメリット,デメリットを考え合わせて発行していかなければならないときが来たのではないでしょうか。お伺いをいたします。  次に,開発事業についてお伺いいたします。  開発事業会計決算によりますと,開発事業収益そのものは前年度を下回りましたが,開発事業費の低減によって純利益は前年度を上回る過去最高の63億円を計上するなど,前年度に引き続き好決算となっています。また,一般会計繰出金を本年度の決算からは今までの20億円から30億円に増額するなど,開発事業の財政的な貢献度はますます大きなものになってきています。  開発事業は,21世紀に向けて魅力と活力にあふれ,住みよい生活空間のまちづくりを計画的に実現するために,マスタープランに基づいて六甲アイランドをはじめ数々のプロジェクトを実施してきました。しかし,開発事業団地では,従来の予想しがたいような高齢化社会への対応を今から考えておく必要があると考えます。現在市街地では,インナー対策が大きな課題になっていますが,今までの考え方で団地開発を進めるならば,30年あるいはもっと遠い将来かもしれませんが,ニュータウンを再開発しなければならない時代が来るのではないかと危惧するものであります。すべての土地について売却をし,収益を確保するのではなく,将来の経済社会の潮流の変化に対応して柔軟に対応することが可能なストック,いわゆるリザーブ用地の確保がぜひとも必要であると考えます。  そこで,現在どの程度のストックがあるのか,またその量は10年,20年後のまちづくりから見て十分であるのか,お伺いします。  前に申し上げましたが,開発事業会計からの繰出金については,長寿社会対策基金及び市街地活性化事業基金にそれぞれ15億円ずつ積み立てられることになっており,このことは開発事業による具体的な利益還元の1つであると考えます。しかし,六甲アイランドや西神住宅団地などでは計画的な都市づくりが進められている反面,市街地の入り口付近ではあふれる車が渋滞し,その周辺の住環境はますます悪化してきています。  そこで,基金による幅広い市民への利益還元もよいが,開発事業のために住環境が悪化した地域へ,開発局が直接環境の改善のため事業を実施するべきであると考えますが,ご見解をお伺いいたします。  次に,産業団地の処分価格の設定方法についてでありますが,近年の地価高騰の中にあって,産業団地の処分価格も高騰してきております。住宅団地では新住法の原価主義を受けて低廉な価格で住宅地が提供されていますが,産業用地についても産業基盤の強化と雇用機会の増大を図るという公共目的を達成し,また新規産業を誘致導入するためには,地価の変動に左右されない安定的な処分価格の設定が必要であると考えます。  そこで,産業用地の処分価格の設定はどのような考え方で行っておられるのか,お伺いをいたします。  次に,病院事業会計についてお伺いをいたします。市民の健康と福祉を守り,はぐくむ笹山市政のぬくもりのある福祉のまちづくりを遂行するために重要な役割を担っている病院事業会計について,数点お尋ねをいたします。  本市の病院事業は,国の総医療費抑制策による診療報酬の実質据え置きと中央市民病院の新築に伴う費用の増大などにより経営状況が悪化し,昭和58年度より2次にわたる経営改善を行い,病院の自主経営努力と負担区分の見直しにより,予定より早く累積不良債務を解消いたしました。しかし,高齢化の進展,市民医療費の増高などを踏まえ,昭和62年には国民医療総合計画対策本部が設立され,平成2年度には医療資源の有効活用を図るため,医療機関の相互の連係と機能の分化を促進する第2次医療法の改定案が国会に上程されるなど,我が国の医療制度は大きな変化を迎えつつあると考えます。  そのような背景のもと,本市では63年5月に市民病院経営計画委員会を設置し,11月に市民病院経営計画を策定されたのであります。この計画は,63年度から平成4年度までの中期5カ年計画で市民病院の位置づけと役割を再認識し,患者サービスの向上と病院の活性化を図る新たな投資を踏まえた上で,単年度収支の均衡を図ろうとするものであると存じます。こうした計画を踏まえ,厳しい経営環境にもかかわらず,2カ年続いておりました黒字が本年度は約2億円の単年度赤字決算となり,残念な結果になっております。この赤字が今後も恒常的に続いて,また昭和58年当時の不良債務の発生の流れにつながり,これがひいては良好な患者サービスが行われなくなる原因となるのではないかと危惧するものであります。この平成元年度の赤字が今後も続いていくものなのか,単年度の特殊要因であったのか,その評価についてお伺いをいたします。  次に,従来の神戸市政の財政展開からしますと,一時赤字が発生すれば,何よりもまず経営基盤の確立を行政の基本方針とされるような傾向がままあるわけであります。私は,神戸市の医療行政においては,市民のニーズの高い高度医療や救急医療に対するさらなる充実が望まれており,加えて医療機関の地域的偏在の解消などが急務であると思うのであります。  そこで,お伺いしたいのですが,神戸市の医療行政の基本方針,及びその中における市民病院として建設されるであろう西区の中核的総合病院の位置づけについて,先ほどの答弁で若干触れられておりましたが,改めて市長のご所見をお伺いいたします。  次に,交通事業についてお尋ねいたします。  まず,市バス事業につきましては,元年度決算によると運輸収入 128億 9,000万円,1日当たりの乗客は32万 4,000人と前年度に比べて増加しており,順調に推移していると言えます。車両の削減,職員数の適正化など経営効率の向上に努力された上で乗客の増,収入の改善を見たということは高く評価するものであります。  先ほどバスの路線問題が出ておりますので省略させていただきまして,1点のみバス事業についてご質問させていただきます。  今年4月に運行を開始いたしましたシティーループは,観光の目玉として非常に好評であります。しかし,その利用者は観光客だけでなく,生活の足として利用している実態があります。このような例から見て,さらにより質の高い都市環境の水準を目指すためにも,従来道路が狭いために大型バスの通行が困難な地域でも,生活に密着した小型バスの運行について取り組むべきであると思いますが,お考えをお伺いいたしたいと存じます。  次に,高速鉄道事業についてお尋ねいたします。  元年度の運輸成績によりますと,乗客数は前年度に比べ 600万人, 8.5%増加していますが,これに関してお尋ねをいたします。  元年度に6両化を実施されましたが,ラッシュ時の混雑はどの程度解消したのか。今後の人口定着に伴う乗客増に対してどのような観点から輸送力増強を計画されているのか。また,今回の6両化で何年ぐらい対応できるのか。そして,来年からのオリックスのフランチャイズなどイベント等の輸送,特にこのようなときには児童の乗客の割合が多いと思われますので,安全輸送の観点からもその対策についてお尋ねをいたします。  次に,附帯事業などの増収策についてお尋ねいたします。高速鉄道事業は,元年度まで 500億円を超える累積欠損金を抱えています。今後の経営改善を考える際,広告収入や附帯事業収入の増収策を積極的に図っていく必要があります。西神中央駅百貨店ビルもこの10月にオープンしますが,高速鉄道の営業収入に占める附帯事業収入の割合はどの程度になるのか,また今後どのような増収策を考えておられるのか,ご見解をお伺いいたします。
     次に,水道事業についてお尋ねいたします。  水道事業は25億 3,000万円の単年度黒字を計上し,順調な決算となっています。これは給水戸数の増加や好調な景気を反映して業務用の水量も増加し,料金収入がふえたことが大きな要因となっております。水は都市の活力の源であり,水量の確保が不安定であれば産業も発展しないことを考えると,水源の確保が最も重要な課題であります。当局の平成5年度における中期予測では,1日最大配水量を71万 7,000立方メートルと見込み,これに対して確保できる水源は83万 3,000立方メートル,また平成13年度の長期予測では1日最大配水量を85万立方メートルとし,確保の見通しがなっている水源は 107万立方メートルと聞いています。  しかし,最近の給水戸数の増加を見ますと,元年度は1万 5,000戸の増加となっており,61年度ぐらいまでの1万戸前後の増加と比べて大きくなっております。一方,神戸を訪れる観光客も年間 2,000万人にもなり,ホテル,百貨店など諸施設の建設も次々と予定されているところであります。平成13年度のマスタープラン 160万人の人口フレームを前提としても,今後観光客など神戸に流入する人口はますますふえてくるものと思われます。このような状況を見ますと,水需要は今までの伸びよりも今後は大きくなるのではないか,当局の予想以上に伸びるのではないかと危惧いたしております。  最近の給水戸数の増加,業務用水量の増加傾向を踏まえて,平成5年度の83万 3,000立方メートル,平成13年度の 107万立方メートルという水源確保で大丈夫かどうか,ご見解をお伺いいたします。  量の確保の次に重要なことは,水質の問題であります。安全で良質な水を給水することが水道事業の責務であり,そのためには水源の水質が良好でなければなりません。元年度の淀川原水の水質は,大腸菌群を除いて水道原水として望ましい範囲にあるとはいっても,自己水源の千苅に比べてかなり悪化しております。今年も5月下旬,9月の初めからカビ臭の発生が見られ,かなりの苦情が寄せられていましたが,水道事業として最近話題となっているおいしい水ということではなく,安全性という観点から水質の問題をとらえる必要があると考えます。そのためにも琵琶湖,淀川の水質改善に対する取り組みが重要になってきますが,滋賀県の下水道整備率は23.5%と全国平均の42%に比べておくれております。このような中で琵琶湖,淀川の水質改善に対し神戸市はこれまでどのような対策を講じられてきたのか,また今後どのような対応をしようとされているのか,お伺いをいたします。  水道事業は,平成2年に90周年を迎え,基幹的施設の整備も完了して,今後維持管理の時代に入ってまいりました。このような中で過日の新聞報道に漏水の問題が取り上げられておりました。新聞によりますと,漏水率は,大都市の中で少ないのは1位の広島が 5.9%,神戸市が2位で 6.4%,一番多いのは東京で11.7%,東京は1年間で多摩川上流の小河内ダム1個分の水が漏水でなくなったということであると報道されておりました。また,その原因として給配水管の老朽化や,昨今車の増加そして車両の大型化により道路状況が悪化したためであるとかというような,いろいろな理由が上げられております。総務庁の行政監察でも,全国の水道水の11.8%が漏水で失われていることが明らかになっています。我が国でも,10年に1度ぐらいの少雨あるいは少流量でも給水制限しなくても済むことを一応の基準として水資源の開発をしていると聞いております。琵琶湖総合開発事業のような水資源開発は多額の費用と10年,20年の長い期間が要るということを考えれば,漏水がゼロという方向が理想であると言えると思いますが,神戸市は大都市の中で2番目に少なく,よく頑張っていますが,やはり 6.4%という数字は大きいと思われます。  そこで,神戸市において漏水を減らし,有効率を向上させるため,今日までどのような努力をされているのか,今後の有効率向上対策をどのようにされるのか,お考えをお伺いいたしたいと存じます。  以上をもちまして私の質問を終わります。(拍手)  (「議長」の声あり) 62 ◯副議長(吉田多喜男君) 笹山市長。 63 ◯市長(笹山幸俊君) 植中議員のご質問にお答えを申し上げます。  数点私からお答えを申し上げますが,まず下水道の問題でございますが,ご指摘がございましたように6次5計では,いわゆる管理施設の質的な向上へということでまいっております。ですから,平成3年度から7次5計に入るわけでございますけれども,この中身は,お話がございましたように水質保全対策が主な内容になってまいります。このためにはいわゆる高度処理の技術を開発していく,こういうことではないかと思います。そのために3次処理の用地なりあるいはそういった技術開発,こういうものについての研究を進めていくということではないかと思います。また,資源といいますか,水あるいは温度──エネルギーですね,こういうものを利用していくということ,また汚泥の焼却灰の利用,こういったものが今後の下水道事業としての仕事の主なものになるんではないか,こう思います。  しかし,この問題は実は環境局の方で一昨年でございましたか,環境庁等の補助でエコポリス計画というのができております。これは非常に大きい計画でございますが,中身は,個々に環境保全なりいい環境を創造していくということではいけないんで,いわゆる神戸なら神戸のまち,それの隣接する地域,そういうものをひっくるめて環境保全をしていくという計画になっております。ですから,当然でございますけれども,いろんな環境問題についてかかわりのあるところと話をしていく,またそういった技術開発をしていくということでなければそういったことはできないわけでございまして,ですからあのエコポリス計画の中身を各局が達成努力をしていく,こういうことではないか,こう思っております。  そういうことで,それぞれの局が,得手のところがその得手の仕事をやっていくということでございますけれども,これらの関連をうまくやっていかないと,例えば焼却灰を利用する場合に何に使うかということでございますけれども,これを建設材料に使えないかというようなこともありますし,汚泥そのものを脱水率を少し上げて肥料──コンポストにするとか,こういったことが現在でも研究され,行われております。それを神戸市の場合はある程度試験的にやっているのが現状でございますんで,もう少し勉強して肥料なりあるいは建設資材をつくっていく,こういうことの技術を開発していきたい,こう思っております。  これは他都市でも相当やっておりまして,技術的にも解決できるような問題も出てきております。ですから,これは市全体として考える必要がありますので,民間団体とも一緒になって共同研究をしていったらどうか,こういうようなことも考えております。といいますのは,そういう意味での廃棄物処理を含めまして相当研究をされておりますので,こういったところについても知恵を拝借するということを考えていったらどうか──ご指摘のとおりでございます。そういうことで努力をしていきたいと思っております。  それから,港湾の関係ですけれども,お話がございましたように,非常に港湾は,施設もそうですけれども,流通,海運,そういうものがどんどん変わってまいりまして,これに対応するのに非常に急を要するというような状況でございます。物の動き方が変わりますし,中身も変わる,またそれを運ぶ物も変わる,こういうことでございますので,それに対応する施設──港湾施設は当然計画を再検討する時期に来ている,こう思っております。  しかし,大まかにもう既に長期計画を立ててございますが,これに再開発計画の中にできておるわけですけれども,部分的に実はやっている分がありますので,神戸港全体についてもっと長期的な計画に見直したい,こう思っております。特にコンテナバースのご指摘がございましたが,どんどん六甲アイランドあるいはポートアイランド2期の大水深バースができてくると,さしあたり,お気づきになると思いますけれども,ポートアイランドの1から5はどうなるんだということも当然出てまいります。ですから,それを含めまして再開発計画を立てるべきだと思っております。ご指摘のとおりでございます。平成3年にはこの計画をつくっていきたいと思います。午前中も申し上げましたように港の空間を広く使うということでございまして,物流,生産プラス生活,こういうものを含めた長期計画にしたい,こう思っております。  それから,外債の問題でございますけれども,7月末,第2回のユーロダラーを決めていただいたんですけれども,8月になった途端に金利が上がってまいりました。そういうことからしまして,現在時点で一番有利な形になってございます。ですから,このままいくということは考えられませんが,非常に流動的でございますんで,これからどういった外債が有利なのか,相当慎重に勉強していかないといかんと思います。  ただ,神戸市の場合19回やっておりますので,非常に信用度が高いということがございます。ですから,多少来年度また次の適債事業があるということであれば,この辺十分考えてやっていかないと,どういった外債が一番いいかというのは,今のところ神戸市が7月に決めたのが一番よかったというのが現状でございまして,ことし8月以降はもう既に上がってきております。日本の金利より高くなってきているような感じでございますから,この点非常に幸いしたわけでございますので,この点ひとつ今後の外債適債事業についてはもっともっと勉強してやっていきたい,こう思っております。当然皆さん方に──また外債を引き受けてもらえる方々,安全でなければいけませんし,神戸方にとっても安全で低利でないといけない,こういうことでございますんで,この点十分心してやっていきたいと思います。  他につきましては,助役等から説明させます。  (「議長」の声あり) 64 ◯副議長(吉田多喜男君) 田渕助役。 65 ◯助役(田渕栄次君) 私から2点,お答えを申し上げます。  まず,小型バスの運行についてでございますけれども,ご指摘がございましたとおり,ループバスにつきましては非常に好評な形で運行いたしているわけでございます。さらに,その他の地域で道路が非常に狭小,狭隘といいますか,そういった地域で大型バスが運行できないといった地域につきまして,乗客需要あるいはまた他の代替の交通機関があるかないか,あるいはまた採算性,こういったものを考慮いたしまして,一定の条件が満たされれば小型バスの運行についても検討する必要があるというふうに考えております。  それから,鉄道の附帯事業の問題でございますけれども,平成元年度の決算では営業収益に占める附帯事業収入の割合は約3%ということになってございまして,非常に少ないわけでございます。しかしながら,10月の西神そごうのオープンによりまして,約9%になるんではないかという見込みでございます。そういうことで,今後とも鉄道の用地の立体化利用といったことを含めて有効活用を積極的に進めてまいりたい,このように考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 66 ◯副議長(吉田多喜男君) 緒方助役。 67 ◯助役(緒方 学君) 私から数点,お答えを申し上げます。  第1点でございますけれども,港湾の一元管理のことでございます。ご承知のように神戸港埠頭公社でございますが,阪神外貿埠頭公団の業務を引き継ぎまして現在に至っておるわけでございますが,市の外郭団体である埠頭公社が承継したということで,港湾管理の上で一元化が推進されてきたということで,そういうふうに理解をいたしております。  埠頭公社は,フェリーバースとかコンテナバースなどを受け持ち,また港湾局は公共の港湾施設の建設,管理,運営等を主に担当しておるわけでございますけれども,双方非常に密接な関連がございますので,ご指摘のとおり,今後とも連絡を密にいたしまして,実質的にといいますか機能的にといいますか,そういう意味で一元管理を確保してまいりたいと思います。シンボルとなるような施設といいますか,拠点施設といいますか,そういうご指摘もありましたですけれども,今後の研究課題にさせていただきたいと思います。  それから,港の緑が少ないというご指摘でございますけれども,神戸港は市民に親しまれる港づくり,美しい港づくりということを重点的に進めてまいっておりまして,港の清掃,緑地の増加あるいはまたカラー作戦などに取り組んできたわけでございます。そういうことの結果といいますか,ポートアイランドあるいはメリケンパーク,あるいは多くの港湾緑地等を整備することができまして,自然環境とともに世界でも最も美しい港の1つではないかと私たちは考えております。今後の港湾環境整備計画につきましても,ご提案のように緑化,景観,清掃等総合的な検討を行いまして神戸港長期計画の中に盛り込んでいきたい,そういうふうに考えております。  それから,開発事業でございます。リザーブ用地をもうちょっとふやして将来に備えたらどうかということでございますが,新住事業等では,そういうリザーブ用地を確保することが難しくなっておりまして,できた土地は計画的に処分計画にのっとって分譲していくべきだというようなことになっております。そういうこともございまして,なかなかリザーブしていくというのは難しいわけでございますけれども,完成したポートアイランドで約5ヘクタール,須磨ニュータウンで約 2.5ヘクタールのストックが現在ございます。六甲アイランド,西神ニュータウンなど現在実施中の事業では,確定的には言えませんが,全体として開発面積の1%程度は何とかストックできるんじゃないかと思っております。20年先を見通してというような将来の動向,なかなか予測が難しいわけでございますけれども,当面は現在のストックで何とか対応していけるんじゃないかと思っております。  それから,開発事業の利益還元も大事でありますけれども,直接的に開発局が環境改善事業等をやったらどうかというご指摘でございます。開発事業を進めるに当たりまして住宅用地,産業用地,いずれの場合もそうでございますけれども,単独で整備するということじゃなくて,その周辺あるいは環境ですか,そういうものに十分配慮しながら整備を進めているところでございます。具体的には公共公益施設の整備を進めたり,あるいはまた広域的な幹線道路,総合公園,鉄道の建設,河川の改修等,そういうところにも直接開発事業で手がける場合もございますし,あるいはまた専門部局,担当部局に任せるということで,負担金という形でお願いをしている場合もあるわけでございますけれども,そういうことを通じて促進しているところでございます。今後とも利益還元による幅広い市民への還元にあわせまして,必要な公共公益施設の整備を通じまして生活環境の向上に取り組んでまいりたいと考えております。  それから,水道事業の水資源確保のことでございますが,ご指摘のように給水戸数の伸びあるいは景気がいいというようなことで,水の使用量は順調に伸びてまいっております。現在持っております中・長期の水需要予測によりますと,これらの伸びも将来の増要素として加味しておりますので,例えば中期のものは平成5年度で申し上げますと71万 7,000立方メートル,長期のもの──平成13年度でございますが,85万立方メートルという予測になっております。この夏記録いたしました過去最大の69万 2,120立方メートルでございますけれども,この量も平成2年度予測の範囲内にとどまってございます。したがいまして,平成13年度での需要予測であります85万立方メートルに対する確保可能な水資源 107万 1,000立方メートルで,これぐらいで大丈夫じゃないかと考えております。  しかしながら,長期的な水の予測といいますと,現在あるのは10年程度でございますので,一方また水資源開発には20年,30年というような長期間を要することもございますので,今後2020年をめどといたしまして,水需要予測とそれに対応する水資源確保について検討を行ってまいりたい,そういうふうに考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 68 ◯副議長(吉田多喜男君) 小川助役。 69 ◯助役(小川卓海君) 病院事業につきまして,お答え申し上げます。  平成元年度の病院事業決算,ご指摘のように約1億 9,000万円の赤字で決算いたしました。内容をいろいろ分析して見ておりますけれども,非常に困難な点もございますが,おおむね外部要因によって発生した赤字である,こういうふうにとらえております。特に消費税の負担増約1億 9,000万ございますけれども,医療費も消費税のアップに相当する分として改定がございましたけれども,わずか 0.12 %,低改定でございまして,実態に合わないんじゃないかと思っております。  それから,市内部の問題でございますけれども,自主料金,産科それから差額ベッド等に対する消費税の患者負担を転嫁することは,ご承知のような事情で差し控えておるわけでございますけれども,そういうふうな事情が──外部的な事情が重なりまして赤字が発生いたしておりますので,今後,今持っております病院経営の5カ年計画に基づいて内部的に最大の努力はいたしますけれども,これを全面的に吸収するということはいささか難しいんではないか,こういう感じがいたしております。  しかし,市民病院が課せられております高度医療,救急医療等を中心にした,市民の皆さんに安心して利用していただける病院として今後経営をしていくためにも,内部的な努力をさらに重ねながら,特に医療費の改定については関係機関に引き続き精力的に働きかけることによって,5カ年の中で少しでもこの赤字を吸収していくように努力を続けてまいりたい,そのように思っております。  さらに,病院事業会計にかかわるご質問で,市民病院の中でも西区の中核的病院の将来における位置づけについてのご質問でございますが,市民病院は高度医療,救急医療あるいは不採算医療等,他の病院,私的な病院ではなかなか難しいそういうような課題を担ってその業務を進めておるわけでございますが,昨年の11月に出されました神戸市保健医療計画の中で神戸市を,あるいは神戸市を含んだもっと広域的な圏域を3つのエリアに分けまして,1次保健医療圏域,2次保健医療圏域,さらに3次医療圏域とグレードを3つに分けまして,1次医療圏域では診療所等を中心にいたしまして,主として通院治療を進めていく小規模単位のエリアを設定いたしまして,2次医療圏域では,おおむね神戸市では市街地──既成市街地と西神,北神の3つのエリアについて医療を担当していく医療機関を設定しよう。3次医療圏域は,さらに広域的に神戸市を含んだ広域的なエリアを設定いたしまして,高度医療,専門医療,救急医療等を担当していくということでございます。  こういう全般的な医療供給体制の中で,市民病院,西市民病院それから新たに設定いたします,開設いたします西区の中核的病院はいわば2次医療圏域を担当する病院ということで,その地域の中核病院として市民の医療を担当していこう,こういうふうに考えておりますし,中央市民病院は神戸大学の附属病院と同時に3次医療圏域を担当するということで,神戸市のみならず周辺の近接の都市の医療も担当しよう,こういう役割を現時点では考えておるわけでございます。  いずれにいたしましても,市民に信頼される病院として,市民の皆さんが適宜適切に本当に正しい医療を受けていただくように,その一翼を市民病院が担ってやってまいりたい,かように考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 70 ◯副議長(吉田多喜男君) 宮永開発局長。 71 ◯開発局長(宮永清一君) 産業団地の処分価格ということにつきまして,お答えいたします。  産業団地,特に流通業務団地及び工業団地でございますけれども,これにつきましては,流通業務市街地の整備に関する法律等法律に基づきまして仕事をやっておりまして,それで処分価格につきましても,それに基づきまして決めておるわけでございますが,一応流通業務団地につきましては県知事の認可,また工業団地につきましては国土庁長官の認可──届け出が必要でございます。  そういうことでございますけれども,具体的にはこれらの事業,公共事業でございますし,そういうことでございまして,公共性,公平性を配慮いたしまして,単価につきましては地価と原価の中間ぐらいで基準価格といたしまして,団地の成熟度や土地の位置等を勘案いたしまして,個別にその処分価格を決定しておる,こういう状況でございます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 72 ◯副議長(吉田多喜男君) 井田水道局長。 73 ◯水道局長(井田憲治君) 私の方から2点,お答えさせていただきます。  まず,琵琶湖・淀川の水質に対する取り組みの問題でございます。おっしゃいますとおり,琵琶湖・淀川水系の水質保全が必要なことはよく承知しておりまして,それぞれ各機関で協議会等を設けております。すなわち琵琶湖・淀川環境会議,あるいは水質汚濁防止協議会などの組織で,あらゆる機会を通じまして国や滋賀県に強く水質保全の要望をしてまいっております。  淀川水系の水質保全にとりましてやはり最も有効な手段は,下水道整備の推進でございます。私ども下流団体──淀川の下流団体でございますが,神戸市なども含めまして総額 590億円の下流負担金を負担いたしまして,滋賀県の下水道整備などの水質保全に協力してまいったわけでございます。おっしゃるとおり,滋賀県の下水道整備につきましては,全国平均42%に対しまして23.5%とこれは低く,一層の整備促進が望まれるわけでございますが,滋賀県もこの点についてはかなり努力をしておりまして,例えば大津市では63%の普及にまでなっております。こうした努力の結果,琵琶湖の水質も悪化傾向に歯どめがかかったような状況でございまして,ここ数年は横ばいの状況を続けておるところでございます。  しかし,ここ10年ほど毎年のようにカビ臭の被害が発生しております。また,最近では水質基準内ではございますけれども,トリハロメタン等の微量有機塩素化合物も問題となってきております。これらを除去するには,やはりオゾンと活性炭を組み合わせた高度処理が非常に効果的であるということがわかってまいりまして,結果的に経費的に高くつくという問題もございますけれども,将来の水質悪化に備えまして,この高度処理の導入について阪水──阪神水道企業団と,それを構成しております我々構成4市,今後とも研究協議を続けていく必要がある,このように考えておるわけでございます。  いずれにいたしましても,水道の水質の基本は原水であります琵琶湖・淀川,これの水質保全でございますので,今後とも粘り強く国,滋賀県等に要望を重ね,水質改善に努めていきたい,かように考えております。  続きまして,漏水問題でございます。先ほどご質問の中にありましたように,私どもの有効率は元年度で93.2%と,全国的にはトップレベルにございます。これまでこの有効率を向上させるためにやってきた事業でございますが,昭和39年度から配水管整備事業を行いまして,古い配水管を強度の高いダクタイル鋳鉄管に取りかえ,改良事業を行っております。さらに,昭和53年度からふくそうした給水管の整理統合をやり,昭和63年度からはさらに給水管の改良事業を実施いたしまして,管の破裂あるいは継ぎ手漏水の防止に取り組んでまいりました。また,漏水防止作業につきましては,漏水発生頻度の高い地区を重点的に調査いたしまして,早期発見・早期の修理などを実施した結果,有効率は5年前の90.5%に比べて 2.7%向上させることができたわけでございます。  ご指摘のように交通量の増加,車両の大型化など漏水防止には非常に不利な条件になっております。しかし,これらの施策を推し進めるとともに,今後さらに一層の漏水防止を図るために,これまで行ってきました配水管取りかえ対象範囲をさらに拡大いたしまして,衝撃に強い配水管網を形成するための事業を新たに起こすことを検討しておるわけでございます。  さらに,漏水調査作業におきましても,交通などによる都市騒音によりまして非常に漏水の発見が困難にはなってきておりますけれども,電子機器などの導入によりまして,さらに効果的な漏水調査作業を研究していきたい,かように考えております。  (「議長」の声あり) 74 ◯副議長(吉田多喜男君) 柏原交通局長。 75 ◯交通局長(柏原英通君) 地下鉄の6両化の効果と今後の見通し等でございますが,最も地下鉄で混雑いたしますのは,妙法寺─板宿間の東行きでございます。これが5両当時には 199%というような率になっておりましたけれども,本年の5月の調査で──6両化後でございますが, 164.5というような数字に下がってきております。将来西神ニュータウンでの人口増に対応してどの程度まで増強していくかということにつきましては,大体 180%程度に抑えていきたいということで増強計画を組んでおります。  それから,この6両のままであと何年ぐらいいけるだろうかということでございますが,大体運転間隔を詰めましたら,10年ぐらいは6両のままでいけるんではないか,そういうふうに考えております。  それから,野球とかそういうイベントの終わりましたときの対応でございますが,これはやはりそういった観客数等を見まして臨時便を増発する以外にないんじゃないかということで,総合運動公園の駅の改築といいますか施設を整備する,それから乗務員等の輸送要員を増強するということで対応していきたいと考えております。  (「議長7番」の声あり) 76 ◯副議長(吉田多喜男君) 7番植中 進君。 77 ◯7番(植中 進君) 私の質問に大変ご理解ある答弁をいただきました。若干まだもっともっと審議を深めねばならない点もございますが,後に行われます委員会におきましていろいろと審議を深めてまいりたい。私の質問を終わります。(拍手)  ────────────────── 78 ◯副議長(吉田多喜男君) 次に,10番谷本徳太郎君。  (10番谷本徳太郎君登壇)(拍手) 79 ◯10番(谷本徳太郎君) 私は,民社党市会議員団を代表して,笹山市長並びに各部局に対しまして,平成元年度公営企業決算並びに関連議案に対しましてお尋ねをいたします。  公営企業は,元来公営で運営すべきところを,企業の経営手法を取り入れまして,より効率的に市民サービスを行おうとするものであります。各公営企業ごとに経営改善の課題を定め,各種の努力をされた結果と受けとめていますが,総合的に見て平成元年度公営企業決算は順調に推移をしている,そのように評価をいたしております。  以降,質問をさせていただきますが,前の質問者と重複する関係については割愛をさせていただきまして,質問をさせていただきます。  平成元年度の公営企業会計の中で収益好転理由という形の中で,金利負担の軽減並びに電力費の軽減等という項目がございますが,具体的にそれぞれどの程度寄与したかについてお伺いをいたします。  次に,中近東の紛争の影響でありますが,先ほどお答えをいただいておりますので,省略をさせていただきます。  以下,各会計ごとにお尋ねをさせていただきます。  最初に,下水道事業についてお尋ねをいたします。  私ども,アメニティー下水の現地ということで,六甲アイランドの施設を見せていただきました。その中で日量 4,200トンの施設能力に対しまして,現在の稼働は2分の1の日量 2,100トンということでありました。六甲アイランドのリバーモールへの給水ということで考えておられた部分があるようでありますが,水質の関係で現在はリバーモールには上水を循環して使っておられるというようなことをお聞きいたしました。そのような現地の見聞も踏まえまして,質問をさせていただきます。  まず,中水についてでありますが,近い将来の水道水の高度処理を想定するならば,下水道リサイクルの事業として,経済性,中水の全市的な利用策の拡大という形,どのように水資源の将来的な節約という事業性格の中で展望されておるか,お伺いをいたします。  次に,下水道公社についてお尋ねをいたします。  神戸市の下水道公社は,農村下水道も含め下水道全施設の維持管理を主たる事業内容に,平成元年11月に設立をされ,およそ1年が経過をしようといたしております。公社設立のもくろみに対して,現在の公社の状況と公社の今後の課題について,お尋ねをいたします。  次に,港湾事業についてでありますが,前3者の質問の中に既に相当港湾事業の各種計画ということで言及がされておりますし,市長の方からもご答弁がありましたが,各個々のプロジェクト名が相当に出てまいっておりますし,それから組織の関係等ないしは国への働きかけの手順等についても市長からお答えがあったわけでありますが,全体として神戸港湾長期計画という言葉が先ほど助役の答弁の中にもあったわけでありますが,その種の港湾の長期計画をどのような手順で,どのような検討体制で,どのようなスケジュールで,現在まで出てまいりました個々のプロジェクトをその中に包括しながら消化をされるのか,その点についてお答えを求めたいと思います。  次に,客船の受け入れ体制についてでありますが,現在神戸港に入港する大型客船は新港第4突堤を中心に受け入れを行っておりますが,先般のクリスタルハーモニー号の神戸港における一般公開が,メリケンパークから見える新港第1突堤で行われたわけであります。客船の乗船客の神戸の第一印象を想定しましても,後背地の環境は大変大事ではないか,このように考えておりますし,また神戸市民の立場から考えましても,歩いて行けるメリケンパークから客船が見えるということは大変すばらしいプレゼントではないか,そのように考えるわけであります。また,客船の持つ華やかさは,神戸を訪れる人々にも貴重な観光機会を提供するというようにも考えます。  そのように環境や受け入れ容量の点からも,例えば新港第1突堤から第3突堤を客船受け入れに向けて再開発をされてはいかがか,そのようにご提案を申し上げます。  次に,市民のマリンレジャー施設に関連してお尋ねをいたします。須磨海浜公園の東にあるヨットハーバー,マリーナ施設の拡充を求める声が,海洋レジャーを愛好する市民の中から寄せられています。格納場所の拡張,レストハウスの建設など施設整備について,港湾局の今後の取り組みをお尋ねいたします。  次に,開発事業についてであります。  私たち民社党市会議員団は,神戸複合団地と高倉台の土砂運搬施設を現地視察させていただきました。開発事業についても相当に出ておりますが,開発事業は昭和30年代以降の経済成長期における都市形成において,山と海に囲まれた──挟まれた神戸において,港湾輸送の革新の担い手として,ポートアイランド六甲アイランドの人工海上都市造成と同時に内陸部に西神ニュータウンをはじめ広大な開発を推進し,産業構造の転換と人口の社会減に対応してまいりまして,開発事業は土地需要に対しての供給を行い,それによって結果として地価抑制効果をもたらすなど,重要な役割を果たしてきたものであります。これらは開発事業のある意味では第一世代と形容すべき時代ではなかったか,そのように考えるわけでございます。  しかしながら,時代の潮流は量から質へ,物の豊かさから心の豊かさへと変化をし,市民生活を支える基盤としての都市環境に対する要求も多様化している今日,市民の間には地球にやさしい自然環境との調和のある開発,都市景観の理念のある取り組みを求める声があります。市民の理解を得るためにも,開発行政のあり方やその手法,工法を見詰め直す時期に来ていると考えます。  そこで,お尋ねをいたします。現在ポートアイランド2期の土砂源として土砂採取が着々と進められている複合産業団地については,既に土地利用計画も提示され,それに沿って工事が進捗していることは承知をいたしていますが,平成12年が完成目途であります。日進月歩の技術進歩を活用し,自然をできるだけ多くそのまま残した形の大規模公園の取り入れなど,開発工法の工夫と新時代にふさわしいセールスポイントの構築をされたいわけであります。お考えをお伺いいたします。  次に,今後の開発行政の基本に関連して,都市創造についてお尋ねをいたします。21世紀に向けて魅力と活力にあふれた都市づくりは,安心で快適な市民生活を実現するために,今後も開発事業に課せられた,先ほど述べましたような役割を果たしていかなければなりません。そのためには開発行政にこそ,その地域独特の歴史や文化,緑や水辺等,自然物を生かした基本的な都市づくり,それに道路や建築物など人工的な物を,必要施設を付加していく,そのような都市づくりが求められているのではないか。そういうものが個性ある都市づくりとなるのではないでしょうか。市民の理解と共感を得る開発行政でないと,今後市民の開発行政に対する支持は得られないのではないか,そのように考えております。  そこで,お尋ねをいたします。新しい都市のイメージをアピールするためにも,都市の個性というものが問われると考えております。いわゆる都市デザインをまちづくりにどのように生かしてこられたか,また今後のまちづくりにどのように生かそうとされるのか,お伺いをいたします。  病院事業会計について3点用意をいたしておりましたが,経営改善の課題,診療報酬,医師会連絡室の役割拡充等については,既にご回答がありましたので,詳細については関係特別委員会の方によろしくお願いをいたします。  次に,自動車事業会計について1点質問,1点の提案をさせていただきます。  まず,前回の料金改定時以降の経営改善の推移についてであります。自動車事業については,前回の料金改定審議の市議会において,徹底した内部経営改善を求める附帯決議がなされています。以降の労使協議を通じて改善に努められ,各項目とも一定の成果の跡が見られます。しかしながら,なお附帯決議内容にあって残存するものについて,今後の取り組みについてご説明をいただきたいと考えます。  次に,六甲アイランドの島内循環バスの運行について提案をしたいわけであります。六甲アイランドの中央部にいわゆる都市機能ゾーンとして東西幅 1,000メートルのエリアがありますが,その中心を南北に六甲ライナーが走っています。都市機能ゾーンの外側には,ポートアイランドとは異なって物流,食品加工等の業種の立地がされております。それらの場所に行くことも含めて,都市機能ゾーンの外周に,新交通の駅から行くとすれば 500メートル──最小 500メートル,斜めに参りますと 700メートルになるわけであります。新交通の駅付近には,先般視察に行きましたら,駐輪禁止の荷札のついた自転車が散見をされます。市民の皆さんの日常の足の対応が推察される思いがいたしました。市街地の市営バスの停留所の設置基準は 400メートルと伺っております。そのこととの対比の中で,六甲ライナーの建設時の検討経過も承知をいたしておりますが,島内の駐車場問題,また六甲ライナーの乗客増対策という観点からも,本件についての交通局のご見解をいただきます。  次に,高速鉄道事業について,地下鉄の経営改善ということでご質問を用意いたしておりましたわけでありますが,既に解明されておりますので,省略をさせていただきます。
     次に,市営地下鉄と他の交通機関との乗り継ぎ切符制度の検討についてであります。プロ野球チームオリックスのグリーンスタジアム使用によって,地下鉄への好影響が期待されます。市営地下鉄との乗り継ぎ駅として,東から地下鉄三宮駅ではJR,阪神,阪急と,また地下鉄湊川公園駅では神戸電鉄と,地下鉄長田駅では山陽電鉄と,地下鉄新長田駅ではJRと,地下鉄板宿駅では山陽電鉄と,それぞれの乗り継ぎが可能であります。乗客の利便を図るため,関係他交通機関との乗り継ぎ切符の実現に向けて努力をされたいわけであります。ご見解をいただきたいと思います。  次に,水道事業会計についてであります。  ことしの夏の東京の渇水状況のニュース,また連続して発生した洪水による被害の報道等に接すると,改めて政治の基本は治山治水であり,水を利用する利水であると感じます。先見性を発揮し,先手先手と事に当たってこられた先達に思いをいたさねばなりません。井戸の水を飲むときは,井戸を掘った人に感謝をすることを忘れてはならぬという言葉があります。そのような思いを込めてご質問をさせていただきます。  1点目の経営安定化の積立金の関係については,既に出ておりますので,省略をさせていただきます。以降,2点ご質問をさせていただきます。  未給水地域解消に関連して,ご質問というよりもお願いに近いかと思いますが,お願いをいたします。山麓部などの未給水地域の公共水道の布設は,1戸当たり 100万円以上の自己負担金となるケースがあるやに仄聞をいたしております。水道は,都市生活上必需であります。建築が許可されれば,給水もトータル行政の立場から,持ち家資金に支障が生じるほど高額にならないような配慮をすべきではないか,そのように考えております。ご見解を賜りたいと思います。  最後に,本市の水道料金については,近隣他都市との比較で高いと巷間言われています。市民との日常の交流を深め,素朴な疑問にも答えていく不断の努力が大切と考えます。例えば水質改善の経過を詳細に伝えるなど,水道事業の日常活動を広報することによって,市民と行政とのコンセンサスを得る土壌が培われていくのではないかと考えます。どのように広報について対処されようとするのか,お伺いをいたします。  以上であります。(拍手)  (「議長」の声あり) 80 ◯副議長(吉田多喜男君) 笹山市長。 81 ◯市長(笹山幸俊君) 谷本議員のご質問に私から数点,お答えを申し上げます。  まず,港湾の関係でございますけれども,長期計画の今後の手順ということでございますが,お話を申し上げてまいっておりますように,相当大規模に港湾関係を取り巻く状況が変わってまいりますので,既に平成元年度から検討懇談会というのと研究会というのが行われております。そういうことで長期計画の中身については,先ほどから申し上げておりますような今後の新しい港湾の機能というものはどうあるべきかということでございます。そういうことで,これが研究会等でまとまりましたら,平成3年度に長期計画検討委員会というのを設置いたしたいと思います。そこで長期計画をまとめる。最終的には港湾審議会というのがございますので,港湾審議会で変更の手続をする,こういうことでございます。しかし,緊急を要するいろんな事業が山積しておりますので,それらのものについては事業化を図っていくという姿勢でいきたいと思っております。  それから,観光客船が──特に観光資源,お話のとおりでございまして,いろんな方々から客船が来ておるのに陸地からはひとつも見えんではないか,こういうお話がたくさん来ております。新港第4突が外航船が入ってくる場所になっておりまして,それぞれ税関機能あるいは出国審査機能,そういったものを持っておるわけでございますけれども,それ以外のところへ行きますと,そういった機能がありませんので非常に難しいんではないか,こう言われております。しかし,中突堤あるいは新港第1,これについては今検討中でございますが,それぞれ客船あるいはクルーズ船──これは国内でございますけれども,こういったものが相当ふえてまいりますんで,これの対応については長期的に新しいそのバースを使っていく必要が出てくるかもしれないということでございます。さしあたり新港第1にクリスタル号が入ったわけですけれども,そういったところからでもというようなご意見も多うございますので,この点は長期計画のいわゆる緊急を要するものの中に入れてひとつ検討させていただきたいと思います。  ただ,あそこの埠頭の上屋──基部にあります上屋,それぞれ現在稼働しておりますんで,この点メリケンパークから見る分はいいんですけれども,第1の裏から,東側から見るのが格好がよくありませんので,その点またいろいろと検討する必要があるんではないか,こう思っております。ご趣旨,十分生かしまして,今後の計画の中に入れていきたいと思います。  それから,ニュータウンのつくり方でございます。特に比較をしていただければおわかりかもしれませんが,西神ニュータウンのつくり方と,今度木津の複合団地のつくり方,あるいはもう1つ前の名谷の団地,これのつくり方,これはちょっと違っておりまして,名谷にしても今度の木津にしましても,埋め立て土砂を搬出するというのが1つ目的がございますので,地形的にできるだけうまく土を取っていく,こういう格好になっております。ですから,相当山を切ってしまうというわけでございますけれども,そういうつくり方と,西神ニュータウンのようにある程度前の池ですね,それから山,そういうものを──それから周辺,これらを相当残しましてつくった団地と,趣が違いますので比較はできないんですが,できるだけ木津の場合でも周辺が緑地でございますし,それとの調和が要りますので,団地の設計の中で緑地あるいは公園を十分取っていく,それが工業団地,産業団地として非常に環境のいい団地になるということでございますので,そういう方向での設計をやっていきたいし,また土砂の搬出の仕方,そういった工法等の問題につきましても十分注意をしてやっていきたい,こう思っております。  まちのデザインその他については,いろいろと見方があるんですけれども,例えば西神ニュータウンのように池をうまく使う,あるいは文化財センターをつくってその周辺をグリーンを確保する,また山もそのまま置いていくとか,こういったいろんな工夫をしながら緑をふやしていく,また保存していく。例えば如意寺なんかも隣接しておりますので,そういうものもひっくるめたような団地の公園をくっつけるとか,こういう工夫を十分今後ともやっていきたい,こう思っております。ご指摘の趣旨,十分体しましてまちづくりをやっていきたいと思います。  (「議長」の声あり) 82 ◯副議長(吉田多喜男君) 田渕助役。 83 ◯助役(田渕栄次君) 私から数点,お答えを申し上げます。  まず,水リサイクルモデル事業についてでございますけれども,六甲アイランドで実施をいたしております水リサイクルモデル事業につきましては,下水処理水を水洗便所用あるいはまた散水等の雑用水として有効利用を図っているものでございます。この事業が成り立つためには,下水処理場に近接した市街地での業務商業ビル,そういったものが集積をしておるということ,またそれらのビルにつきましては上水,いわゆる水道用とそれから雑用水用のいわゆる二重配管と申しますか,そういった二重投資が必要なわけでございます。そういうことで既存のビルにつきましては,新たに雑用水配管を設けるということは事実上非常に困難なわけでございます。そういうことで既成市街地での事業化といったものは困難ではないかというふうに考えております。したがいまして,六甲アイランドのようないわゆる新たなまちづくりの中で,条件が整うところであれば事業化が可能ということでございます。  また,この事業につきましては,渇水対策ということになると思いますし,また公共用水域の放流する量が減少するという意味で水質保全に効果がございます。また,せせらぎなどへの利用によりまして,新しい水辺空間の創造にも役立つというふうに考えております。六甲アイランドの実績を踏まえまして,長期的な視点に立って今後の事業の推進について考えてまいりたいというふうに思います。  次に,下水道公社についてでございますけれども,下水道公社は下水道を取り巻きますさまざまな環境に対応いたしまして,より一層効率的かつきめ細かな事業を進めまして下水道のサービスの向上を図りますとともに,アメニティー下水道事業を推進するため,市と一体となって下水道事業の補完的な業務を行う組織ということで設立をいたしたわけでございます。  平成元年度は,本市からの受託事業として農村下水道整備事業あるいは六甲アイランドの水リサイクルモデル事業の管理運営,そしてまた広報印刷物,そういったものを製作いたしております。元年度の収支につきましては,若干の黒字でございます。2年度は,元年度の事業に加えまして,下水の処理困難地区の整備あるいはまたマンホールポンプの管理であるとか井戸水──井戸の水の検針業務あるいは垂水のスポーツガーデン,ポートアイランドの臨時球技場などの処理場用地の暫定的な利用あるいは上部利用施設の管理運営,こういった本市からの受託事業を行ってまいりたい。それからまた,公社の自主事業として,下水汚泥あるいは焼却灰有効利用製品の販売,こういったことを考えております。  今後の課題でございますけれども,現在の受託事業を中心といたしまして,今後下水道局と公社との役割の分担を踏まえた上で公社のメリットを生かしたいわゆる受託事業の拡大を図っていきますとともに,公社の経営基盤を強化するために新たな収益事業の開拓に力を注いでまいりたい,このように考えております。  次に,交通事業に関します附帯決議の取り組みについてでございますけれども,附帯決議のうち既に実施をいたしたものといたしましては,いわゆる料金暫定期間の延長あるいは徹底した内部経営改善としての無担当車制の導入,そして車両整備率の向上と予備車の見直し,さらに乗務員の接客マナーの向上,そしてバスの走行環境の改善に向けた努力,次に議会との協議機関の設置,こういったことでございます。  残存するものとして現在取り組んでおりますのは,内部経営改善としての70人の削減計画──現在平成2年度の計画に取り組んでおるわけでございますけれども,昭和63年度から平成4年度の5カ年計画となっておりますが,昭和63年度におきましては,観光バス事業の効率化,あるいはまた平成元年度におきましては無担当車制の導入,あるいは車両の出庫率の見直し,そういった点で20人の削減をいたしたわけでございます。平成2年度におきましては,特別ダイヤの実施等につきまして現在交渉を行っておりまして,また特殊勤務手当の整理統合,あるいは秩序ある労使関係の確立について組合と協議を進めておるところでございます。  さらに,行政路線に対する補助制度の確立につきましては,元年度 120系統の新設に当たりまして,一般会計から運行費補助を行っております。今後も個別のケースにつきまして検討をしていきたい,このように考えております。今後とも附帯決議の実現に向けて努力をしてまいりたい,このように考えております。  次に,六甲アイランドにおけるバスの運行でございますけれども,六甲アイランドにおきましては,開発の当初から足の確保につきましては,徒歩で最寄りの新交通システムの駅まで行けるといった街区形成が行われておるわけでございます。住宅を中心とした都市機能用地につきましては,駅からほぼ 500メートル以内ということでございます。島内バスの循環につきましては,その利用が主として各企業の連絡手段ということも考えられますし,乗客需要そのものが非常に少ないんではないかといった見通しでございます。そういうことで採算性で非常に難しいというふうに考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 84 ◯副議長(吉田多喜男君) 緒方助役。 85 ◯助役(緒方 学君) 私から3点,お答え申し上げます。  第1点は,収益好転の理由といたしまして,金利負担の軽減,電力費の軽減があるわけでございますけれども,どれだけ寄与しているかということでございます。企業会計全体の元年度の純利益は76億円の黒字になっておりまして,前年度より44億円増加いたしております。その中で企業債利息の減によるものが10億 1,800万円,電力費の減によるものが1億 3,300万円,合わせまして44億円の26%を占めております。なお,これ以外の要素といたしましては,業務量の増等によるものでございます。  それから,水道事業におきまして,未給水地域対策でございますけれども,現在残っております未普及地区は元年度末で16カ所, 440戸と把握いたしております。これらの地区は,例えば戸数が少ない,あるいは水道施設から離れている,また散在している,それから地形的にご指摘がありましたように高い位置にある,そういうことで流下方式では給水できない,そういうような事情によるものでございますけれども,未普及地区解消には大変必要な経費がかかるわけでございまして,要望のある地区に対しましてはいろいろと協議をいたしておりまして,ただその協議に時間が非常にかかっているというのが現状でございます。地元負担を軽減するという観点から,施設整備に要する費用の2分の1を市が負担する制度を導入いたしております。また,低利の融資制度を実施しておりまして,これまでも融資限度額や利率を改善してまいっております。未普及地区の解消は水道事業の重要課題の1つでございますので,今後とも地元の意向を酌みながら解消に努めてまいりたいと考えております。  それから,水道事業の2番目でございますが,水道料金等が高いということに対する広報活動をもっと積極的にというご質問かと思います。もちろん行政と住民の間に信頼感と親近感を確立するために広報が果たす役割は大変大事なわけでございまして,そのためにタイムリーな時期に対象に応じた手法で情報を提供していくことが肝要だと考えております。水道事業では,日ごろから広報紙こうべ,それから各種の見学会や懇談会あるいは広報映画・ビデオの貸し出し,水の科学博物館での啓発等々,各種メディアを通じまして積極的に広報活動を行ってきているつもりでございます。しかしながら,ご指摘のように料金の問題につきましてはなお十分ご理解をいただいていない向きもありますので,従来の広報をさらに進めるとともに,例えば漫画などを盛り込んだ親しみやすいといいますか,そういう冊子なども新しい手法として考えまして,より積極的に広報を行いまして市民のご理解を得ていきたい,そういうふうに考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 86 ◯副議長(吉田多喜男君) 脇港湾局長。 87 ◯港湾局長(脇 茂行君) 須磨ヨットハーバーの拡充につきまして,お答えいたします。  須磨港につきましては,漁業基地でもありますことから,収容隻数につきましておのずから制約がございます。ただ,最近の市民の海洋性レクリエーションに対するニーズの増加に伴い,神戸港全体でのプレジャーボートの受け入れ体制が必要となってきております。これにつきましては,長田港あるいは苅藻島地区,こういったところも含めまして神戸港全体で対応すべき問題でございますので,須磨ヨットハーバーの収容隻数増につきましてもその中で対応したいと考えております。  また,須磨ヨットハーバーでは,昭和53年の開設以来,管理棟に設けております集会室を休憩用の場所として提供しておりまして,ある程度のレストハウス的な機能は果たしてきたものと考えております。ただ,最近民間はもちろんのこと,公共のヨットハーバーにおいてもレストハウスなどが施設面でかなり充実したものができてきております。須磨ヨットハーバーにつきましても,利用者の声を聞き,協力を得ながら前向きに検討をしていきたいと考えております。  (「議長」の声あり) 88 ◯副議長(吉田多喜男君) 柏原交通局長。 89 ◯交通局長(柏原英通君) オリックス対応についての乗り継ぎ切符を考えてはどうか,こういうことについてお答えいたします。  まず,オリックスに関する乗客輸送に関しましては万全を期したいと思っております。ただ,このご提案のJRあるいは私鉄各社との乗り継ぎ切符の発売につきましては,現在券売あるいは改収札の方法が大部分機械化されておりますので,これの改造に相当な費用と時間が要るんではないか,そういうふうに考えておりまして,各社との協議もしたがって非常に難しく,時間もかかると思います。しかし,乗客サービスのためでもございますので,ぜひ働きかけてみたいと思います。  (「議長10番」の声あり) 90 ◯副議長(吉田多喜男君) 10番谷本徳太郎君。 91 ◯10番(谷本徳太郎君) 全項にわたってご答弁をいただいたわけでありますが,2~3再質問というよりも要望ということでお願いしたいと思います。  開発手法の関係なんですけれども,実は開発局の業務に近いようなことで土木局,都市計画局,住宅局ということで,それぞれ土砂の移動,そのほか団地造成的な手法をなされておりますが,開発局の手法というのは土取りということがメーンになっておりますんで,どうしても工法そのものが相当大がかりになりますし,緑そのほか造成中の現場を見てまいりますと,相当に広大にわたってある意味では砂漠のような状態になっておるという,そういうような状態もあります。一方,垂水の狩口台の住宅街区の形成等を見ましても──考えますと,土砂を外に出さないという限られた囲いの中で土の移動をしますんで,どうしても無理がある。したがって,同じ神戸市の開発といいますか,街区の造成の手法の中で,局によって結果としてのグレードの差異が生ずるということについては,いろんな意味で問題含みだというように考えますので,先ほどの地球にやさしいということは,逆に市民にやさしいということでもありますんで,ぜひそういうトータルとしての行政をお願いしておきたい,そのように思います。  それから,中水利用の関係については,田渕助役の方から長期的な視点で今後対処するということでありましたが,六甲アイランドと比較的類似性の高い例えばポートアイランドの2期工事だとか,それから新空港の関係とか神戸ワールドというような形で大規模な関係については,早い目に中水の企業サイドから見てのコスト計算ができるようなテーブルをつくることによって推進が可能ではないかな,そのように考えますので,その点についてはよろしくお願いをします。  それから,交通事業の附帯決議の関係については,るる努力をされている経過については承知をいたしておりますが,次回料金改定のときに,この種のことが残存をして問題にならないような努力を最大限お願いをすべきではないかなと思います。  それから,六甲アイランドの循環バスの関係については,経済効果といいますか,いろんな形で当面難しいという見解だと受けとめるわけですけれども,1度島内の関係企業そのほかに対して調査をお願いをして,私どもが肌で感じておる感じとしては,六甲ライナーの乗客増にもなるのではないか,また先行き六甲アイランドの先端部にできますレジャーゾーン等を考えてまいりますと,トータルとして六甲アイランドが相当に観光客の訪れが期待できるのではないか,そんなようなことを想定しますと,現在の状況のままで先行きの見通しを立てるんではなく,1度その辺もひっくるめて調査をお願いできたら,そのように考えます。  あと2点でありますが,先ほどの未給水地域の関係については,実は昨日NHKの関係で,広島の関係で,いわゆるここと似たような状況だと思うんですけれども,市の正式な公共上水が入ってないというところで,病原菌から集団的なそういう状況の下痢状態が発生したということがありますんで,やはり確かにいろんな問題があるにしても16カ所, 440戸の市民に対して,やはり神戸市としての各種の問題を,経済的にはいろいろ問題がありますけれども,トータルとしての行政という立場からぜひその辺個人負担の軽減策について今後ともご努力をお願いしたいと思います。  最後でありますが,水道料金の関係については,先ほどの受けとめとしては,漫画そのほかということでありますが,PRということが不足しておるというようには考えていないわけですけれども,PRというのはややともすると行政から片道だけで,一般市民の方がどのように理解をされたかということについての把握,掌握はできておらないわけでありますんで,ぜひその意味では,今後区政といいますか区役所の機能等もひっくるめて,各種の機会をとらまえて,神戸の水道のコスト構成のあり方等も含めてご説明をいただく努力を粘り強くお願いしたい,そのように考えます。  以上であります。 92 ◯副議長(吉田多喜男君) ただいま谷本徳太郎君の発言の中に5点の発言がありましたけれども,要望というふうに受け取ってよろしいでしょうか。 93 ◯10番(谷本徳太郎君) はい,ありがとうございます。結構です。  ────────────────── 94 ◯副議長(吉田多喜男君) それでは,谷本徳太郎君の質問は終わりました。  この際10分間休憩をいたします。   (午後3時32分休憩)   (午後3時52分再開)  ──────────────────  (島田議長議長席に着く) 95 ◯議長(島田五三郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  直ちに議事に入ります。  この際,申し上げます。  本日は議事の都合によりあらかじめ会議時間を延長いたします。  休憩前に引き続き公営企業会計決算並びに関連議案に対する質疑を続行いたします。  31番岩城修吉君。  (31番岩城修吉君登壇)(拍手) 96 ◯31番(岩城修吉君) 私は,日本共産党議員団を代表いたしまして,平成元年度公営企業決算について,質問をいたします。  平成元年度は,我が党が一貫して反対してきた消費税が導入され,市民生活は多大な被害を受けるとともに企業会計全般に大きな影響があらわれております。支払い消費税額は下水道事業で1億 100万円,病院事業で 2,100万円,バス事業2億 5,900万円,高速鉄道1億 5,500万円,水道,工業用水道で4億 6,600万円など,合計で9億 6,000万円余にもなり,事業執行にも大きな支障を来しています。  企業会計決算全体では高速鉄道事業の37億 7,000万円,病院会計1億 9,000万円の赤字を除いて,その他の会計では,単年度黒字を計上し,累積欠損も減らしています。これは経済情勢の好転,金利の低下や電力料金の引き下げなど外部的要因もありますが,料金値上げによるところも大きく,なお各企業の内部努力によるもので関係職員の努力を評価するものであります。  まず,全般にわたる問題としてお伺いをいたします。  先ほどの質疑で,公営企業に対する一般会計からの繰り入れによって市民負担の軽減を図られたい旨の質疑もありました。昨年の市長選挙以降,市民の間においても公共料金をめぐって議論が高まっております。先般より公共料金のあり方,見直しの検討が始まり,喜ばしいことではありますが,市民にとって公共料金の中で最も日常的に生活に直結している上下水道料金や市バス,地下鉄運賃などについても,この際当然検討すべきではないでしょうか,この点についてお伺いをいたします。  次に,下水道事業についてお伺いいたします。  当年度は,第6次下水道整備5カ年計画の第4年次として,西神・北神地域を中心にして下水道整備が進められ,人口普及率は95.5%,中でも市街化区域では98.2%まで進み,決算では当年度純利益17億 4,000万円,前年度繰越利益剰余金15億 2,400万円を加え32億 6,400万円余と,当初計画を大幅に上回る黒字決算になっています。この背景には料金の値上げ,使用水量の増加,電気料金の値下げあるいは経費節減等の外部環境の好転があり,また内部経営の努力によるものであります。  一方,前年に引き続いて,当年も国庫補助金が7億 9,000万円もカットされています。また,指定都市への国庫補助金は補助対象や補助率で一般市町村よりかなり低い状況に置かれています。今後の本市の下水道整備は北神や西神あるいは市街化調整区域など非常に投資効率の悪い区域が中心になり,国庫補助率の回復,引き上げを求めることは極めて重要な課題であります。各都市とも協力して強く国に対して働きかけていただきたいのであります。いかがでしょうか。  市民の間には,今非常に高い現料金に対する不満があります。それは資本費を料金に組み入れ,その比率を引き上げてきたことに原因があります。我が党が主張してきたように市民負担の軽減のため,これは先ほど質疑もありましたが,やはり一般会計からの繰り入れをふやすべきではないかと考えます。いかがでしょうか。  次に,港湾事業についてであります。  当年度の神戸港の港勢は,入港船舶数で隻数,総トン数とも増加し,取扱貨物量は輸出入貨物とともに増加,とりわけ輸出貨物量の大幅増によって総取扱貨物量は過去最高となり,その内容は一層の船舶の大型化とコンテナ化がうかがえます。決算では業務量の増加に伴う収入増により,純利益は1億 9,000万円余となっています。  神戸市は港とともに発展してきましたが,近年アジアNIES諸港や国内諸港の施設整備により,港間競争は一層激しくなっています。神戸市においても,近代的港湾施設の整備を促進する上で,資本的収支不足を一般会計からの繰り入れによる努力を毎年行ってきました。当年度の一般会計からの繰り入れは48億 9,800万円余であり,過去3年間だけを見ても,その合計金額は 143億 8,000万円余と多額の繰り入れが行われています。  全市における港湾関連依存産業のシェアを見ると,労働者数では昭和54年に12万 1,000人で20%のシェアを占めていたのが,59年では10万 9,000人で17.3%と低下し,所得面では54年1兆 934億円,40%のシェアを占めていたのが,59年では1兆 3,179億円,38.8%に低下し,年々減少の方向をたどっています。港を利用しての神戸産業の振興,とりわけ市民生活の向上にどう役立てるかについてお聞かせください。  また,港湾運送業で直接雇用されている労働者は,最盛期1万 7,000人が最近では 6,500人にまで減っています。近代化の中で系列化も強まり,中小港運業も淘汰され,はしけも最盛時 800数十隻あったものが,今年度には 380隻と 500隻も減っています。  また,港を利用する大手荷主・メーカーによって,認可料金である港運料金を無視してのダンピングが強要されていると聞きます。近代化によるメリットは,これら大手荷主や大手メーカーがその多くを吸収しているのではないでしょうか。そこでまず,ダンピング防止の対策を講じられたいのであります。そして,近代化でメリットを受けている荷主からの拠出金を取り,その基金で中小企業対策や労働者対策をとっていただきたいのであります。既にはしけ買い上げでは,コンテナに賦課金をかけていますが,このような制度の創設を国に働きかけていただきたいのであります。いかがでしょうか。  次に,物流センターについてでありますが,先ほどの質問者に対して市長は「東京,大阪と違うやり方で,神戸市独自のものを考えたい。海からの物流,また空からの物流を考慮して総合的に検討し,そして早く位置,規模を決めたい。」と答弁されました。私は,その前提として第1に中小港運業者が十分に利用でき,発展につながるもの,また労働者の雇用の促進に役立つものとしてぜひ検討していただきたいのであります。業界の検討待ちではなく,神戸市が積極的にその役割を果たす必要があると考えますが,いかがでしょうか。  次に,開発事業についてお伺いをいたします。  開発事業の決算は,昨年に引き続いて西神住宅団地,西神第2工業団地,六甲アイランドなど大量の土地の売却処分によって,過去最高の63億円余の純利益を計上しています。今日異常な土地の値上がりの中で,西神ニュータウン等において神戸市が行う宅地分譲は,原価主義に基づく処分価格により民間価格より大幅に安いため,申し込みが殺到し, 100倍もの倍率になっています。  しかし,1平方メートル当たりの単価が14万 5,000円から15万円強で,1区画は 220平方メートルがその多くを占め,土地代で約 3,200万円から 3,500万円となり,これに家を建てると 5,000万円から 6,000万円かかる計算になります。住宅を持っていない庶民には到底手が出ず,勢いその申し込み者の多くは高額所得者か,既に住宅を持っている市民の申し込みになっています。中には投機目的の購入にさえなっているものもあると聞いています。住宅に困窮する国民への住宅の供給を目的とした新住法の趣旨から大きくかけ離れたものになっています。  こういう事態の解消のため一般市民が購入することのできる区画面積の縮小や,安価な中高層分譲住宅の建設を進めていただきたいのであります。また,抽せんに当たっては,申し込み者の実情を把握し,その必要度に応じた優先枠などを検討すべきではないでしょうか,お伺いをいたします。  西神ニュータウンの計画戸数は1万 6,400戸で,人口6万 1,000人に対して,当年で約半数の人が既に生活をしていますが,公営の賃貸住宅は市営住宅のわずか 210戸だけであります。今後,新開発地での神戸市が行う住宅建設に当たっては,住宅困窮者や庶民への配慮として,市営住宅や賃貸の公社住宅の割合を広げられたいのでありますが,いかがでしょうか。  病院事業会計についてお尋ねいたします。  当年度の病院事業の決算は,年間 150万人に上る患者の治療を行い,治療内容の高度化などによる増収があったにもかかわらず,経費の増や 2,100万円に上る消費税の支払いなど,収益を上回る費用の増加によって1億 9,000万円余の純損失を計上しています。当年度は63年に引き続いて高度医療機器等の整備を全病院で進め,診療の上からもその威力が発揮された年でもあります。  そこで,これらの高度医療と特殊あるいは救急など不採算部門の決算について伺います。これら不採算部門に対する国や県の補助は極めて少なく,財政的にも圧迫を余儀なくされています。元年度決算で救命・救急センターの事業費は9億 7,000万円,特殊医療6億 4,100万円,高度医療7億 3,400万円で,合計23億 5,500万円余であります。医療収入はこの3部門で10億 6,500万円余で,国・県の補助はわずか 9,960万円であり,不足分11億 8,100万円を一般会計からの補助で賄っているのであります。公的病院として市民の要求にこたえるためにも,この不採算部門の医療は今後とも拡充が必要であります。  例えば元年度から稼働したMRIは,市民の命を守る上からもその機能の優秀性からも増設の声が高まっています。しかし,現状は積極的にやればやるほど赤字が増大し,一般会計からの繰り入れをふやさざるを得なくなっています。余りにも低い国・県の補助金の増額をもっと強く要求すべきではないでしょうか,伺います。  次に,診療報酬の改定により高度医療機関としての機能の積極的活用のため,在院日数をより短縮することが進められています。現在中央市民病院での在院日数は27.5日,西市民病院で33.5日となっています。一方当該病棟においての3カ月平均在院日数が20日以内が承認要件となっている,いわゆる特3類看護の承認を受けているのは中央市民でほぼ半数の病床まで拡大され,西市民で約20%の病床となり,さらに拡大の方向が示されております。今でも市民病院で治療半ばで退院させられた話を仄聞いたします。実際に転院先を探してほしいという相談もよく持ち込まれます。受皿がないまま早期退院になれば,その患者家族の負担は大変であります。今市民が強く願うことは,効率性を求めることではなく,より親切な診療であります。そのための対策をどうとられているのか,お伺いをいたします。  次に,自動車事業についてであります。  自動車事業会計の当年度決算では,料金改定の実施,乗客人員の増加による収益の伸びとバス車両数の削減,11名の職員減に見られるように一層の厳しい合理化のもと,消費税2億 5,900万円余の納税後も当年度純利益6億 7,700億円を計上し,昨年に引き続いて赤字基調を維持しています。料金改定による乗客の逸走が予想されていたにもかかわらず乗客人員は1日 3,832名の増と,昨年に引き続いて増員であります。当事業における長いトンネルを出てきた感がするわけであります。これは要望の強い路線の新設,路線延長等の積極的な取り組みと終始発時刻の延長など乗客サービスの向上の結果もたらされたものであります。  さらに,乗客増を図るために多くの市民要求にこたえ,きめの細かいサービスの向上に取り組まれたいのであります。今全市で路線の新設や増設要望は30件を超え,非常に切実なものになっています。陸の孤島とも言われている西区桜が丘や秋葉台から地下鉄西神中央への路線などもその1つであります。西北神での路線の新設は,民間バス会社のエリアとの関係がありますが,住民の立場に立って強く折衝もしていただきたいのであります。いかがでしょうか。  また,以前からも改善の要求がありますが,JR神戸駅山側のバスターミナルは一たん地下道に入らなければバスに乗ることができないなどまことに不合理であります。早期に改善されたいのでありますが,いかがでしょうか。
     次に,バス事業の職員は,最高時に比べて 723名の職員が減らされ,この3年間だけでも14名の減員となっています。一方,1日当たりの走行キロは62年度で5万 7,642キロ,元年度は6万 377キロと,この3年間で 2,735キロも増大しています。今日のバスダイヤを維持するために職員の公休出勤や超過勤務によって体制が保たれ,現状でも約80名の人員不足と言われています。しかも,超勤,過勤を前提にしてダイヤが組まれているところにも問題があります。こうした問題は乗客の安全,市民サービスの低下につながることであり,公営交通としてのあり方が問われる問題でもあります。市民の要求にこたえ,必要なところには人もふやし,車両もふやすよう対応されたいのであります。この点についてはいかがでございましょうか。  以上,質問を終わります。(拍手)  (「議長」の声あり) 97 ◯議長(島田五三郎君) 笹山市長。 98 ◯市長(笹山幸俊君) 岩城議員のご質問にお答えを申し上げます。  まず,港湾事業でございますが,神戸港の港湾が受け持つ役割といいますか,これについて少し──それに比べて繰り入れが多いんではないか,こういうご指摘だと思いますが,港湾に対しまして先ほどもちょっと申し上げたんですが,一般会計から繰り入れておりますのはいわゆる社会資本といいますか,防波堤とか岸壁施設といった施設の費用でございまして,いわゆる公共港湾施設と言っておりますが,余り比較にならんかもしれませんけれども道路と同じでございまして,これは企業会計になっておりますが,一般会計でやる場合と同じでして,裏負担ということでございます。ですから,工事費といいますか施設費でございますから,直接神戸産業の振興なりに響くという内容で,そこへ使うというわけではございません。  ただ,これを使う方々のためにいいものをつくろうというのは,確かに私どもが考えておることでございますので,そういう意味での一般会計からの繰り入れ──ルールによってやっていくということでございますから,これは一般会計から入れるということは,会計が違いますので──といいますのは,地方交付税なりの算定基準になっているので,どうしてもそういう格好になるということでございます。ですから,全体的に見て港湾の施設が陳腐化していくわけでございますので,これは絶えず整備をしていくということが必要になってまいります。  特にこれが神戸経済あるいは市民のためになっておるかということでございますけれども,ご指摘がございましたように確かに神戸市内の純生産で4割を切っております。それから,いわゆる就業者も2割を切った,こういうことでございますが,これは神戸港のこのシェアというのは非常にもともと高い率でございます。ですから,神戸経済にとってはこの港湾関連産業から発生する,こういった問題については非常に高率であると思っております。ですから,雇用所得の面でも非常に高い率を占めております。  ですから,今までが非常に高かったということでございますので,いわゆる構造が変わってきたということでございますので,減ったからその分それだけの投資は要らんではないかということではございませんで,その投資によってほかの面でそれの効果が発揮されておる,こうお考えをいただきたいと思います。  また,市民生活に直接どうかということでございますけれども,今までは港湾というのは物が動くだけあるいは船が動くだけ,こういうことだったんですけれども,最近はご承知のように港湾局自身も公園をつくったりして,市民に直接接触をする,こういうことの仕事が進んでまいりましたんで,今後そういう意味も含めまして,港湾局は企業と船とだけを相手にするんじゃなしに,一般の市民を相手にするということが実施されてまいりましたので,その方向では一般会計を多少使ってもいいんじゃないか,こういう気もいたしております。  そういうことで,この社会資本の充実が神戸の経済を支えていただく基盤づくりの一助だ,こう思っておりますし,また港で働く皆さん方にとってのいわゆる環境づくりといいますか,そういう一助にもなる,こう思っておりますので,この港湾施設あるいはそれを取り巻く周辺の環境整備については力を入れていきたい,こう思っております。  それから,流通センターの件ですが,内容はもう既にご承知のとおりでございますが,これはいろいろまだ制度ができたいきさつ等もあって,建設運営の主体はいわゆる港湾関係の業界ということになっております。ですから,皆さん方の意見を聞いて,どれぐらいの規模でどれぐらいの内容でやるんだと,中身はどうだと,こういう議論が実は今されておるところでございます。ですから,一般的に東京都の例を申し上げましたけれども,そういった形と──少し固定的に考えずに,いつも申し上げておりますような神戸港らしいというんですか,そういう特色のあるようなセンターというものはないのかということでございます。  といいますのは,例えば上屋等でございますから,収容しやすいようなもの,あるいはそういうことで雇用促進になる仕事をやるということでございますから,中身によっては働く人がたくさん要るという中身もあると思いますので,これを考え出そうというのが先ほど申し上げましたような,神戸らしいといいますか,特色のある,また変わった方法を考えたいという意味でございます。そういうことで,ただ倉庫をつくって,そこで展示をしたり,加工したりと,そういうことだけではなしに,例えば一般の方々でもその流通センターに行って見学できるような内容のものはないかとか,こういうことを申し上げておるわけでございます。  そういうことで,ひとつ雇用促進その他にも寄与できると確信いたしておりますので,早急に関係者を呼びまして早く計画を煮詰めたい,こう思います。  あとの問題につきましては助役等から説明申し上げます。  (「議長」の声あり) 99 ◯議長(島田五三郎君) 田渕助役。 100 ◯助役(田渕栄次君) 私から数点にわたりましてお答えを申し上げます。  まず,下水道事業における国の補助率についてでございますけれども,昭和60年度から順次実施されております補助率のカットにつきましては,これまでも神戸市独自はもちろんのこと,他都市とも連係を保ちながら,その復元に向けまして要求をしてまいったわけでございます。平成3年度には昭和61年度水準にまで一部復元するという見込みになってございます。自治省もさらに完全復元に向けて大蔵省をはじめ関係省庁に対して申し入れを行っております。  本市といたしましてもより一層の財源確保を図るために,補助率の完全復元及び補助採択基準の緩和等につきまして,引き続き他都市との連係を一層強めまして,あらゆる機会を通じて国に対して働きかけていきたいというふうに考えております。  次に,下水道料金についてでございますけれども,汚水にかかる一般会計からの繰り入れにつきましては,地方公営企業法に基づくもの以外に,現在一般排水にかかる資本費の60%相当分を繰り入れいたしております。  この負担区分につきましては,昭和61年に神戸市上下水道事業審議会により出されました答申の中で最終的には雨水公費,汚水私費の原則に到達することを目標としつつ,社会経済あるいは他都市の動向,一般会計の状況等を総合的に勘案し,市民の理解を得ながら,段階的に負担区分の変更を図るべきであるということでございます。当面は50%相当が妥当であるとの考え方が示されております。現行の使用料体系の中では激変緩和のために資本費の負担区分は40%ということにいたしております。  繰入額の増額につきましては,一般会計負担かあるいは市民の税負担ということをも意味するわけでございます。そういうことで,市民のトータルな負担は変わらないといった面もあるわけでございますので,慎重に対応してまいりたいというふうに考えております。  次に,バス路線の新設の問題でございますけれども,西北神での路線新設につきましては民営バスとの権益調整が必要な案件が非常に多うございます。住民の利便の向上を図るという観点に立って,関係者と積極的に協議を進めてまいったところでございます。例えば桜が丘や秋葉台については神姫バスあるいは神姫ゾーンバスの営業のエリアでもございますが,近い将来西神1号線の開通も計画をされております。周辺の環境も変化をいたしますので,ご指摘のとおり今後とも積極的に交渉をしてまいりたいというふうに考えております。  次に,JR神戸駅の横断歩道についてでございますけれども,ご承知のとおりあのバスターミナルは八角形という形になっておりまして,中心部が乗降場所で,外側がロータリー状の車道という形になっております。地下道を利用するというのが設計になっておるわけでございまして,平面的にはターミナルの北側に信号機のある横断歩道がございます。南側には横断歩道を設置するということでは,バスの運行車両といいますか運行回数が1日に 900回という状況でございまして,交通安全とか危険防止といった観点から警察も認めないという状況でございます。いわゆるバス停の前後では横断歩道を認めないということでございますけれども,ご指摘のとおりいわゆる市民のあの状況を見ますと,市民のあるいは利便性といいますか,そういった面ではご指摘のとおりでございます。ご説明申し上げましたとおり非常に難しい状況にあるわけでございますけれども,いま一度関係機関で協議をしてみたい,このように考えております。  次に,バス事業についての人員・車両の増強についてでございますけれども,現在まで2度にわたる再建計画を終了いたしまして,現在赤字体質の改善を進めておるところでございます。今後とも労使双方で不断の努力をしていかなければならないわけでございますが,一方では西北神を主として新しく開発された団地における路線の新設増強,インナー地区でのバス路線の増強につきましても要請を受けておるわけでございます。  こういった中でございますけれども,何と申しましても経営改善努力といったものも重要でございます。したがいまして,こういう経営改善努力を踏まえた上で必要な人員とか車両につきましては,やはり手当てをしていかなければならないのではないかというふうに考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 101 ◯議長(島田五三郎君) 緒方助役。 102 ◯助役(緒方 学君) 私から3点にわたりましてお答え申し上げます。  第1点でございますけれども,公共料金のあり方,見直しの中で,上下水道料金や市バス,地下鉄運賃などを検討したらどうかということでございますけれども,ご承知のように市会の先生方,学識経験者そして市民の方々によります行財政調査委員会がこの7月に発足をいたしております。市政の中長期的運営の基本的事項や,公共料金のあり方につきましてご審議願っているところでございます。  公共料金につきましては,いろいろと多岐にわたっておるわけでございまして,他都市との比較,受益者負担の度合い等いろいろ公共性,公平性の観点から検証を進めていただいております。  ご指摘の公営企業料金でございますけれども,それぞれ地方公営企業法等によりまして一定のルールがございます。そしてまた,それぞれ専任の審議会等が設置されておりますので,当行財政調査委員会といたしましては,これら料金の基本的な考え方あるいは原則といいますか,そういうものをご議論するようなことはあるかもしれませんけれども,個々具体的につきましてはそれぞれの設置されております審議会等にゆだねる方がいいんじゃないか,そういうふうに考えております。  それから,港湾事業におきます中小企業対策と労働者対策でございますけれども,港運料金のダンピング問題につきましては,料金が国の認可事項でございます。監督官庁であります運輸省が随時監査を行い,これに基づいて指導を行っている状況にあります。また,業界側も自主的に料金収受の適正化に取り組んでおります。市といたしまして改善状況を見守りながら,運輸省や業界からの要請があれば,ダンピング防止のためできる限りの協力をしてまいりたい,そういうふうに考えております。  また,基金創設の件でございますけれども,類似の制度といたしまして既に港湾労働者の福利厚生のための施策の財源といたしまして荷主から貨物量に応じて拠出金を取る制度がありまして,日本港運協会が運営をいたしております。ご指摘のような基金の創設につきましては,基本的には業界の取り組みいかんにかかっているかと思いますが,本市といたしましてもその動きを見ながら国への働きかけ等,協力できることがあれば対応してまいりたい,このように考えております。  それから,開発事業でございますけれども,公営住宅の割合をふやしてはどうかというご指摘でございます。西神ニュータウンの西神住宅団地では,計画戸数1万 6,400戸のうちご指摘がありましたように賃貸住宅が 210戸でございます。ただ,神戸研究学園都市にまいりますと,計画戸数 5,640戸のうち 1,920戸ということになっております。この2つを合わせますと全体として 2,130戸になるわけでございます。  そういうことが示しておりますように,それぞれの団地によりましてその団地の特性といいますか,そういうこともあるでしょうし,それから開発された時期,分譲された時期,そういうものもあるでしょうし,最近では地価高騰等の影響で賃貸住宅のニーズが非常に高まっておる状況にあるわけでございますので,今後とも市民ニーズあるいは経済社会情勢等の変化を見きわめながら,賃貸住宅の導入につきまして対応してまいりたい,そういうふうに考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 103 ◯議長(島田五三郎君) 小川助役。 104 ◯助役(小川卓海君) 病院事業につきましてお答え申し上げます。  ご指摘のように高度医療,特殊医療,救急部門など極めて不採算な部門について,国・県に対して従来から手厚い補助ということを要求しておるわけでございますけれども,なかなか国・県の壁厚く,いまだに満足に至っておりません。  具体的に数字を上げてのご指摘でございますけれども,繰り返すことになりますが,例えば救急医療で年間9億 7,000万円投じておりますけれども,医療費としての収入は約半分の4億 8,000万円でございます。数字でご説明ございましたようにこれに対する国及び県の補助金はわずか 6,400万円,ということは 6.5%程度の実質的な補助でございます。あらゆる機会をとらえまして,国に対して各年度の予算要求時はもちろん平常から自治体病院協議会等を通じて要求しておりますし,県レベルには,事務レベルではもちろん県議会の先生方と市議会の先生方との予算に関する要望いわゆるオール神戸会等を通じて毎年努力していただいておりますけれども,県の場合は国の随伴補助ということで自主的にこの額をさわるということはできないというのが県の言い分ございます。  国の方は,医療費で賄うのが原則であって例外的な経費について補助する。したがいまして,神戸中央市民病院の救急救命センターのように年間3万人以上取り扱う救急センターも, 2,000~ 3,000件しか扱わないような救急センターも補助額としては全く同一でございます。大きな矛盾がございますので,この点も要求の中に織り込んで,毎年努力しておりますけれども,なかなか思うようにまいりません。  ただ,補助の実質的な額のアップにつきましては,昨年度も9%アップを見られたわけでございます。一般の人件費の高騰あるいは物価の高騰に比較いたしますとアップ率は高いわけでございますけれども,もともとのベースが極めて低いので,実感としては増額になったという感じが持てないのが残念でございます。  いずれにいたしましても,従来に引き続いて国・県に対して救急・救命センターの医療費はもちろん臨床研修費あるいは特殊診療部門についての要求を粘り強くやっていきたいと思いますので,議会の先生方のご指導,ご協力もあわせてお願いいたします。  それから,在院日数の問題で,特に完全にまだ退院するような状況でないのに退院させられるというような──病院の経営上の理由でそういうことがなされているんではないか,こういうご指摘でございますけれども,中央市民病院あるいは西市民病院にいたしましても,市民病院の役割としましてやはりできるだけたくさんの市民の皆さん,患者の皆さんに高度な医療を享受していただきたいというのが病院の経営の本旨でございます。  特に中央市民病院に関しましては,急性期の患者をできるだけ早く治療申し上げて,早期に治療申し上げて早期に社会に復帰していただく,こういう考え方で従来から病院の運営をいたしております。決してまだ退院できないような状態で──次の転院先も紹介しないままで退院していただくというようなことはございません。それぞれの医師の専門的な判断で他の病院への紹介転院,それから自宅への退院などをお願いしておるわけでございます。  ちなみに,昨年もケースワーカーを1名増員いたしまして,総数にいたしますと 167人の──これは中央市民病院の例でございますけれども,ケースワーカーを通じて最も適した次の病院への転院をお願いいたしましたし,さらにケースワーカーを通じないでドクター同士の間でも 376名の転院ということで,病気の症状に応じて次の段階に転院していただくという基本的な考え方でやっております。  ご指摘のように中央市民病院も西市民病院も,神戸市民病院は公的病院としてやはりより親切で温か味のある病院でなければならない,こういう基本的な哲学のもとに院長以下病院を経営いたしております。決してまだ退院ができないような患者さんを無理やりにというようなことは絶対にないということをご理解いただきたいと思います。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 105 ◯議長(島田五三郎君) 宮永開発局長。 106 ◯開発局長(宮永清一君) 宅地分譲の優先枠についてお答え申し上げたいと思います。  宅地分譲といいますか宅地造成につきましては,従来からご指摘のように区画をできるだけ法律の範囲内で小さくしたりいろいろ努力をしているわけでございまして,処分につきましても公募という形でやっているわけでございまして,ご指摘の優先枠ということにつきましては技術的な問題もございまして,非常に難しい問題ではないかと考えております。  開発事業といたしましては,今後ともいろいろな住ニーズがございますので,それに対応したいろんなもの,いろんな供給主体を使いまして工夫をしながら多種多様な住宅の供給,こういう形で進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。  (「議長31番」の声あり) 107 ◯議長(島田五三郎君) 31番岩城修吉君。 108 ◯31番(岩城修吉君) 細かい点につきましては後ほど開かれます特別委員会でお聞きをしたいと思いますが,3点,再質問をさせていただきたいと思います。  その前に私の先ほどの質問の中でも自動車事業会計の中で,「昨年に引き続いて黒字基調を維持している。」というところを「赤字基調を維持している。」と,こういうふうに申し上げましたので,これは訂正をしておきたいと思います。  それでは,まず初めに公共料金の問題であります。今,助役が言われたわけでありますけれども,公営企業に関する料金問題等については,確かに審議会が設置をされて,そこで検討がされています。しかし,問題は──これは過去の例を多く見た場合,この審議会では料金の値上げについての審議がその多くであった,こういうふうに思うわけであります。  私が質問をいたしましたのは,公営企業の公共料金を含め,やはりすべての市民生活にかかわる料金についてのあり方や,あるいは見直しを網羅的にといいますか,全般にわたって今やはり行う必要があるんじゃないか,こういうことを申し上げたわけで,その中では例えば他都市と比較をしてもやはり料金の格差が非常に大きいというものもあるわけでありますし,そういう点についてもう一度──すべての公共料金のあり方について見直していくということについてもう一度お伺いをしておきたいというふうに思います。  それと,港湾についてお伺いをしたいと思うんですが,笹山市長が市長になられて初めての公営企業決算でもあります。そこで,先ほども申しましたように神戸港は港とともに発展をしてきました。その港としての地位というのはやはり国際的にもアジアにおけるマザーポートとしての役割を今日まで果たしてまいりましたし,あるいは日本を代表する,こういう港であるわけです。したがって,やはり常に──例えば国内であれば横浜を抑えてその先端を行く,こういうふうなことであったんではないか,そのためには常にやはり神戸港というのは国内においてはトップでなければならない,こういうことで今日まで港湾事業を進めてきたんではないか。そのためにやはり神戸市も財政が非常に苦しい中でも多額の繰り入れを行わざるを得ない,こういう歴史があるんではないか,こういうふうに思うわけです。  先ほども申しましたようにそういうふうな形で,以前は投資をする資本がやはり市民に対して非常に大きな影響を与えてきましたし,やはり神戸市の経済の発展のためにも大きな影響を与えてきた,こういうふうに思うわけです。しかし,先ほど言いましたようにこれはやはり市民生活の上にはだんだんとそのメリットというのが低くなってきたというふうに私は思うわけです。  基本的な問題になりますけれども,そういう状況の中で今日まで長年にわたって前市長もずっとやってこられたわけですけれども,やはり神戸港の位置といいますか,あり方といいますかということについて,将来もこういう形で続けていかれるのかどうか,基本的な問題ですけれども,もう一度お伺いしておきたいなというふうに思います。  もう1つは開発の関係です。神戸市の行う宅地の分譲問題についてでありますけれども,今年度の予算では市民への優先枠あるいは区画の縮小等が進められている,こういう予算が組まれたわけです。しかし,現状は神戸市が行う分譲に当たると,それだけで一般の販売価格に比べて 2,000万から 3,000万もの得をした,まるで宝くじに当たるようなものだ,こういうことがやっぱり言われているわけです。やはりそれでは困るわけでありまして,例えばことし春,須磨区の横尾でこれは開発局直接ではありませんが,公社が建て売り住宅を分譲しました。何と 1,500倍を超える応募がありました。ところが,実際にはそれだけの応募がありながら,その建物を見にきた人は非常に少ない。多くの人はとにかく当たればもうけだということで申し込みをする,現場を見ない,こういうふうなことが実際にあるわけです。そういうことを考えた場合,やはり本当に住宅に困っている市民に対する対策はどうしても必要ではないだろうかというふうに私は思うわけでありますけれども,その辺について再度お答えを願いたいと思います。  以上です。  (「議長」の声あり) 109 ◯議長(島田五三郎君) 笹山市長。 110 ◯市長(笹山幸俊君) ただいまのご質問にお答えを申し上げます。  公共料金すべてについて検討したらどうかということでございますが,これはそういうつもりで実はやっておるんです。これは今後検討委員会の中でたくさんの問題点が出てくるわけです。あらゆる料金の話が出てまいりますので,その中でその考え方を整理していただくというのが今回の目的でございまして,それを各専任の審議会でやるということでございますから,例えば料金の値上げのために審議会をやっているというお言葉でございましたけれども,今回もしそういう議論が出て,値下げの議案が出るかもしれないということもあるわけでございますから,この点はひとつご理解をいただいておかないと,審議会がいつもそういうことばっかしやっているんかと,こう言われますと困りますので,その辺ご理解をいただいておきたいと思います。  それから,港湾の問題ですけれども,これは非常に重大な問題なんですけれども,神戸港というのは日本を代表する港でございます。それから,世界的にも重要な港でございますから,運輸省は──国としてはどうしても力を入れるというのは当然のことでございます。  神戸港はそういうことでこれをそのままほっといたらどうなるか──先ほどの議論と同じになるんですけれども,ほっといていいという議論はないと思っております。といいますのは,例えば港間競争が非常に激しいと,言葉では非常に簡単に言っておりますけれども,1つの航路の船が例えば大阪へ入る──神戸は何もしてくれないから大阪へ入りますと,これは自由なんですね。ですから,それで神戸港に船が入らないということは,今の状態で港のいわゆる機能を──これがだんだん神戸港は減ってくるわけです。今でこそ世界的にも機能的にも日本の最上位にあるわけですね。それをそのままとめるということは,他の港がどんどんよくなっていくわけです。ですから,神戸港は陳腐化していくということになります。それをあえて申し上げましたら,そういうことで何も手をかけないでおくということは,施設の面はそうですし,サービスもそうです。ですから,じゃあ横浜に行きましょうか,こういうことになります。  といいますのは,いわゆる港運業者,船社は今どこの港に行くにしてもサービスのよいところに行くわけでございます。ですから,過去に神戸から──例えば台湾の船なんかも事実大阪へ行ったわけですね。大阪から神戸へ来た船社もあります。そういうことで,どうしても競争するということはやむを得ないと思います。  ですから,ポートセールスをやるというのは,そういうことのないように,またそういう競争があるという前提でやっているわけでございますので,これが神戸市の死命を制するといっても過言ではないかな,こう思っております。そういうことで,基本的な考え方としては,やはり世界のいわゆる港運に対しては,いつ,いかなる場合でも対応できる港にしておきたい,こう思っております。  それから,優先枠の問題ですけれども,これも本会議場で議論するのもどうかと思いますけれども,安くするということ──困っている方は安い方がいいわけですね。お金持ちで今の議論ですと,もうかったという,安いからもうかった,こういうことになります。ですから,優先枠を設けて安くするという議論と,当たって得したという人を高くするということとは,これは議論としてはちょっとすれ違いになりますんで,今回また委員会等でもやっていただければ結構だと思いますけれども,そういう気持ちが実はあるわけですね。ですから,お金持ちが当たったら得だということと,ある程度低くしてあるわけですね,意識的に低くしてありますから,今度優先枠を設けて,優先して入れようと思いましたら,これもっと安くせないかんという議論になるわけです。ですから,ちょっと矛盾をしますので,ひとつこの点はまたゆっくりやっていただきたいと思います。  (「議長31番」の声あり) 111 ◯議長(島田五三郎君) 31番岩城修吉君。 112 ◯31番(岩城修吉君) 今,市長が言われましたように,まだまだ議論をしなければならない点が明らかになったわけであります。それにつきましては,後ほど開かれます特別委員会で続けて議論を行いたい,こういうふうに思います。終わります。  ────────────────── 113 ◯議長(島田五三郎君) 次に,3番平野章三君。  (3番平野章三君登壇)(拍手) 114 ◯3番(平野章三君) 私は,自民党平成会議員団を代表して,平成元年度公営企業会計決算並びに関連議案について,市長及び関係当局に質問いたします。  まず最初に,公営企業として事業を進めるに当たって県下の市町,特に隣接市町との連係についてどのように対応されているかということであります。既にこの件についての答弁がありましたが,私は県に対する神戸市の基本的姿勢についてお伺いいたします。  神戸市域外との多種にわたる問題の調整を考えるとき,交通局所管の地下鉄延伸問題,バスの市域内外の調整,港湾局では神戸港がアジアのマザーポートとして神戸市の背後地までの展開を考えてのポートセールスなのか,K-CAT,K-ACTやヘリポートなど県下の需要動向についての対処はどうか等々,県と神戸市との細部にわたる調整問題が神戸空港問題にまで影響を及ぼさないかと非常に危惧するところであります。  去る9月15日,私は知事の会合に出席いたしました際申しましたことは「よい意味でも悪い意味でも株式会社神戸市と言われ,開発を主体としながら神戸経済を支えてきた今日,神戸空港をはじめ他のプロジェクトの問題は国に対するアプローチに神戸市として限界もあり,自治省出身である兵庫県知事の太いパイプなしでは前進しないと強調し,単に神戸市だけで問題の解決を図るのではなく,その問題にかかわる関係市町をも含めた協調体制で事に当たることが望ましいという気持ちである。」ことを申し述べました。それに対して知事は「今日までの神戸市は,神戸市の中だけの発展を考えてこられた。そのため経済圏は大阪へかなり流れたのではないか。この点についてはむしろ兵庫県としての責任があったのではないかと考えている。最近は関係市町とも協調されながら県と神戸市との協力体制ができてきた。」と述べられました。  また,時を同じくして橋本大蔵大臣が来神し,神戸空港についてのコメントの中で「神戸市関係者の熱心さは知っているが,兵庫県と必ずしも考えが一致していないのではないか。」と指摘があったことを報道されていました。何か感ずるものがあります。  そこで,平成2年度予算でやっと隣接市町行政連絡会議を施策として盛り込み,去る8月7日に神戸隣接市町長懇話会を開催された結果,地下鉄再延伸問題,あるいは広域的見地から見た病院や医療施設の適正配置等々,各市町から多種にわたって出された意見を県に対していまだ具体的に報告,相談をされているとは聞いておりません。実際に県に対する基本姿勢と対応の方法などはどのようにされているのか,市長のご所見をお伺いいたします。  次に,下水道事業についてお伺いします。  1点目は行政財産の有効活用についてであります。平成元年度地方公営企業法施行令の改正により公営企業が有する行政財産である土地の貸し付けに関する規制が緩和されました。公営企業の所有する施設との合築の場合については,これまで相手方が国や他の地方公共団体あるいは資本金2分の1以上を出資している公益法人等々に限定されておりましたが,この規制緩和により一般の民間企業も参加可能になりました。  さらに,土地については用途の拡大も図られ,例えば地下鉄が走行している部分の地上の土地については,これまで貸し付けることができなかったわけでございますが,これが可能になったり,高架下部分の土地についても貸し付けができるようになったのであります。  そこで,各公営企業はこのような規制緩和を機に,現在保有する土地を総点検し,有効利用を図るなど,また今後の施設建設については合築ができる構造にしておくなど,計画については十分な配慮がなされねばならないと考えます。  その一例として,現在垂水処理場の第2期拡張工事が行われておりますが,残念ながら上部建設のための基礎は考えられておりません。しかし,フラットとして利用できる面積が2万 1,000平方メートルあり,また上部に建設可能な既存の調整池の面積が 5,000平方メートルあります。上部利用のための合築を行った場合,垂水土木事務所や水道局垂水営業所等々,神戸市の出先機関の移転を検討することも考えられますが,この処理場周辺には明石架橋をはじめマリンピア神戸計画,CCZのプロジェクトが集中している地域であり,第三セクターや民間活力を導入すれば思い切った構想が描けると思いますが,上部利用についてどのような計画を持っておられるか,お伺いをいたします。  2点目は,土地の有効利用という観点から,現在休止している総面積2万 7,000平方メートルを有する新多聞処理場なども,資産価値から見て,国からの補助金の残額はわずか2%程度と思われます。国との関係もありますが,今後補助金の返済残余年数約7年を考えますと,今補助金の残りの全額を返済し,本四架橋関連などの代替用地として提供することが国家的プロジェクトの促進に寄与できると思うわけでありますが,あわせてご所見をお伺いいたします。  次に,港湾事業についてお伺いします。  神戸港の港勢は,コンテナ貨物量においては我が国最大の取扱量であり,総取扱貨物量,入港船舶総トン数においても最大の実績を持っています。その中で外貿貨物全体の取扱量は,前年に比べ 4.3%伸びており,このうちコンテナ貨物の取扱量は10.2%と大幅な伸びを示しております。これは神戸市が内外主要港の港間競争に対応した,積極的なポートセールスが功を奏し,また官民一体となった,きめ細かな活動の努力のたまものと評価いたすものであります。このようにより一層の港勢の拡大を図っていくことが神戸港の活性化,ひいては市民の経済の貢献につながっていくものであります。しかし,神戸港を取り巻く環境は,円高等による輸出入構造の変革や航空貨物輸送を含む複合一貫輸送,アジアNIES諸港の厳しい追い上げ,それに加えて国内他港の港間競争があります。  特に業界関係者の話によりますと,東西ドイツの統合,92年のEC統合,東ヨーロッパの自由化を背景に,欧州航路の歴史的な再編成が進められようとしているようであります。こうした激動する国際情勢の中で勝ち抜き,今後将来に向けて神戸港の優位性を保持していくためにどう対応していかれるのか,市長のご所見をお伺いいたします。  2点目に,中突堤の再開発についてでありますが,現在ポートターミナルには本年7月に就航した釜山航路の檀皇をはじめ天津航路の燕京,上海航路の鑒真といった外航フェリーが年間に 182便就航しております。これに加えて国内の横浜と神戸を結ぶジャパニーズドリームが年間 200便就航しており,年間 400便に近い貨客船が利用しております。さらに,一たん寄港すると停泊日数の長い外航客船も,昨年は50隻寄港しておりますが,主にポートターミナルを利用しております。しかし,ピーク時の特に観光シーズンには,大型客船の寄港調整が必要になると思うわけであります。そこで,大型客船の寄港調整をしやすくするために中突堤の利用も考えてよいのではないでしょうか。現在のポートターミナルは出入国検査や税関検査などを行って,船舶の出入港時には非常なにぎわいを見せていますが,それ以外は閑散として市民の目から見ても施設に対する魅力が乏しいと感じるのでありますが,一方中突堤はクルージングブームを受けて,レストラン,ホテル,グルメ街と公共旅客ターミナルと一体化した集客施設を民間コンペで整備することになっています。
     私は,神戸港のシンボルは何かと思うとき,ポートタワーが目に浮かびます。昭和38年に完成して以来,神戸の顔として機能を果たしてまいりました。しかし,隣接するメリケンパーク内に建設された高層のホテルはタワーよりも高く,時代の流れを感じます。現在堅調に収益を上げていることは承知いたしておりますが,陳腐化していることも否めません。  そこで,私はこの際,ポートタワーにかわる新しい神戸の顔としてのシンボルを,突堤先端部の再開発による新しい施設に含めて考えられないものかどうか,淡路島の自由の女神II,海外ではシンガポールのマーライオン等々,イメージの面で考えた場合,必ずしも高さだけを意識して競うのではなく,広く市民からアイデアを募り,港をより一層市民に親しんでもらうことにより,三宮とハーバーランドの中間地点に当たる元町南部のにぎわい,そして三宮から神戸駅までの面的活力につながるとともに,30年,50年を見通して,新たな本格的な神戸港のシンボルを整備すべきと考えますが,市長のご見解をお伺いいたします。  3点目にK-CAT,K-ACTについてお伺いいたします。我が国の国際化を推進する初の24時間型国際空港である関西新空港の開港に向けて,近畿圏の各都市から円滑なアクセスを確保するため交通網の整備が進められています。神戸では,陸上ルートで70キロに及ぶ距離的,時間的な不便を解消するため,直線で30キロの距離を結ぶ海上アクセスとして神戸航空旅客ターミナル──K-CAT,神戸航空貨物ターミナル──K-ACTを設立,旅客の多様なニーズにこたえる広範なサービス機能を備えるアクセス基地づくりを進めています。  さて,その中で両ターミナル機能のそれぞれに出入国審査,通関手続システム等の可能な条件整備を進めることが最も重要であると考えます。両ターミナルとも建設に向けて着々と準備を進められておりますが,出入国審査システムの問題でありますが,聞くところによりますとK-CATは出国審査だけで入国審査は含まれていないとのことであります。出入国審査は法務省,通関検査は大蔵省,動植物の検疫は農林水産省,食品衛生面は厚生省といったぐあいに所管が分かれており,加えて海上アクセスの問題,関西新空港は24時間空港ですから,深夜までの運航が必要であります。ジェットフォイルの夜間航行についての安全性,認可の問題,保税対象区域の問題,さらに出国時における関西新空港の受け入れ施設等々の諸問題,以上の問題を含めて,各省庁との協議を踏まえて空港と一貫した運航ができるのか,見通しについて,そしてまたこのようなシステムについて前例があるのかどうか,市長のご所見をお伺いいたします。  次に,開発事業についてお伺いいたします。  平成元年度開発事業会計決算を見ますと,63億円余の利益を計上し,一般会計への繰出金を従来の20億円から30億円にするなど,強い宅地需要に支えられて,好調な決算となっています。この一般会計繰出金は,昭和46年から継続して繰り出しをしており,累計 319億円に達するなど開発事業は市財政に大きく貢献しているということが言えます。  また,元年度中に42ヘクタールの住宅地を提供し,市民の良好で快適な住環境の確保に努めるなど神戸市政の重要な役割を担っており,今後の市民生活の安定に寄与すべく開発事業を進めていかなければなりません。  また,この開発事業による埋立造成事業の規模は全体で約2兆 3,000億円,上物にかかる投資額を含めて約5兆円となり,これに伴う経済波及効果は9兆から10兆に及ぶとともに,完成後の生産活動や人口定着に伴う生産所得誘発効果は年間数兆円規模であり,約15万人の雇用機会創出の効果をもたらすとの予測もあり,神戸経済の活性化と発展に与える影響は非常に大きいものであります。  しかし,この開発事業も2001年を目標年次として策定されたマスタープランの基本方針や人口フレームなどに基づいて実施しているものであり,今後の宅地供給について言えば,西神住宅団地では約7割が,研究学園都市でも約5割が処分済みとなっており,今後処分される西神南ニュータウンの計画戸数が 6,530戸であることを考慮に入れても,開発局の処分方針である,年間,山で 2,000戸,海で 1,000戸の供給を続けて行くならば,ここ数年で宅地供給が終えんするのではないかと考えます。これは産業団地についても複合産業団地,ポートアイランド2期を除いて同様のことが言えると思います。  一方,先日運輸省から発表されました第6次空港整備5カ年計画の中間報告によれば,「地方空港の整備を図るに当たっては,単に空港建設にとどまらず,空港を核としたまちづくり,地域づくりが期待される。」との記載もあり,神戸空港の立地に伴い,住宅産業団地の新たな需要が生じるものと思われるわけであります。  そこで,都市活力の維持発展,市民の住環境に対するニーズの対応,さらに自然と調和した良好な都市環境の創造のために,新たなる開発事業がぜひとも必要であると考えるのであります。マスタープランの基本構想にある 180万人の人口フレームと基本計画にある2001年の人口指標 160万人との差の20万人の受け皿として,新たな開発が今から必要ではないかと考えますが,市長のご所見をお伺いいたします。  次に,病院事業について2点お伺いいたします。  元年度の病院会計決算を見ると,医療収益はふえているものの,人件費の増などによって,収支が悪化しています。この収支の悪化については,診療報酬改定の伸びが低いという反面,人件費の伸びが大きかったということが言えるかもしれません。しかし,診療報酬決定の中には,当然人件費の伸びも入っていることでありましょう。したがって,病院事業会計の収支のバランスについては,医療機能の高度化あるいは患者サービスの質的範囲に対する考え方によって収支のバランスに大きく影響を及ぼしてくるのではないでしょうか。また,中央市民病院の規模と西市民病院の規模とでは,診療報酬,人件費の影響はそれぞれ異なってくると思います。  一方,国の方では去る5月末に医療法の改正案を国会に提出しており,病院のランクづけというか,現行の病院が特定機能病院,一般病院,療養型病床群に3区分され,機能別に体系化を図ろうとしています。そして,当然診療報酬,看護水準等それぞれの機能に見合った設定がなされ,同一病院内での役割分担,また病院間の役割分担によって相互の提携的関係を迫られてくるものと思うのであります。  このような状況を踏まえて,自由受診の原則が特に患者に定着している中で,高度医療の役割を果たす努力をし続けている中央市民病院,兵庫,長田,須磨区で患者の8割を占め,かつ高齢者の多い西市民病院,現在検討されている西神地域における公的中核病院計画も含めて,この法改正案についてどのような受けとめ方をされているのか,お伺いをいたします。  2点目は,21世紀をにらんだ高度医療とともに必要なものは,終末期を迎えた人を医療面だけでなく精神面からもケアしていく末期医療対策が必要と思うのであります。終末期を迎えた人が心身両面で支えられて安らかに一生を終えられるケアこそ,高齢化社会の進展に向けて不可欠と言えるのではないでしょうか。人間らしく死を迎えるということについて,今後こういったことに取り組むべきと考えますし,高度医療以外の末期医療の分野にも目を向ける必要があると思いますが,市長のご所見をお伺いいたします。  次に,市営バスと民営バスとの権益調整について伺います。  市民の生活基盤であるバス問題につきましては,市民各層,各地域の事情によって多様な要望を数多く聞くところであります。その中で,効率的なバス路線の整備についてであります。現在市営バスと民営バスが受け持つ競合路線区域についてでありますが,これにつきましては,民生局所管の敬老福祉パスにかかわる市営地下鉄をも含めて市営か民営かのいずれかを選択しなければならない問題,そして市バス路線から,行政路線として不採算路線であっても運行を進めてほしいという強い要望など,これらの点についての問題が解決されたとしたならば,市民の足として効率的なバスの運行ができるのであれば,市バス,民営バス双方どちらでもよいというわけであります。  しかしながら,現状では営業権益の問題が大きな壁となり,市バス,民営バス双方の当事者間の調整にも限界があり,有機的に連絡したバスのネットワークについて市民の利便性という観点からは大きくかけ離れているわけであります。  そこでまず,営業権益の調整についてでありますが,現在当事者間での双方の権益をにらみながら話し合いが行われているわけであります。その中で市営バスまたは民営バスが免許事業計画の変更など,すなわち新路線,路線変更,ダイヤ改正,運賃改定等々の事業計画を運輸省に申請した場合,運輸省が道路運送法 123条により自治体の判断として,政令指定都市の市長は市バスまたは民営バスの免許事業計画の変更について意見を述べる機会が制度的にあり,認可権限を持っております。  しかし,現実にはこのように意見を述べるなどの制度について,市長はすべて一事業者の立場にある神戸市交通局に一任しているのが現状であると聞き及んでおります。例えば一事業者である神戸市交通局が民営バスの事業計画にまで判断する権限がある現状では,調整機能を果たし得ていないのではないかと思うわけであります。  そこで,神戸市としてバス行政全般を判断するためには,重要課題について協議する場に神戸市交通局,民営バスの事業者,学識経験者をも含めた第三機関の設置が必要ではないかと思うわけでありますが,いかがでしょうか。市長のご所見をお伺いいたします。  2点目は,バスターミナルの建設についてであります。神戸の表玄関である三宮はJRをはじめとして阪急,阪神,山陽の私鉄に加え,新交通,ポートライナー,市営地下鉄等々が乗り入れております。加えて,この駅周辺には1日3万 6,000人もの人たちが利用する15本のバス路線があり,これらの人たちはそれぞれ分散された停留所を利用しています。  また,最近は長距離高速バスの人気が高まり,各方面への運行が増加しつつある中で,市民の足の確保にとどまらず都市間輸送の面から考えてもバスターミナルの検討をする時期が来たのではないでしょうか。特に私は将来的に関西空港のアクセスとしてK-CATや神戸空港等の実現を考えるとき,神戸都市圏の中核として三宮駅周辺に,都心にふさわしい総合的バスターミナルの設置が望まれるのであります。  これまで我が会派は何回か,この問題について質問をしてまいりましたが,この問題解決には用地の確保という困難な課題が横たわっております。私はターミナル用地の確保という観点から,個人的意見として申し上げますが,三宮駅前を走る国道2号線上にふたをして,もしくはデッキで覆うなどして,国道の東西上部空間を利用し,駅前広場を合わせて面的整備を図れないものかどうか。マスタープランにもバスターミナルの位置づけがなされていることでもあり,積極的に取り組んでほしいと思いますが,市長のご所見をお伺いいたします。  以上で質問を終わりますが,市長用の特別なマイクを設置いただいたためでしょうか,答弁がよく聞こえますので,あと内容についてのご配慮だけいただけますよう,望んで終わります。(拍手)  (「議長」の声あり) 115 ◯議長(島田五三郎君) 笹山市長。 116 ◯市長(笹山幸俊君) 平野議員のご質問にお答えを申し上げます。  まず,隣接市町との連係の問題ですが,県に対して現在どういう話をしているか,こういうお話でございますが,これは午前中にも少し触れましたけれども,こういったいろんな調整事項──交通問題あるいは道路を含めまして,先ほどちょっと出てました下水道の問題とか,こういった問題はすべて決定権者は知事にあります。ですから,それまでの間は各市町なり──神戸市は指定都市ですから,みずから案をつくることができます。そういうことで,最初から知事に原案もなしにお話しするということについては,普通はやりません。一応こういったことを考えてますがということで相談をかけるわけでして,今その相談をかける話をまとめている段階でございますから,もし機会がありましたら,その点については知事にはお断りをしておきます。  実際にいろんな調整事項,非常に難しい問題があります。お金の問題等になりますとなお難しいですけれども,こういった問題はやはり将来のそれぞれの地域の問題でもありますから,県の上位計画等に整合しておるということが前提になります。ですから,その点はご心配を──途中ではかけるかもしれませんが,最終的にはそういう問題で協議をしながら進めていく,現在までもそういうことでやってきておりますので,ひとつご了解をいただきたいと思います。  それから,港湾関係で外部的な要因が今回出てまいりましたので,いろいろそれに対応して,これは海運界だけではございませんけれども,特に海運界の問題とすれば先ほどお話がございましたように欧州航路の各船社グループが再編成にかかっておる──6グループ,8グループ等になりますし,単独船社も動き出す,こういうふうな,ちょっと状態が変わりつつありますんで,これの競争に巻き込まれるということが実はあります。といいますのは,神戸港は欧州航路の拠点になっております。ですから,そういった問題も今後出てまいろうかと思いますので,これをうまく整理なり調整をしないといかんだろう,こう思っております。  当然各船社は大型化してまいりますし,それを既に計画をしておるようでございますから,これに対応するための対応策を先ほどもお話に出ましたように大型化してくると,日本欧州航路といえば横浜か神戸,こういうことになりますんで,それの大型化に対応できないとなれば,横浜が対応できれば横浜へ行くわけですから,そういう問題は現に我が方としては対応できるだけの素地を持っておりますし,現に作業しておりますので,そういうことの心配を現にやって,これだけの仕事をやらしていただいておる,こういうことでございますので,いつの場合でもいろんな情勢変化があっても対応できる港であり,まちでありたい,こう思っております。  それから,開発事業についてマスタープランの 180万, 160万の差をどうするんだ,こういうことだと思いますが,実は 180万の線引きのときと 160万の線引きの次元が違いますけれども,その面積ですね,いわゆる市街化区域,いわゆる可住面積というのがございますけれども,それは一緒なんですね。むしろ前後しておりますけれども,そう変わってません。可住面積は一緒とすれば,なぜそういうことになったかといいますと,その世帯人員──1世帯何人というやつ,いわゆる人口密度を計算するわけですけれども,その密度の原単位が変わっているということです。今までは 3.7人ぐらいだと思いますけれども,それが 3.2人になったり,今ですと 2.7人とか 2.8人になっていますね。そういう家族構成が変化をしてきた,こういうことでございますから,戸数はそのままいっても中身が全然変わっているということで, 180万人分の土地はあるとしますと,その中身は 160万しか入ってないということになります。ですから,この辺が非常に将来問題が都市として起こりますので,この辺の検討はよく──新規の開発その他についても十分考えておかないと,団地がそろそろスラム化していく,空洞化していくということになりつつあるわけですから,こういうことも含めまして検討させていただきたいと思っております。  ほかは助役等から説明させます。  (「議長」の声あり) 117 ◯議長(島田五三郎君) 田渕助役。 118 ◯助役(田渕栄次君) 3点にわたりましてご説明を申し上げます。  下水道事業用地の上部利用についてでございますけれども,下水道施設の上部利用といたしましては,従来からスポーツ施設とかあるいは公園のほか市バスの車庫あるいは道路機動隊事務所,こういった形での有効利用を図っております。ご指摘のとおり今回の法改正によりまして,より積極的な展開が可能となってまいったわけでございます。垂水処理場の上部につきましては,処理場建設時から地元との話し合いの中で,処理場全体を地域住民に親しまれる施設とする構想がございます。既に高度利用用地の暫定利用として,スポーツガーデンあるいは住宅公園,あるいは埋め立て護岸につきましては海づり公園という形で市民の利用に供しているところでございます。  ご指摘のように処理施設の上部利用につきましては現在施行中の第2期の拡張工事が完了いたしますと,全体で2万 6,000平米という形での利用が可能となってまいるわけでございます。その具体化につきましては,地元とも協議をしながら検討をしていきたいと思いますが,いずれにしましても垂水処理場そのものの立地から見て,須磨から舞子にかけての海洋スポーツレクリエーションゾーン,こういった形で位置づけられるんではないかと思います。  したがいまして,明石架橋等周辺環境との調和あるいは公共公益的な施設あるいは地域住民のニーズを反映する,こういった視点から総合的に検討していきたいというふうに考えております。  整備手法につきましては,ご指摘のとおり下水道公社であるとかあるいは第三セクターあるいは民活,こういった形での導入も含めて検討いたします。  次に,民営バスにかかる市長の権限といいますか,調整といいますか,そういった問題ですけれども,ご質問は道路運送法第 123条の運輸大臣による市長の意見聴取の件でございますけれども,同条の趣旨ですが,大都市におきまして交通量が膨大で,また市民の利用頻度が非常に高い。したがいまして,その影響についてその地域の事情に通じている行政機関の長である市長の意見を聞いて,許可の参考にしようということでございます。  したがいまして,バス事業者間の権益調整の問題につきましては,あくまで当事者で協議すべきものというふうにされております。したがいまして,必要に応じて権益調整のためのバス事業者間での協議を行っておるわけでございますが,さらに協議の進捗を図るという意味において円滑に行われるような方策等を研究してみたいと思います。  次に,三宮のバスターミナルについてでございますけれども,神戸の表玄関である三宮駅周辺につきましては15の系統のバス路線が約 2,100回運行しておりまして,約4万人の乗降客が分散された停留所を利用いたしているのが現状でございます。これだけの系統を集中させて,これだけの系統のバスを集中させた場合に出入口が一本化するということではバスの運行を妨げるような道路形態になるわけでございます。したがいまして,現在の道路形態の中で集中的なバスターミナルという形が可能かどうかといった問題については,1つの検討の課題ということになるわけでございます。  1カ所に集中することのメリットとしては観光客といいますか,そういった方々には非常に便利にはなるわけでございますけれども,市民にとってみて果たしてどうかといった懸念もあるわけでございます。したがいまして,交通局では市民サービスの向上あるいは確保といった見地から,三宮におきましてはバス総合案内システムの設置を現在調査検討をいたしておるわけでございます。  なお,三宮駅前広場につきましては,交通結節点としての機能に加えまして,神戸の表玄関にふさわしい景観を配慮したふれあいの場としての整備が必要であるというふうに考えていますし,今後三宮東地区の再開発の動きあるいは阪神三宮駅などの周辺交通機関との整備の動き等を勘案しながら,全体的に検討していきたいというふうに考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 119 ◯議長(島田五三郎君) 緒方助役。 120 ◯助役(緒方 学君) 私から2点,お答えを申し上げます。  ポートタワーにかわる新しいシンボルをつくったらどうかというご指摘でございますけれども,ポートタワーは昭和38年完成いたしました。神戸港のシンボルとして市民だけでなく広く全国の人々に親しまれてきております。最近メリケンパークの整備あるいは海洋博物館,ホテル等が相次いでオープンいたしました。それぞれ特色を持った形状になっておりまして,3者が相まって均整のとれた立体的な景観を醸し出しているんじゃないかと思っております。また,そういうことでポートタワーの入場者も博物館,ホテル完成後は,それ以前に比べまして年間22万以上増加いたしております。  そういうこともありまして,中突堤先端部再開発におきましては民活方式を導入いたしまして,施設整備を図っていきたいと思っておりますけれども,神戸港の新しい顔として,さきに完成いたしましたメリケンパークとあわせ,広く市民に親しまれるものをつくり上げていきたい,そういうふうに考えております。  それから,K-CAT,K-ACT,ジェットフォイルの夜間航行等でございますけれども,ご承知のように成田空港へのアクセス基地として東京の箱崎にT-CATが設けられております。そこではチェックイン,出国審査機能の設置,及び旅客の手荷物からの解放というような機能を行っております。K-CATにおきましても,T-CAT並みの機能を備えた利便性の高い施設を目指しまして,ただいま航空会社,法務省等と協議を進めているところでございます。  また,成田空港対応の国際航空貨物取り扱い基地として千葉県の原木にT-ACTが設けられております。そこでは通関機能,航空貨物の荷役・保管機能等を備えておりますが,K-ACTにおきましてはそれらに加えまして各種の検疫・検査機能を加えまして,より利便性の高い施設を目指し,関係機関と協議を進めております。  また,ジェットフォイルの夜間航行でございますけれども,これは今禁止されておりますが,神戸海運管理部を中心として船舶の性能等で検討されておりますし,また一方全国レベルでも日本旅客船協会が主催する夜間航行問題検討委員会で検討が行われておりまして,今年度末には夜間高速航行実現に向けての安全対策がまとめられる予定になっておるところでございます。市といたしましては事態の推移を見守っていきたい,そういうふうに考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 121 ◯議長(島田五三郎君) 小川助役。 122 ◯助役(小川卓海君) 病院事業につきまして,お答え申し上げます。  まず第1点は,現在国会で継続審議中の医療法の大幅改正の問題でございます。我々病院を運営しておる者といたしましては,今回の医療法の改正には大きな関心を抱いておりますけれども,内容的に政令あるいは省令等に移入する部分が多くございまして,現在の法案だけではまだ不明な点がございますけれども,一日も早く国会で本格的な議論がなされて,現在の医療体制に即応した医療法の改正を期待しておるわけでございます。  内容的に,我々が得ております情報では,施設機能の体系化という大きな項目がございます。特に特定機能病院と療養型病床群というふうな現在の医療施設を大きく2つあるいは3つに分けていく,こういうことでございまして,特に高度な医療を提供する特定機能病院というのは,主として大学の附属病院あるいは国立のがんセンター等が対象になるんではないかと思うわけでございますけれども,医療の内容として骨髄移植等もできるような高度な病院ということになりますと,我々の中央市民病院も当然それだけの高度医療を進めております。  ただし,その指定を受けた場合は,原則として紹介,外来患者のみ,こういう含みがございますので,果たしてそういう指定を受けた場合に市民の皆さんのご同意が得られるかどうかという問題がございます。  一方で病床群の中で長期入院患者のための病院群というのがございまして,長期入院患者の受け皿,先ほど来議論ございますけれども,そういう形の二極分化いたしまして,中間に既存の病院があるわけでございますけれども,二極分化して,最終的な国の考え方としてはやはり医療費の効率的な使用,20兆円になんなんとする医療財政の健全化のためにこういうふうな制度を,しかも高齢化社会を迎えてやっていくということじゃないかと思います。  さらに,広告制限の見直しとか,我々関心を持っておりますのは病院の業務の外部委託というふうな項目もございますので,一日も早くこれが具体化することを期待しておるわけでございますけれども,申し上げておりますようにいろいろ不明な点が多々ございますので,情報を得ながら慎重に対応してまいりたい,かように考えております。  第2点目の末期医療の問題でございますけれども,最近末期医療に対する──特にご指摘のように高齢化社会を迎えまして末期医療の問題がにわかにクローズアップされております。医療保険制度でも緩和ケア──痛みを緩和するというような緩和ケア病棟への医療費の新設等を制度化されておりますけれども,がんのみならずもはや医療を施してもこれ以上存命が期待できない,6カ月程度しか残されていないという患者さんを対象にして,最近考えられておりますのが末期医療のケアでございます。  昨年の6月に厚生省が末期医療に対するケアのあり方の検討会というものを設けまして,報告書を出しておりますけれども,従来ややもするとがん等の末期患者に対して高度な手術を施したり,いわゆる薬を投与して──言葉は悪うございますけれども,薬づけ等々でできるだけ延命策,命を少しでも,1日でも長く生きていただこうという治療をやってまいったわけでございますけれども,やはり残された命が限られているということがはっきりしている場合は,痛みをなくするとかあるいは精神面でのケアを十分するのが人のとうとい命の尊厳を守っていく上で大事なんではないか,こういうふうな報告書を最近まとめたところでございます。神戸市もぬくもりのある福祉社会,福祉都市づくりということを標榜しております以上は,当然参ります高齢化社会を迎えて,末期医療に対する施策も当然考えていく必要があると思っておりますけれども,ハードな──例えばそういうホスピスのようなものをつくっていくのかどうかは別にいたしまして,地域医療計画の中で,最近出した医療計画の中ではそこまでうたっておりませんけれども,地域医療計画の中で地域内のそういう制度をどういうふうに持っていくのかということは,当然早急に検討する必要があると思っております。ただ,我々日本人の精神風土といいますか,やはりがんの場合は告知というのがある程度前提になると思いますし,宗教感覚あるいは生命とか死に対する日本人独特の哲学もございますので,そういうものも考えました場合,市民の全面的なコンセンサスを得ながら進めていくという慎重な姿勢が,この問題については必要なんじゃないか,かように考えておりますけれども,高齢化社会を迎えての一つの大きな課題として取り組んでいく必要がある,かように思っております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 123 ◯議長(島田五三郎君) 大浜下水道局長。 124 ◯下水道局長(大浜 巌君) 新多聞処理場につきましてお答えいたします。  下水道事業の経営の効率化を進めるために,従来から小規模処理場の統廃合を行ってきております。新多聞処理場は昭和49年度に供用を開始したものでございますが,垂水処理場への統合を前提といたしまして,現在は運転を休止しております。  この処理場を廃止処分するためには,国庫補助金の返還という問題以外に計画上の法手続といたしまして,建設大臣の認可承認が必要でございます。現在国に対しまして神戸市の事情を説明し,協議を続けているところでございます。国との関係がスムーズに解決できるよう,より一層努力をしていきたいと考えております。  将来の利用につきましては,市内部での利用を原則といたしまして,下水道財政に寄与する方向での資産の有効活用を図っていきたいと考えております。  以上でございます。  (「議長3番」の声あり) 125 ◯議長(島田五三郎君) 3番平野章三君。 126 ◯3番(平野章三君) 3点だけ簡単に再質問させていただきたいと思います。  港湾事業のK-CAT,K-ACTの問題ですが,私はこれは出国審査及び通関検査というのが一つの重要なポイントだろうと思うんですが,今お聞きをしております段階では,協議中というお答えですが,可能性というようなところについてはどうか,ちょっと再度確認をいたしたい。  それから,開発事業についてでございますが,市長のお答えよくわかりました。ただ,今後神戸経済を支えるに当たりまして,市長のお考えとしては空港が来ることによって支えていこうと思っておられるのか,あるいは空港を含めて関連の施設とともに今後の経済基盤を考えていこうと思っておられるのか,あるいは全く別の角度でやはり必要な──市民のニーズに応じて調和ある開発を進めていこうとされておられるのか,その辺を再度お伺いいたしたいと思います。  もう1点,民営バスと公営バスの権益の問題でありますが,運輸省の道路運送法 123条というのはかなりの影響力があると私は判断いたしております。それで,できれば同レベルで──民間と公営と同じテーブルで話し合う機会をつくる必要があるんじゃないか,そういう意味で神戸市交通局と民間の事業者と,あるいは学識経験者を含めて第三者機関をつくってほしいということを言っております。  で,裏返しますと,これは営業圏域の問題があると思うんですね。市民の方はバスにできるだけ有効にスムーズに乗りたいと思うわけでございますが,ところがたまたまそれは民間の地域しかないということで,市民の方は市の方へ要望される,あるいは議会を通じて要望をされるわけでございますが,その場合に行政から民間にお願いをするというのは,けさほどの答弁もございましたが,非常に弱いものじゃないかなと思うんですね。そういう意味で第三者機関をつくっていくことによって民間も参加をさせて,そういう逆に場所を利用して民間にも意見を言う機会をつくりたい。我々は,交通局ばかり意見を今まで言っておりまして,民間にはこれはなかなか言う機会がございません。そういう意味では本当に第三者機関というのは,私は慎重に考えていただくべきものだと判断をいたすわけでございますが,田渕助役の再度のお答えをいただきたいと思います。  (「議長」の声あり) 127 ◯議長(島田五三郎君) 笹山市長。 128 ◯市長(笹山幸俊君) 開発事業と空港の関係でございますけれども,空港は中間報告でも全体の空港としての位置づけといいますか,考え方が示されました。これは運輸省として国全体の空港のあり方というんですか,そういうものが初めて示されたわけですけれども,空港は都市の一つの装置だと認識をしております。  ですから,極端な話をしますと,鉄道とか道路とか,バスとかそういうものと同じと,こう見ていいんではないかと思います。船ももちろんそうですけれども,そういう交通機関だと思ってやりますと,空港があるなしで相当神戸のまちの構造が変わると思います。これは関西空港だけでも少なくとも先ほどのお話のようにCATにACTができるということだけでも変わってくるわけです。それが対応するだけのいろんな施設が要るということですね。  また,もう少し極端に言いますと,24時間空港だということになればそれの受け口としての機能を持たせるとなれば,都市自身が24時間の都市の一部になる,こういうことでございますから,今の都市の構造が変わってくるということは確かです。交通機関から宿泊施設,そういうものが全部変わるわけですから,そういうことがこの神戸にとって将来どこまでそれを認知するかというんですか,そこへ一緒になってやっていくのかということは今からの問題だと思います。  ですから,24時間,都市全体が──少なくとも既成市街地に限られるかもしれませんけれども,そういった施設がそれに対応するとなれば,これは都市としては大変なことだと実は思っております。ですから,単純に24時間都市という,そういった機能を備えたらいいということではないと私は思っております。  ですから,空港は一つのそういった利便の高い都市機能だと私は思っておりますんで,それによって開発事業がどう変わると,大きく変わるんだということではないと思います。ただ,そういうものを使って,そういう利便性を高めていくということは,確かに鉄道と同じでございますから,その点は理解はしておるつもりでございます。  それでは,ほか,助役から答弁いたします。  (「議長」の声あり) 129 ◯議長(島田五三郎君) 田渕助役。 130 ◯助役(田渕栄次君) 民バスの問題で,第三者機関といったものをつくって協議したらどうかというご意見でございます。当然交通局あるいはこれに関連する民バスそして第三者,こういったような形で検討委員会といいますか,協議機関といいますか,そういった形ができ上がれば非常に望ましいことであろうと私も思っております。  ただ,予見としてなかなか民バスの方が参加してくれるかどうか,間違った予見かもわかりませんけれども,そういった予見を持ってございます。しかしながら,そういった形ができ上がれば非常にスムーズに話も進んでいく可能性もあろうかと思いますので,その辺については前向きに検討いたしたい,このように思っております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 131 ◯議長(島田五三郎君) 緒方助役。 132 ◯助役(緒方 学君) K-CATの機能でございますけれども,会社としては精力的に関係当局に今お願いをし,また協議を進めておるところでございます。ただ,時期的に例えば法務省,これは入国管理局になるわけでございますが,まだ早いやないかと,そういうようなこともありまして,はっきりした見通しをまだ得ておりません。そういう状況でございます。  (「議長3番」の声あり) 133 ◯議長(島田五三郎君) 3番平野章三君。
    134 ◯3番(平野章三君) かなりよく理解ができましたので,これで質問を終わります。  ────────────────── 135 ◯議長(島田五三郎君) あとお1人になりましたので,頑張ってください。  59番北山順一君。  (59番北山順一君登壇) 136 ◯59番(北山順一君) 私は,自民党議員団を代表いたしまして,平成元年度公営企業会計決算並びに関連議案について,その問題点及び将来的に検討を促しておきたいと感じている幾つかの事柄につきまして,私案を含めまして数点質問をさせていただきます。  また,本日各会派から種々の質問がされておりますが,私は同様の問題につきまして,さらに角度を変えて質問をさせていただきますので,その点ご了承をいただきたいと思います。  さて,今さら申し上げるまでもなく,公営企業は独立採算をその本旨とし,経営に必要な経費を収益で回収していく事業を通して市民の福祉を向上させていくことを目的としているのであります。したがって,目的はあくまでも市民の生活の向上であり,都市の基盤の整備であり,公共施設の能力の増強であると言えるわけでありまして,情緒的な言い方をするならば,神戸市の都市としてのステータスのアップが目的であると思うのであります。また,21世紀を目前に控え,この10年間はまさに神戸市の今後の将来像を形づくる大切な時期であると考えているわけであります。  そういった意味から今回の企業会計決算の状況を概観しますと,どうしても市長の考えをお聞きしなければならないと感じる点がありますので,率直にお答えをいただけたらと思う次第であります。  まず,K-CAT及びK-CATと神戸空港との関係についてお伺いをいたします。  現在ポートアイランド2期において,関西新空港への海上アクセス基地として神戸空港旅客ターミナル,いわゆるK-CATの設置が計画されております。計画によりますと,関西国際空港と同時にオープンし,高速艇を使用して28分で結ばれるということですが,K-CATにどのような機能が設置されるかによって,利用者の便宜は随分違ったものになるであろうと思われます。また,その機能は利用者数の動向に大いに影響を与えることになろうかと思われます。  そこで,当局の現在の取り組み状況はどうか,この点まずお伺いをいたしたいと思います。  また,現在神戸空港建設については,6空整への組み込みを全市的に要望しているところでありますが,神戸空港が完成した場合,現在の位置で果たしてK-CATの使命が果たせるのだろうか,疑問に思うわけであります。関空のターミナルとして,あるいは神戸空港がハブ空港としての機能を十分果たすためにも,現在の位置では,新交通システムになるのかどうかわかりませんが,K-CATから神戸空港への移動には少なからず問題があろうかと思います。もとより神戸空港を実現させるのが一番の目標ですが,あわせて周辺の都市機能も含めた利用者本位の整備計画を立案していくことが肝要と思われますが,お考えをお伺いいたしたいと思います。  次に,海岸線についてお伺いいたします。  今さら申し上げるまでもありませんが,インナーシティ総合整備事業の中で最優先に整備すべき事業として計画されており,西部地域の活性化を促し,ウォーターフロントの地域の新しい軸となる交通動脈を形成することを目的としているのであります。また,運輸政策審議会の答申でも,新長田から新神戸まで,長田南部,兵庫南部,ハーバーランドの再開発に伴い発生する輸送需要に対応するとともに,新長田,三宮,新神戸など各ターミナルとの結節を図る路線として位置づけられているのであります。  一方,最近の国際情勢からいいましても,さきの日米構造協議における公共投資基本計画で,今後10年間に公共投資総額 430兆円とする案が閣議了解されており,その中で生活環境にかかわるものとして,地下鉄事業などの地域交通基盤の整備の促進が盛り込まれており,これなどはまさに海岸線にとっての追い風と受けとめている次第であります。  しかるに,神戸市の取り組みはどうかといいますと,私にとっては実に歯がゆいと言わざるを得ません。その端的な例が予算の執行状況であります。昭和60年度 1,350万円,そして62年度に 1,035万円,63年度に 2,719万円,元年度に 2,507万円──調査費ではありますが,余りにも少ないのではないでしょうか。もちろん何でもかんでも執行してしまえなんて申し上げるつもりはありませんし,当局も予算の執行のみにこだわっていないことは承知しております。しかし,元年度の予算は 7,000万円だったはずです。それが 2,500万円の執行というのは,当局の消極的な姿勢を問題とされても反論のしようがないのではないでしょうか,そんな気がするわけであります。平成2年度の予算1億円の効率的でかつ海岸線の実現に実効のある執行をお願いするものであります。当局がなぜ海岸線にもっと積極的に取り組んでいかないのか,あるいは積極的に取り組んでいけないのでしょうか,その点お伺いをいたしたいと思います。  また,その原因ははっきりしております。地下鉄の採算性の問題が最大の障害であろうと思われるのであります。私は,こう考えるのです。地下鉄海岸線はインナー対策の決定打であり,また大都市の装置でもあります。もちろん新長田駅前再開発や五位ノ池線整備をはじめとするリーディングプロジェクトの推進による乗客需要の喚起は不可欠でありますが,海岸線単独で収支のバランスを合わせようとするのではなく,沿線の再開発による神戸市トータルとしての財産価値あるいは財政力の強化といった点から評価すべきであると考えているのであります。つまり,ある程度の赤字はやむを得ないものと考え,企業会計方式で建設するとしても,広く高い視野に立った,神戸市全体をにらんだ財政運営の方式の検討と,その実現に向けた積極的な推進をお願いしたいのですが,そのあたりのお考えはいかがか,お伺いをいたしたいと思います。  次に,下水道の3次処理用地の問題についてお伺いをいたします。  元年度決算によりますと,神戸市の下水道普及率は95.5%となっており,全体計画97%にあとわずかと迫っており,目標の達成も時間の問題であろうと考えております。ことしの夏の須磨海水浴場が,水質としては最高の「快適」という評価をされたことの背景には,下水道整備の進捗ということも大きく貢献したと評価するわけであります。  大阪湾は,関西に住む者にとってかけがえのない海であり,きれいな海として守り続けていく必要を痛感しているのであります。この大阪湾を取り巻く他都市の下水道普及率,とりわけ兵庫県の他都市の普及率を見ますと,西宮市で60%,宝塚市で61.5%,明石市で53.1%と,まだまだ低い状況であります。今後の他都市の積極的な取り組みを切に願うわけであります。今,こういった他都市が追いついていない現状というものを考えますとき,神戸市の3次処理のあり方についてどういった方針あるいは考え方をお持ちなのか,お伺いをしておきたいと思います。  また,インナー対策とも関連するわけですが,当面3次処理の具体案がないということであれば,西部処理場の隣接地に確保しようとしている貴重な土地は,インナー対策のための用地として利用する方が神戸市にとってもっとプラスとなると考えるわけですが,いかがでしょうか,お伺いいたします。  次に,琵琶湖総合開発事業についてお伺いいたします。  ことしの夏は例年になく雨の少ない年になり,給水制限こそないものの,7月中旬より琵琶湖水位は低下を続け,戦後最悪の減少ペースを記録しておりました。先週末から秋雨前線あるいは台風19号による雨が降り,取水制限等の処置は回避できましたが,将来的に渇水対策の具体案を検討しておくことの必要性はやはりぬぐい切れません。将来,万が一給水制限が実施されることになれば,市民生活に与える影響ははかり知れないものがあろうかと危惧するものであります。  この神戸市の水については,4分の3を琵琶湖・淀川から取水していることを考えますと,琵琶湖総合開発事業の進捗こそが神戸市に安定した給水をもたらすものと言えます。琵琶湖総合開発事業は,予定では平成3年度完成と聞いておりますが,今回の渇水問題に対し,この事業が生かせていたのかどうか,お伺いをいたしたいと思いますし,またこの事業の完成により,琵琶湖水位マイナス 1.5メートルまで取水可能ということでありますが,これにより今後神戸市にとって渇水のおそれがなくなると考えてよいのかどうか,市長のご所見をお伺いいたします。  最後に,ウォーターフロントの多目的利用についてお伺いいたします。  神戸の魅力の1つは,何といっても港であります。開港以来の,その使命を果たしてきた港もあれば,従来の使命とは異なる新たな使命を帯びる港も出てまいります。長田港の再開発事業というものがありますが,従来の長田港の東側にマリーナを整備し,あわせてその周辺地域にショッピングセンター,レストラン,文化施設,アミューズメント施設等の建設あるいはフィッシャーマンズワーフの立地をしようとするものであります。また,苅藻島運河再開発事業計画でも,同様にマリーナの整備計画が考えられているのはご存じのとおりであります。  私は,神戸市の歴史を思うとき,神戸市民が老いも若きも,もっと海という自然にふれあう必要があるのではないでしょうか。もっとマリンスポーツを通じて,神戸の個性というものをはぐくんでいってもよいのではないかと考える次第であります。現在マリーナは須磨にしかありませんが,前述の計画はあるにしても,私の考えている多くの市民がヨットなどを通じて海に親しむことは余りにも少ないと言わざるを得ません。確かに港をマリーナ港区に変更するための手続がそう簡単であろうとは思えませんし,航路のことを考えると,安全確保の問題もあろうかと思います。これらの問題をクリアし,ウォーターフロント各所にマリーナをつくることができたならば,神戸はマリーナのメッカとして新しい魅力を生み出すことができるのではないかと思われます。  あらゆる市民が海に親しむ機会をつくるといった意味からも,ウォーターフロントの多目的活用,利用が可能と思われます。長期的な展望に立って,今から計画を考えていく必要があると思いますが,ご所見をお伺いしたいと思います。  以上につきまして,率直なご答弁をお願いいたしまして,私の質問を終わります。  (「議長」の声あり) 137 ◯議長(島田五三郎君) 笹山市長。 138 ◯市長(笹山幸俊君) 北山議員のご質問にお答えを申し上げます。  まず,CATの話から入りたいと思いますが,これは先ほど緒方助役からもちょっと話を申し上げておりますが,東京の箱崎等の内容で今話をしておるわけでございますけれども,その回答としては,航空会社──日本の航空会社は何とかいけるんではないかというようなことを言うております。そういうことで,現在は外国の航空会社に打診をいたしておる状態です。そういうことで法務省にもそういった意味のお話をしておりますけれども,まだまだ少し早いんではないか,もうちょっと絵を見てからだ,こういうことも言われております。  ですから,ターミナルのいわゆる施設としての──皆さん方が利用しやすい施設,ターミナルをつくりたいということで,現在いろんな検討をさせておりますけれども,関西空港から飛行機に乗る方と見送りあるいは迎え,こういった人がおられますんで,これの分離をするのかしないのか,また荷物も別に手放していきますから,これは完全に別になると思いますが,そういうことを施設的にスムーズに移動する必要があるわけです。ですから,物理的には船でございますから,1階・2階ぐらいの建物を建てて,デッキをつけて下へどうしてもおりなければいけない。飛行機ですと,横っ腹へつくわけですけれども,船の場合はそういかないということがありまして,上下移動がどうしても起こる,これを何とか平面移動ができないか,こういう議論を今会社の方にやらせております。  しかし,この辺が将来神戸空港というものがはっきりしてきまして,その設計の段階でそれとどうつなぐかということを考える場合,空港内につくるとか,あるいは今のCATを使うとか,この議論はそこで分かれると思いますんで,そういったもろもろのことを考えておいて,先行する関西空港に対応したい。うまくいっても5年か6年のタイムラグがありますんで,この間にそういったことのうまく連絡ができるようなシステムを考えておきたい,こう思っております。ですから,1つの例としては,空港へ行くというのは余りないんですね,今度が初めてだと思いますけれども,例えば香港はマカオに渡るというのでああいう格好になってますけれども,そういうシステムが今後──ちょっと例があれば非常にいいんですけれども,ないもんですから,みずから考えるということでいきたい,こう思っております。  それから,海岸線の問題ですけれども,先ほどご指摘がありましたように,確かにこの問題は少し人員的にもあるいはお金の面でも使い切ってない,こういうことでございますが,実はご指摘ありましたように事業免許取得の重要な要件は採算性なんですね。採算性をはっきり説明ができないと免許を出せない,その免許を出す場合の設計の作業ができない,こういう悪循環をしております。そういうことで,この採算性確保のためのいろんな方策としていろんなプロジェクトがあるわけですけれども,これもまたプロジェクトがあって電車をつけるということなのか,電車をつけてプロジェクトを進行さすのか,堂々めぐりになるんですけれども,今回運輸省の方も早く結論を出してこい,こういうことを言われておりますんで,来年度に向けましてこの結論を出したいと思っております。  そこで問題になりますのは,お話がございましたように経営の安定化方策はどうだ。といいますのは財政運営ですね,これの方法はどうする──施行主体とお金ですね,どういうお金を使うか,こういうことだと思います。これの検討と,プロジェクトがそれぞれございますが,どこから手をかけるか。当然鉄道ですから,駅舎のところ,あるいは車庫,こういうものからかかると思いますけれども,そういうことを考えながら来年度の予算,区政懇に入りたい,こう思っております。  特にいつ着工するかということだと思いますので,問題はやはり採算性を説明する中にいろんな積み上げの需要予測が崩れるということではどうにもなりませんので,そういう点の地域整備の覚悟を決めなければいけない時期に相なっておりますので,これにつきましては議員の皆さん方にもご支援をいただきたい,こう思います。  (「議長」の声あり) 139 ◯議長(島田五三郎君) 田渕助役。 140 ◯助役(田渕栄次君) 私から1点,ご説明を申し上げます。  下水道の3次処理に係る用地の利用の問題でございますけれども,下水道の高度処理,この問題につきましては将来的には時期あるいはその処理の程度,こういったものを見ながら対応すべき重要な問題であるというふうに考えております。ご指摘の西部処理場に隣接した大阪ガス跡地につきましては,インナーシティ総合整備基本計画の中でも下水高度処理用地ということでの位置づけがなされているわけでございます。したがいまして,この間,暫定期間でございますけれども,多目的な広場とかそういったような形で地域の方々に利用していただきたいというふうに考えておりますし,その高度処理施設の建設後も,その上部利用について地域の方々と相談しながら利用していきたい,こういうふうに考えておりますので,この土地利用についてはそういった意味でご理解をいただきたいと思います。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 141 ◯議長(島田五三郎君) 緒方助役。 142 ◯助役(緒方 学君) 私から2点,お答え申し上げます。  琵琶湖総合開発事業の効果といいますか,第1点はそういうことでございますけれども,ことしの夏は大変暑く,また異常少雨ということで渇水のおそれがありまして,先生方にも大変ご心配をおかけいたしました。  このたびの渇水問題に対しまして,この琵琶湖総合開発事業の進捗がどういうふうに寄与したか,そういうことを見てみますと,例えば昭和53年度は琵琶湖の水位がマイナス50センチで取水制限にいっております。それから,61年度を見てみますとマイナス59センチ,さらに今回の場合はマイナス70センチを超える時点ぐらいで制限予定,こういうところまで進んでおります。今回はそのマイナス70センチになる直前で台風19号等の雨があったわけでございますけれども,そういうような状況になっておりまして,かなり水利用の幅が大きくなってきているんじゃないかと思います。琵琶湖総合開発事業が相当進んできまして,そういう意味ではその効果が出たんじゃないかと思っております。  琵琶湖の完成によりまして,今後本市で渇水のおそれがなくなるかどうかということでございますけれども,平成3年度に完成いたしますと,渇水時にはその水位をマイナス 1.5メートルまで下げると定められております。おおよそ10年に1回ぐらいその水位まで下がることが予想されるわけでございますけれども,今後とも異常少雨の場合には渇水のおそれはあるわけでございますけれども,琵琶湖の完成によりまして,その度合いは大幅に減少すると言えるんじゃないかと思っております。  それから,ウォーターフロントの多目的利用でございます。特にマリーナの問題でございますけれども,現在神戸市内のプレジャーボート隻数は約 1,000隻のようでございまして,約 700隻が須磨ヨットハーバーと民間マリーナに係留されております。将来的にはプレジャーボートの総数はさらに増加するものと考えられるわけでございまして,神戸港長期計画の中で港の総合的な将来計画を検討するわけでございますけれども,ただ和田岬より東の水域は大型船の入港が多く,また前面にセーリングエリアがないわけでございます。主としてマリーナ等につきましては,インナーシティ総合整備基本計画にうたっておりますように,西部地区,具体的に申しますと長田港とか苅藻島運河とか,そういうところの再開発の中で整備をしていく必要があるんじゃないか,そういうふうに考えております。  以上でございます。  (「議長59番」の声あり) 143 ◯議長(島田五三郎君) 59番北山順一君。 144 ◯59番(北山順一君) ただいまご回答をいただきました。もう時間が過ぎておりますから多く申しませんが,ただ空港の問題とK-CATの問題につきましては,いろいろこれから研究する余地がたくさんあるようですけれども,あくまでも利用者の利便が第1である,こういうことを念頭に置いていただきたい。そして,そこでどういう機能が付加されるかによって,そのK-CATにどれだけ多くの人を集めることができるかということにもつながるわけですから,その点はぜひともよく考えてやっていただきたい,このことをK-CATについてはお願いを申し上げておきたいと思います。  それから,海岸線の建設につきましても,先ほどご答弁がございましたように財政問題,あるいはその他のいろんなスケジュール,たくさんクリアしなければならない問題,障害があるようですが,いずれにしてもこれはインナーシティの最後の決定打といいますか,これしかないと私どもは考えておりますので,この点市長にはぜひとも来年にはもう着工するぞというぐらいの決意をして取り組んでいただきますように,これはお願いを申し上げておきたいと思います。  それから,下水道の3次処理の問題でございますが,いつから3次処理をやるんだと言われたら,いつですということも言えないような時期でありますし,午前中の質疑の中で田渕助役は,将来の技術革新にも随分期待をしておる,そういうふうな状況の中で,あのインナーにとって大変貴重な敷地であります。もうご存じのとおり,インナー工業団地をつくろうとすれば多くの企業があそこへ行きたいと言っているようなところが, 1.1ヘクタールしか取れなかった。そして,いつ使うかわからない,将来の技術革新によったらそれだけも必要ないんではないかと思われるような下水の3次処理に 2.9ヘクタールをリザーブしていく,こういうのは私は納得いたしかねることだ,こう思っております。将来の技術革新に期待するならば,逆になってインナー工業団地用が 2.9ヘクタール,そして3次処理用が 1.1ヘクタール,こういうふうにしていただいた方がいいんではないかな,こういうふうに私思っておりますので,この点もお願い──そういう方向で考えてくれませんかという要望をしておきたいと思います。  それから,ウォーターフロントの活用の問題ですね──マリーナの問題,今考えられております長田港あるいは苅藻島,あのあたりの活用だけで神戸が「マリーナのメッカ」というような名前をいただくことは到底できない,こう思います。マリーナのメッカとして神戸市が立候補するんだという立場に立っていただくならば,もっとほかのところ,たくさんまだまだ活用するところが私どもは地図の上で見ておりまして,ある,こう思っておりますので,緒方助役の先ほどの答弁はもう1度また帰ってよく勉強していただいて──調査していただいて,マリーナのメッカとして神戸が立候補するぞという決意をひとつしていただいた上で,神戸のウォーターフロントの活用をもう1度考え直していただきますことを要望いたしまして,私の質問を終わります。そして,あとの問題は次の委員会で頑張りたいと思います。  ────────────────── 145 ◯議長(島田五三郎君) 以上で質疑は終了いたしました。  この際お諮りいたします。  本件は,議員22名をもって構成する決算特別委員会を設置して,これに審査方を付託いたしたいと存じますが,ご異議ございませんか。  (「異議なし」の声あり) 146 ◯議長(島田五三郎君) ご異議がないと認めます。  それでは,さように決定いたしました。  なお,決算特別委員会委員は,委員会条例第5条第1項の規定に基づき,議長より指名いたします。 147 ◯議長(島田五三郎君) 委員の氏名は,事務局より朗読いたします。  (安川市会事務局議事課長朗読)  決算特別委員会委員     片 岡 雄 作 君     平 野 章 三 君     福 浪 睦 夫 君     植 中   進 君     谷 本 徳太郎 君     粟 原 富 夫 君     西 下   勝 君     横 山 道 弘 君     田 村 とし子 君     原   和 美 君     岩 城 修 吉 君     中 村 治 助 君     竹 内 正 明 君     寺 坂 光 夫 君     安 井 俊 彦 君     上 井 三 郎 君     松 田 治 郎 君     田 中 健 造 君     世良田 幸 雄 君     中 村 勝 彦 君     北 山 順 一 君     堀之内 照 子 君 以上22名。  ──────────────── 148 ◯議長(島田五三郎君) 以上で決算特別委員会委員の指名は終わりました。  ただいまご指名申し上げましたとおり決しまして,ご異議ございませんか。  (「異議なし」の声あり) 149 ◯議長(島田五三郎君) ご異議がないと認めます。  それでは,さように決定いたしました。  ──────────────────
    150 ◯議長(島田五三郎君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。  この際申し上げます。  次回本会議は,来る10月8日午後2時より開きます。  なお,ただいま在席の各位には,文書による開議通知は省略させていただきますから,さようご了承願います。  次に,この後直ちに決算特別委員会を開会いたしますから,委員の方は27階第2委員会室にお集まり願います。  本日はこれをもって散会いたします。   (午後6時16分散会) 神戸市会事務局 Copyright (c) Kobe City Assembly, All Rights Reserved. No reproduction or republication without written permission. ↑ ページの先頭へ...